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Chapter6(港川編)
Chapter6-⑥【海の声】後編
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「ちょい買い物してくる。
ここで高い物は何だ?
それを出しておけ。」
ナツキは入口のマネキンに目を向ける。
競パン一丁の姿で寒々と立っていた。
「先ずはハリガタを寄越せ。
デカければ、デカい程いい。
血管が浮いたリアルな奴がいいな。」
ディルドを受け取ると、接着剤でマネキンの股間に固定する。
「で、高価な物を用意しておいたか?」
「値が張るのはレザー系ですね。
ハーネスや革パンになりますが…。」
中嶋が怪訝な表情で答えた。
「だったらハーネスがいい。
持ってこい。」
コンドームを被せたディルドをハーネスのリングに通すと、ハーネスで締め上げる。
マネキンが悲鳴を上げる位、窮屈な状態で金具を固定した。
熱り起つ黒いペニスはイメージ通りだ。
次にレザーマスクを被せ、その上にゴーグルをする。
水泳部には垂涎ものの筈だ。
ヒナタ達の欲情する顔を想像すると、笑いが込み上げてきた。
仁王立ちするマネキンの両手が空いている事に気付く。
正に手持ち無沙汰だ。
「おいっ、鞭ねぇか?」
「バラ鞭ならありますが。」
「それでいい。」
ナツキはマネキンの腕を上に向けると、その手に鞭を固定した。
だが垂れ下がった鞭に覇気がない。
接着剤を使い、鞭を撓った状態で固める。
これで今にも打ち付けてきそうだ。
「ディスプレイした物はレジ脇に置いとけ。
探している内に熱が冷めるからな。」
ぼっとしている中島に言い付けた。
「お届け物です。」
宅配業者が顔を出す。
マネキンを見た男は慌てて顔を引っ込めた。
「この蛍光灯をどうするんですか?」
中嶋は業者が置いていった箱詰めの蛍光灯を見ながら聞く。
「勿論、全部交換するぞ。
脚立持ってこい。」
赤い蛍光灯が妖しい雰囲気を醸し出す。
間引きした光源は薄暗く、欲情を掻き立てた。
「これじゃあ、雑誌やDVDを探せないですよ。
それに万引きし放題じゃないですか。」
「だな。流石に暗過ぎるな。」
ナツキも顔を顰める。
「そうだ。本やDVDはレジ前に集めましょう。
そこだけ蛍光灯を増やせば、これもアリですよ。」
中嶋は手を叩くと、腕捲りした。
「うわっ、すげぇ変わり様。」
入ってきたヒナタが店内を見渡す。
「このマネキンなんて、マジリアルじゃねぇか。
しかも二体に増えてるし。」
ヒロシがマネキンをまじまじと眺める。
「しかもマスクにゴーグルって、そそるよな。
俺、マスク買っていこうかな。」
ヒナタがマスクに手を伸ばす。
「おい、今日は買い物に来たんじゃないぞ。」
コウキが窘める。
「本当にナツキさんはいるんでしょうね?
今日いなかったら、法的手段を取らせてもらいますよ。」
コウキが中嶋に詰め寄った。
「既にいますよ。
気付きませんか?」
笑みを浮かべ答える。
「いるって、どこですか?
学生だと思って、いい加減な事を言わないで下さい。」
「何が法的手段だ。
生意気言ってんじゃねぇ!」
鞭がコウキの背中を打ち付けた。
「痛ぇ!」
驚いたコウキが振り返る。
マネキンが右腕を振り上げていた。
「うわぁ、マネキンが動いた!」
ヒナタがその場に座り込む。
撓った鞭がヒナタの頬にヒットした。
(つづく)
ここで高い物は何だ?
それを出しておけ。」
ナツキは入口のマネキンに目を向ける。
競パン一丁の姿で寒々と立っていた。
「先ずはハリガタを寄越せ。
デカければ、デカい程いい。
血管が浮いたリアルな奴がいいな。」
ディルドを受け取ると、接着剤でマネキンの股間に固定する。
「で、高価な物を用意しておいたか?」
「値が張るのはレザー系ですね。
ハーネスや革パンになりますが…。」
中嶋が怪訝な表情で答えた。
「だったらハーネスがいい。
持ってこい。」
コンドームを被せたディルドをハーネスのリングに通すと、ハーネスで締め上げる。
マネキンが悲鳴を上げる位、窮屈な状態で金具を固定した。
熱り起つ黒いペニスはイメージ通りだ。
次にレザーマスクを被せ、その上にゴーグルをする。
水泳部には垂涎ものの筈だ。
ヒナタ達の欲情する顔を想像すると、笑いが込み上げてきた。
仁王立ちするマネキンの両手が空いている事に気付く。
正に手持ち無沙汰だ。
「おいっ、鞭ねぇか?」
「バラ鞭ならありますが。」
「それでいい。」
ナツキはマネキンの腕を上に向けると、その手に鞭を固定した。
だが垂れ下がった鞭に覇気がない。
接着剤を使い、鞭を撓った状態で固める。
これで今にも打ち付けてきそうだ。
「ディスプレイした物はレジ脇に置いとけ。
探している内に熱が冷めるからな。」
ぼっとしている中島に言い付けた。
「お届け物です。」
宅配業者が顔を出す。
マネキンを見た男は慌てて顔を引っ込めた。
「この蛍光灯をどうするんですか?」
中嶋は業者が置いていった箱詰めの蛍光灯を見ながら聞く。
「勿論、全部交換するぞ。
脚立持ってこい。」
赤い蛍光灯が妖しい雰囲気を醸し出す。
間引きした光源は薄暗く、欲情を掻き立てた。
「これじゃあ、雑誌やDVDを探せないですよ。
それに万引きし放題じゃないですか。」
「だな。流石に暗過ぎるな。」
ナツキも顔を顰める。
「そうだ。本やDVDはレジ前に集めましょう。
そこだけ蛍光灯を増やせば、これもアリですよ。」
中嶋は手を叩くと、腕捲りした。
「うわっ、すげぇ変わり様。」
入ってきたヒナタが店内を見渡す。
「このマネキンなんて、マジリアルじゃねぇか。
しかも二体に増えてるし。」
ヒロシがマネキンをまじまじと眺める。
「しかもマスクにゴーグルって、そそるよな。
俺、マスク買っていこうかな。」
ヒナタがマスクに手を伸ばす。
「おい、今日は買い物に来たんじゃないぞ。」
コウキが窘める。
「本当にナツキさんはいるんでしょうね?
今日いなかったら、法的手段を取らせてもらいますよ。」
コウキが中嶋に詰め寄った。
「既にいますよ。
気付きませんか?」
笑みを浮かべ答える。
「いるって、どこですか?
学生だと思って、いい加減な事を言わないで下さい。」
「何が法的手段だ。
生意気言ってんじゃねぇ!」
鞭がコウキの背中を打ち付けた。
「痛ぇ!」
驚いたコウキが振り返る。
マネキンが右腕を振り上げていた。
「うわぁ、マネキンが動いた!」
ヒナタがその場に座り込む。
撓った鞭がヒナタの頬にヒットした。
(つづく)
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