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Chapter8(男童編)
Chapter8-②【反抗期】前編
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「会った事ないですよね?
他のイベントには出てないんですか?」
ワタルのタイツが隆起していた。
性欲が疲労を上回ったのだろう。
「俺はスポンサー側だからな。」
「あっ、道理で。
ゴーゴーなら殆ど知ってるんで。
あんな過激な煽りは初めてです。」
ワタルが立ち上がる。
「これ半透明なんですね。
めちゃエロいです。
丸でサイボーグみたい。」
うっとりした声音で近寄ると、ナツキの頭に舌を這わす。
「ワタル!休憩長ぇーよ!
あっ、すいません…。」
ドアを蹴飛ばし入ってきたマッチョが、ナツキを見て頭を下げた。
「いや、構わん。
もう出る所だ。
長くなって悪かった。」
ナツキは煙草を揉み消すと、立ち上がる。
「馬鹿、空気読めよ。」
ワタルが立ち竦むマッチョに小声で言った。
「これをナツキさんに渡す様にと。
随時、社長から指示があるそうです。」
スタッフがインカムを差し出した。
「何だこれ?
客を煽るのに必要な物か?」
「目当ての方が現れた様です。
ゴーゴーを続けながら、報告してくださいと仰っていました。
「何だ、そりゃ?
訳が分からん。」
受け取ったヘッドセットを装着する。
「あー、あー、ナツキ、聞こえますか?
何を報告すればいいんですか?」
「ああ、良く聞こえる。
ターゲットが現れた。
舞台下にいるませたガキだ。
面を覚えておけ。」
指示はそれだけだった。
舞台に立ち、腰を振る。
ワタルがそれに合わせて、尻を突き出した。
すっかり懐いた様子だ。
そのお陰か、客のボルテージは最高潮に達していた。
眼下の客はまた増えている。
その中に一際小さい奴がいた。
『えっ、子供?
こいつがターゲットのガキか。』
ナツキはその少年を見据える。
どう見ても中学生にしか見えない。
一端にハーネスを着けて、派手に踊っていた。
その隣に背の高いハーフ顔がいる。
全身レザーを着込んでいるが、これもまた顔が幼い。
精々高校生だろう。
密着した場所に二人の周りだけ、空間が出来ていた。
威圧感が他を圧倒している。
視線に気付いた中坊が顔を上げた。
たじろく事なくナツキを見返す。
ナツキはその顔を頭に叩き込んだ。
「ナツキさん、今日はありがとうございました。」
打ち上げの席でワタルが駆け寄ってきた。
「お前か、お疲れさん。」
「着ていたレザーと大入り袋まで貰えましたよ。
ナツキさんとお揃いの全頭マスクを買いました。」
袋の中から半透明のマスクを出す。
「次、イベントがあったら、声掛けて下さい。
またナツキさんと一緒に舞台に上がりたいです。」
赤らめた頬はアルコールの所為ではなさそうだ。
「ああ、今日は助かった。
次も頼む。」
今はエロより、一服の方が重要だ。
消したそばから、新たな煙草に火を点す。
「でもナツキさんの顔が気になるな。」
ワタルが顔を近付ける。
ナツキはスカルキャップにサングラスをし、照明の届かない一番端で飲んでいた。
「正体不明な感じにそそられます。」
ワタルがサングラスを覗き込んだ。
(つづく)
他のイベントには出てないんですか?」
ワタルのタイツが隆起していた。
性欲が疲労を上回ったのだろう。
「俺はスポンサー側だからな。」
「あっ、道理で。
ゴーゴーなら殆ど知ってるんで。
あんな過激な煽りは初めてです。」
ワタルが立ち上がる。
「これ半透明なんですね。
めちゃエロいです。
丸でサイボーグみたい。」
うっとりした声音で近寄ると、ナツキの頭に舌を這わす。
「ワタル!休憩長ぇーよ!
あっ、すいません…。」
ドアを蹴飛ばし入ってきたマッチョが、ナツキを見て頭を下げた。
「いや、構わん。
もう出る所だ。
長くなって悪かった。」
ナツキは煙草を揉み消すと、立ち上がる。
「馬鹿、空気読めよ。」
ワタルが立ち竦むマッチョに小声で言った。
「これをナツキさんに渡す様にと。
随時、社長から指示があるそうです。」
スタッフがインカムを差し出した。
「何だこれ?
客を煽るのに必要な物か?」
「目当ての方が現れた様です。
ゴーゴーを続けながら、報告してくださいと仰っていました。
「何だ、そりゃ?
訳が分からん。」
受け取ったヘッドセットを装着する。
「あー、あー、ナツキ、聞こえますか?
何を報告すればいいんですか?」
「ああ、良く聞こえる。
ターゲットが現れた。
舞台下にいるませたガキだ。
面を覚えておけ。」
指示はそれだけだった。
舞台に立ち、腰を振る。
ワタルがそれに合わせて、尻を突き出した。
すっかり懐いた様子だ。
そのお陰か、客のボルテージは最高潮に達していた。
眼下の客はまた増えている。
その中に一際小さい奴がいた。
『えっ、子供?
こいつがターゲットのガキか。』
ナツキはその少年を見据える。
どう見ても中学生にしか見えない。
一端にハーネスを着けて、派手に踊っていた。
その隣に背の高いハーフ顔がいる。
全身レザーを着込んでいるが、これもまた顔が幼い。
精々高校生だろう。
密着した場所に二人の周りだけ、空間が出来ていた。
威圧感が他を圧倒している。
視線に気付いた中坊が顔を上げた。
たじろく事なくナツキを見返す。
ナツキはその顔を頭に叩き込んだ。
「ナツキさん、今日はありがとうございました。」
打ち上げの席でワタルが駆け寄ってきた。
「お前か、お疲れさん。」
「着ていたレザーと大入り袋まで貰えましたよ。
ナツキさんとお揃いの全頭マスクを買いました。」
袋の中から半透明のマスクを出す。
「次、イベントがあったら、声掛けて下さい。
またナツキさんと一緒に舞台に上がりたいです。」
赤らめた頬はアルコールの所為ではなさそうだ。
「ああ、今日は助かった。
次も頼む。」
今はエロより、一服の方が重要だ。
消したそばから、新たな煙草に火を点す。
「でもナツキさんの顔が気になるな。」
ワタルが顔を近付ける。
ナツキはスカルキャップにサングラスをし、照明の届かない一番端で飲んでいた。
「正体不明な感じにそそられます。」
ワタルがサングラスを覗き込んだ。
(つづく)
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