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Chapter8(男童編)
Chapter8-⑥【顔】後編
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「お前、勉強は出来るか?」
この場に不似合いな質問を投げ掛けてきた。
「いや、全然…。」
「だったら何が自慢出来るんだ?」
「…喧嘩か、体操かな。」
ミサキの掴んだフェンスの形が崩れる。
「大会で優勝した事はあるか?」
「いや、そこ迄は…。」
「やっぱ、全部中途半端な訳か。
だったら高校位は出ておけ。
でないと、お前の人生は選択も出来なくなるぜ。
ずっと底辺を這いつくばる。
そして行き着く先は牢獄だ。」
マスクマンの口元に明かりが灯った。
「高校卒業する迄に、誰にも負けない物を手に入れろ。
男遊びはそれからでも遅くねぇ。
これが未来のお前からのメッセージだ。」
マスクマンの口から煙が立ち込める。
風の全くない夜だった。
「おい、行くぞ!」
タケルに手を引かれ、フェンスを離す。
「未来の俺はそんな事は言わない。
そんな格好した奴に説教される覚えはないよ。」
ミサキは振り返り、フェンス越しにマスクマンを睨む。
「お前はやっぱり馬鹿だ。
俺は柔道でインターハイに行った。
だからこんな格好をしてても、仕事が付いて回る。
もしインターハイ行ってなかったら、今頃路頭に迷ってるだろう。
そんな事も分からねぇのか?」
マスクマンの足元で火の粉が消えた。
「何でもいいから一番になれ!
胸を張って生きろ!」
「こっちにも出口があります!」
緊迫した声がマスクマンの声を掻き消した。
「タイムオーバーだ。
お前が一番になった時に続きをやろうぜ。
その時はまた未来から来てやる。」
マスクマンが暗闇に溶け込んだ。
ライトが追って来る。
慌てて倉庫を駆け抜けた。
「出口を固めろ。
一人も逃がすな!」
警官の怒声が背後から聞こえる。
流れる汗が心地好い。
学校に行かなくなってから、部活にも顔を出してない。
『久し振りにマットの上で汗を掻くのもいいかもな。』
ミサキは思い切りジャンプして、植樹を飛び越えた。
「お前、ミサキに会ったか?」
難しい顔をした神志那が聞いてきた。
「へっ、何の事っすか?
ミサキって、社員いましたっけ?」
「あっ、いや何でもない。
それで次の幹部会だが、東京の支配人を三人呼ぶ。
初参加だから、マナーを教えておけ。
スケジュールは塚田に聞け。」
神志那は首をかしげながら出ていった。
「という事は久し振りにシンゴさんと再会だ!」
ナツキはプロテインを一気に飲み干す。
部屋に戻ると、シンゴから貰った黒いロングスパッツに着替える。
小躍りするマラがスパッツを持ち上げた。
『この俺がまさか人に説教するとはな。』
人生は想像も付かない事が起こる。
シンゴの件もそうだ。
バイト先の社員を濃き使う日が来るとは夢にも思わなかった。
シンゴは親身に面倒をみてくれ、今でも感謝している。
『俺の成長した姿を見せてやるか。』
アナルを掻き回されて、悶え狂う裸体を思い描く。
シンゴの変態資質を思えば、荒く扱った方が欲情しそうだ。
ナツキは幹部会で吊し上げられるシンゴの姿を想像して射精する。
もうユウコの顔は思い出せなかった。
(つづく)
この場に不似合いな質問を投げ掛けてきた。
「いや、全然…。」
「だったら何が自慢出来るんだ?」
「…喧嘩か、体操かな。」
ミサキの掴んだフェンスの形が崩れる。
「大会で優勝した事はあるか?」
「いや、そこ迄は…。」
「やっぱ、全部中途半端な訳か。
だったら高校位は出ておけ。
でないと、お前の人生は選択も出来なくなるぜ。
ずっと底辺を這いつくばる。
そして行き着く先は牢獄だ。」
マスクマンの口元に明かりが灯った。
「高校卒業する迄に、誰にも負けない物を手に入れろ。
男遊びはそれからでも遅くねぇ。
これが未来のお前からのメッセージだ。」
マスクマンの口から煙が立ち込める。
風の全くない夜だった。
「おい、行くぞ!」
タケルに手を引かれ、フェンスを離す。
「未来の俺はそんな事は言わない。
そんな格好した奴に説教される覚えはないよ。」
ミサキは振り返り、フェンス越しにマスクマンを睨む。
「お前はやっぱり馬鹿だ。
俺は柔道でインターハイに行った。
だからこんな格好をしてても、仕事が付いて回る。
もしインターハイ行ってなかったら、今頃路頭に迷ってるだろう。
そんな事も分からねぇのか?」
マスクマンの足元で火の粉が消えた。
「何でもいいから一番になれ!
胸を張って生きろ!」
「こっちにも出口があります!」
緊迫した声がマスクマンの声を掻き消した。
「タイムオーバーだ。
お前が一番になった時に続きをやろうぜ。
その時はまた未来から来てやる。」
マスクマンが暗闇に溶け込んだ。
ライトが追って来る。
慌てて倉庫を駆け抜けた。
「出口を固めろ。
一人も逃がすな!」
警官の怒声が背後から聞こえる。
流れる汗が心地好い。
学校に行かなくなってから、部活にも顔を出してない。
『久し振りにマットの上で汗を掻くのもいいかもな。』
ミサキは思い切りジャンプして、植樹を飛び越えた。
「お前、ミサキに会ったか?」
難しい顔をした神志那が聞いてきた。
「へっ、何の事っすか?
ミサキって、社員いましたっけ?」
「あっ、いや何でもない。
それで次の幹部会だが、東京の支配人を三人呼ぶ。
初参加だから、マナーを教えておけ。
スケジュールは塚田に聞け。」
神志那は首をかしげながら出ていった。
「という事は久し振りにシンゴさんと再会だ!」
ナツキはプロテインを一気に飲み干す。
部屋に戻ると、シンゴから貰った黒いロングスパッツに着替える。
小躍りするマラがスパッツを持ち上げた。
『この俺がまさか人に説教するとはな。』
人生は想像も付かない事が起こる。
シンゴの件もそうだ。
バイト先の社員を濃き使う日が来るとは夢にも思わなかった。
シンゴは親身に面倒をみてくれ、今でも感謝している。
『俺の成長した姿を見せてやるか。』
アナルを掻き回されて、悶え狂う裸体を思い描く。
シンゴの変態資質を思えば、荒く扱った方が欲情しそうだ。
ナツキは幹部会で吊し上げられるシンゴの姿を想像して射精する。
もうユウコの顔は思い出せなかった。
(つづく)
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