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Chapter9(手駒編)
Chapter9-④【くちびるから媚薬】前編
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「ナツキさんも飲んでみますか?
感度が上がりますよ。
個人差もあるので、無理にとは言いませんが。」
「馬鹿言うな、飲むに決まったんだろ。
まさか、俺がビビってると思ってないだろうな。
こんなの栄養剤代わりだ。
とっとと寄越せ!」
ナツキは向きになって言う。
「ナツキさんの体格なら一錠では足りないのでは?
外人のマッチョは二錠飲んでいるらしいです。
これはあくまでも外国の話です。」
「俺は風邪薬でも人の倍飲んでいるんだ。
だったら二錠じゃ、足りねぇな。」
中嶋から錠剤を奪い取ると、三粒飲み込んだ。
体温が上がるのが分かる。
火照るを通り越して、体内が燃えている様だ。
中嶋の持つマッサージ機が唸りをあげる。
ドロッとした汗が頬を伝う。
「全く感じねぇな。
蚊に刺された程度だ。
この俺がこんなモンで、俺がイク訳ねぇだろ!」
ナツキは汗の意味を隠す為、大声を出す。
「だったら賭けませんか?
もし射精したら…。」
「ああ、上等だ。
おお、賭けようぜ!
射精したら、どうするんだ?
絶対にありえないから、条件を聞いてやる。
言ってみろ。」
「ここにいる間、私の奴隷になってもらいます。
と言っても無茶な事は言いません。
私の指示通りに行動して貰うだけ結構です。」
中嶋がしたたかな笑みを溢した。
客の来店を知らせるチャイムが鳴った。
「なら今日の帰りに付き合って下さい。
ギャラリーがいた方が盛り上がりますからね。
私の行き付けの店で勝負しましょう。
いらっしゃいませ。」
中嶋はレジに戻って行く。
ナツキは呆然と立ち尽くす。
流れからいって、今の状況は負けに等しい。
完全に中嶋の思惑に填まっていた。
「ちょいチラシを配ってくる。
夕方には戻って来る。
おいっ、行くぞ!」
ナツキは床に転がっているワタルに声を掛けた。
兎に角、身体を冷ましたい。
風に当たれば、少しはましになるだろう。
それにここにいれば、嫌でも中嶋が目に入る。
余裕をかましている姿を見るのも忌々しい。
脂汗が止まらない。
通りを抜ける風くらいでは何の役にも立たない。
疼く股間が露骨にスパッツを持ち上げた。
「はぁ、はぁ…。」
後ろを歩くワタルの息が荒い。
「静かに歩け!」
腹立たしさに声を荒げる。
「ど、何処へ行くんですか?」
「ジムだ!」
ムシャクシャした気持ちはウェイトにぶつけるしかない。
「おりゃあ!」
一際大きな声でバーを持ち上げる。
「ナツキさん、声がデカいですよ。
スタッフが睨んでます。」
狼狽えたワタルがトレーナーに視線を向けた。
「気にすんな。
ジムで気合い出すなって方が馬鹿なんだ。
無視してりゃ、いいのさ。」
ナツキは意に介さず、その後も声を張り上げる。
いや、声量は更に上がっていた。
「ふっー。」
溜め息しか出て来ない。
ブリッジしてバーを上げるナツキの股間は竿の形がくっきり浮かんでいた。
ショートのスパッツは尻の上下がはみ出ている。
『この人は羞恥心を持ち合わせてないのかな?』
ワタルは再び溜め息を吐いた。
(つづく)
感度が上がりますよ。
個人差もあるので、無理にとは言いませんが。」
「馬鹿言うな、飲むに決まったんだろ。
まさか、俺がビビってると思ってないだろうな。
こんなの栄養剤代わりだ。
とっとと寄越せ!」
ナツキは向きになって言う。
「ナツキさんの体格なら一錠では足りないのでは?
外人のマッチョは二錠飲んでいるらしいです。
これはあくまでも外国の話です。」
「俺は風邪薬でも人の倍飲んでいるんだ。
だったら二錠じゃ、足りねぇな。」
中嶋から錠剤を奪い取ると、三粒飲み込んだ。
体温が上がるのが分かる。
火照るを通り越して、体内が燃えている様だ。
中嶋の持つマッサージ機が唸りをあげる。
ドロッとした汗が頬を伝う。
「全く感じねぇな。
蚊に刺された程度だ。
この俺がこんなモンで、俺がイク訳ねぇだろ!」
ナツキは汗の意味を隠す為、大声を出す。
「だったら賭けませんか?
もし射精したら…。」
「ああ、上等だ。
おお、賭けようぜ!
射精したら、どうするんだ?
絶対にありえないから、条件を聞いてやる。
言ってみろ。」
「ここにいる間、私の奴隷になってもらいます。
と言っても無茶な事は言いません。
私の指示通りに行動して貰うだけ結構です。」
中嶋がしたたかな笑みを溢した。
客の来店を知らせるチャイムが鳴った。
「なら今日の帰りに付き合って下さい。
ギャラリーがいた方が盛り上がりますからね。
私の行き付けの店で勝負しましょう。
いらっしゃいませ。」
中嶋はレジに戻って行く。
ナツキは呆然と立ち尽くす。
流れからいって、今の状況は負けに等しい。
完全に中嶋の思惑に填まっていた。
「ちょいチラシを配ってくる。
夕方には戻って来る。
おいっ、行くぞ!」
ナツキは床に転がっているワタルに声を掛けた。
兎に角、身体を冷ましたい。
風に当たれば、少しはましになるだろう。
それにここにいれば、嫌でも中嶋が目に入る。
余裕をかましている姿を見るのも忌々しい。
脂汗が止まらない。
通りを抜ける風くらいでは何の役にも立たない。
疼く股間が露骨にスパッツを持ち上げた。
「はぁ、はぁ…。」
後ろを歩くワタルの息が荒い。
「静かに歩け!」
腹立たしさに声を荒げる。
「ど、何処へ行くんですか?」
「ジムだ!」
ムシャクシャした気持ちはウェイトにぶつけるしかない。
「おりゃあ!」
一際大きな声でバーを持ち上げる。
「ナツキさん、声がデカいですよ。
スタッフが睨んでます。」
狼狽えたワタルがトレーナーに視線を向けた。
「気にすんな。
ジムで気合い出すなって方が馬鹿なんだ。
無視してりゃ、いいのさ。」
ナツキは意に介さず、その後も声を張り上げる。
いや、声量は更に上がっていた。
「ふっー。」
溜め息しか出て来ない。
ブリッジしてバーを上げるナツキの股間は竿の形がくっきり浮かんでいた。
ショートのスパッツは尻の上下がはみ出ている。
『この人は羞恥心を持ち合わせてないのかな?』
ワタルは再び溜め息を吐いた。
(つづく)
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