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Chapter6(港川編)
Chapter6-⑦【プール】後編
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受け取った手が固まる。
視線は手の中の競パンを見詰めていた。
インナーの取れた競パンは生地が薄くなり、所々穴も開いている。
クタクタを通り越して、ぼろ切れの様だ。
「遠慮なく穿いていいっすよ。」
「あっ、ありがとう…。」
タカユキは震える声を絞り出した。
「あっ、ナツキさん来てたんですか?
凄い混雑っすね。
場所ないんで、ご一緒していいっすか?」
更衣室から出てきたヒナタが態とらしく声を掛けてきた。
自分の周りだけ、モーゼの海割れの如く隙間が出来ている。
ちょっと睨むと、間隔は更に広がった。
「おう、天気がいいからな。
別に構わないぜ。
ん、連れの奴は確か…。」
ナツキはヒナタの隣でもじもじしている男に視線を向ける。
その声でタカユキが顔を上げた。
「あっ、チカラ君の!」
タカユキが目を見開く。
「ああ、世話になったな。」
「梅雨時でしたが、沖縄はどうでしたか?」
知ってる顔を見付けて、タカユキは隣に座り込んだ。
体育座りをして、股間を隠す。
「まあ、雨にも降られたが、まあまあの天気だった。」
ナツキは笑顔を向ける。
「それだけ焼けてるって事は天気に恵まれたんですね。
良かったです。」
社交辞令でない事はナツキにも分かる。
快晴の沖縄を堪能出来た。
その事を自分事の様に喜んでいるのだ。
「真っ黒で羨ましいな。」
屈託のない笑顔がナツキに火を点けた。
「だったら今日は良く焼けるぞ。
そんな大根みたいじゃ、男が寄ってこないぜ。
オイル塗ってやるから横になれ。」
ナツキは手を伸ばすと、ヒナタがオイルを渡す。
「あっ、でも…。」
タカユキは股間を露にする事を躊躇した。
「おらっ、早くしろ。」
「あっ、はいっ!」
慌てたタカユキが足を広げる。
透け透けの生地の下にちじこまったペニスが見えた。
ナツキは覆い被さる様に掌でオイルを伸ばす。
「ナツキさん、ケツが半分見えてるっすよ。
ここはTバック禁止だから、そんなに食い込ませたらダメっす!」
ヒナタは後ろから注意する。
布は大臀筋に追いやられ、アナルが見えそうだ。
「気にするな。
三分の一は隠れてるから平気だ。」
「三分の一って、殆ど隠れてないっすけど…。」
監視員に目を向ける。
口元にホイッスルを持ったまま、ナツキを見ていた。
だが吹く事なく、プールに視線を戻す。
強面の男に注意する度胸はない様だ。
鼻高々で辺りを見渡す。
周りのゲイ達が大胆なナツキに注目している。
正面の男の競パンは勃起した竿がくっきり浮かんでいた。
ナツキの体毛ひとつない身体が午後の陽射しを浴びて輝いている。
血管の浮かぶ後頭部が卑猥だ。
部員にもキャップを嫌って、スキンヘッドにしている奴はいる。
だが欲情した事はない。
『俺も剃ってみようかな?』
「もう充分です。」
タカユキが小声で訴えた。
「何が充分だ。
脇下がまだだ。
手を上げろ。」
タカユキが恥ずかしさに顔を歪める。
ナツキのマラがそれを敏感に察知した。
(つづく)
視線は手の中の競パンを見詰めていた。
インナーの取れた競パンは生地が薄くなり、所々穴も開いている。
クタクタを通り越して、ぼろ切れの様だ。
「遠慮なく穿いていいっすよ。」
「あっ、ありがとう…。」
タカユキは震える声を絞り出した。
「あっ、ナツキさん来てたんですか?
凄い混雑っすね。
場所ないんで、ご一緒していいっすか?」
更衣室から出てきたヒナタが態とらしく声を掛けてきた。
自分の周りだけ、モーゼの海割れの如く隙間が出来ている。
ちょっと睨むと、間隔は更に広がった。
「おう、天気がいいからな。
別に構わないぜ。
ん、連れの奴は確か…。」
ナツキはヒナタの隣でもじもじしている男に視線を向ける。
その声でタカユキが顔を上げた。
「あっ、チカラ君の!」
タカユキが目を見開く。
「ああ、世話になったな。」
「梅雨時でしたが、沖縄はどうでしたか?」
知ってる顔を見付けて、タカユキは隣に座り込んだ。
体育座りをして、股間を隠す。
「まあ、雨にも降られたが、まあまあの天気だった。」
ナツキは笑顔を向ける。
「それだけ焼けてるって事は天気に恵まれたんですね。
良かったです。」
社交辞令でない事はナツキにも分かる。
快晴の沖縄を堪能出来た。
その事を自分事の様に喜んでいるのだ。
「真っ黒で羨ましいな。」
屈託のない笑顔がナツキに火を点けた。
「だったら今日は良く焼けるぞ。
そんな大根みたいじゃ、男が寄ってこないぜ。
オイル塗ってやるから横になれ。」
ナツキは手を伸ばすと、ヒナタがオイルを渡す。
「あっ、でも…。」
タカユキは股間を露にする事を躊躇した。
「おらっ、早くしろ。」
「あっ、はいっ!」
慌てたタカユキが足を広げる。
透け透けの生地の下にちじこまったペニスが見えた。
ナツキは覆い被さる様に掌でオイルを伸ばす。
「ナツキさん、ケツが半分見えてるっすよ。
ここはTバック禁止だから、そんなに食い込ませたらダメっす!」
ヒナタは後ろから注意する。
布は大臀筋に追いやられ、アナルが見えそうだ。
「気にするな。
三分の一は隠れてるから平気だ。」
「三分の一って、殆ど隠れてないっすけど…。」
監視員に目を向ける。
口元にホイッスルを持ったまま、ナツキを見ていた。
だが吹く事なく、プールに視線を戻す。
強面の男に注意する度胸はない様だ。
鼻高々で辺りを見渡す。
周りのゲイ達が大胆なナツキに注目している。
正面の男の競パンは勃起した竿がくっきり浮かんでいた。
ナツキの体毛ひとつない身体が午後の陽射しを浴びて輝いている。
血管の浮かぶ後頭部が卑猥だ。
部員にもキャップを嫌って、スキンヘッドにしている奴はいる。
だが欲情した事はない。
『俺も剃ってみようかな?』
「もう充分です。」
タカユキが小声で訴えた。
「何が充分だ。
脇下がまだだ。
手を上げろ。」
タカユキが恥ずかしさに顔を歪める。
ナツキのマラがそれを敏感に察知した。
(つづく)
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yoshieeesan
現代文学
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