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Chapter6(港川編)
Chapter6-⑤【仮面】前編
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マラが再び活気を取り戻す。
アラタが隆起したTバックの隙間に指を滑り込ませた。
「形のいいペニスですね。」
引き摺り出したマラを躊躇なく咥え込んだ。
『グチュ、グチャ…。』
コンドームの中の精液が卑猥な音を立てる。
サングラスに眼を見開くスキンヘッドの男が映った。
「俺、こんな事初めてしました。
でもチカラさんのゴムだったら、全然汚い気がしないんです。」
一旦、口を離したアラタが言う。
『こんな真面目そうな男が!』
益々アラタに興味が深まる。
再びコンドームを咥えるのを見届けると、新たな欲望が芽生えた。
下半身に集中し、放尿する。
萎んでいたコンドームが膨らんでいくのが分かった。
「おらっ、歯を立てるな。
破けたら、どうなるか分かるよな。」
チカラの言葉にアラタが頷く。
その反動でサングラスが落ちた。
正に白目を剥くという表現にぴったりだ。
アラタは慌てて、アングラスに手を伸ばす。
チカラは愉快な気分で放尿を続けた。
必死に鼻呼吸をしている。
その度に笛の様な甲高い音がした。
思いの外、大量に出た小便で、コンドームは口内で目一杯膨らんでいる。
『あれっ、これって、どうやって出すんだ?』
疑問が不安に変わった。
コンドームを割るか、外すか、どちらにしてもびしょ濡れは免れない。
その二択を察したアラタが顔を振る。
「おい、諦めろ。」
チカラは飲み掛けのパックからストローを抜くと、尖端をアラタの眼前に翳す。
物凄い異臭が二人を襲う。
アラタは噎せ返り、嘔吐している。
流石にやり過ぎたかと、後悔の念に苛まれた。
「悪かったな。
海で流そうか。」
己の排出物でも鼻が曲がりそうだ。
それが他人の物となれば尚更だろう。
吐き尽くしたアラタが顔を上げた。
見開いた瞳は尋常ではない。
「悪い、マジ悪か…。」
飛び掛かってきた。
殴られると思い、目を閉じる。
尿塗れの唇で口を塞がれた。
侵入してきた舌が荒れ狂う。
チカラは呆然とそれを受け入れる。
豹変したアラタに為す術もない。
ただ悪臭の中で、身を任せるだけだった。
「大丈夫か?」
海水に浸かり、掌で身体を擦る。
幾ら擦っても、悪臭は消えない。
却ってアンモニアに海水が加わり、臭いがきつくなった。
「ああ、自分でも良く覚えてないんです。
身体がかっと熱くなって、無性に欲情しちゃって。
このままじゃ、飛行機乗れないですよね。」
アラタは髪の毛を掻き毟った。
「って事は、お前も変態だって証拠さ。」
チカラはセイルの顔を思い浮かべる。
『遠い恋人より近くの変態か。』
そんな言葉が浮かんだ。
「えっ、俺が変態…、ですか?」
キョトンとした瞳が聞く。
「いや、素質があるだけだ。
気に障ったなら謝る。」
自分の周りにいる奴は変態と呼ばれて喜ぶ。
だが世間では決して誉め言葉ではない様だ。
この半ノンケは一生懸命自分を欺き、一般的なゲイを演じているのだろう。
『そんなものを欲してはいけない。
それに手を出したら絶対にダメだ。』
必死にブレーキを掛けて、自信を制御する。
少し前の自分もそうだった。
(つづく)
アラタが隆起したTバックの隙間に指を滑り込ませた。
「形のいいペニスですね。」
引き摺り出したマラを躊躇なく咥え込んだ。
『グチュ、グチャ…。』
コンドームの中の精液が卑猥な音を立てる。
サングラスに眼を見開くスキンヘッドの男が映った。
「俺、こんな事初めてしました。
でもチカラさんのゴムだったら、全然汚い気がしないんです。」
一旦、口を離したアラタが言う。
『こんな真面目そうな男が!』
益々アラタに興味が深まる。
再びコンドームを咥えるのを見届けると、新たな欲望が芽生えた。
下半身に集中し、放尿する。
萎んでいたコンドームが膨らんでいくのが分かった。
「おらっ、歯を立てるな。
破けたら、どうなるか分かるよな。」
チカラの言葉にアラタが頷く。
その反動でサングラスが落ちた。
正に白目を剥くという表現にぴったりだ。
アラタは慌てて、アングラスに手を伸ばす。
チカラは愉快な気分で放尿を続けた。
必死に鼻呼吸をしている。
その度に笛の様な甲高い音がした。
思いの外、大量に出た小便で、コンドームは口内で目一杯膨らんでいる。
『あれっ、これって、どうやって出すんだ?』
疑問が不安に変わった。
コンドームを割るか、外すか、どちらにしてもびしょ濡れは免れない。
その二択を察したアラタが顔を振る。
「おい、諦めろ。」
チカラは飲み掛けのパックからストローを抜くと、尖端をアラタの眼前に翳す。
物凄い異臭が二人を襲う。
アラタは噎せ返り、嘔吐している。
流石にやり過ぎたかと、後悔の念に苛まれた。
「悪かったな。
海で流そうか。」
己の排出物でも鼻が曲がりそうだ。
それが他人の物となれば尚更だろう。
吐き尽くしたアラタが顔を上げた。
見開いた瞳は尋常ではない。
「悪い、マジ悪か…。」
飛び掛かってきた。
殴られると思い、目を閉じる。
尿塗れの唇で口を塞がれた。
侵入してきた舌が荒れ狂う。
チカラは呆然とそれを受け入れる。
豹変したアラタに為す術もない。
ただ悪臭の中で、身を任せるだけだった。
「大丈夫か?」
海水に浸かり、掌で身体を擦る。
幾ら擦っても、悪臭は消えない。
却ってアンモニアに海水が加わり、臭いがきつくなった。
「ああ、自分でも良く覚えてないんです。
身体がかっと熱くなって、無性に欲情しちゃって。
このままじゃ、飛行機乗れないですよね。」
アラタは髪の毛を掻き毟った。
「って事は、お前も変態だって証拠さ。」
チカラはセイルの顔を思い浮かべる。
『遠い恋人より近くの変態か。』
そんな言葉が浮かんだ。
「えっ、俺が変態…、ですか?」
キョトンとした瞳が聞く。
「いや、素質があるだけだ。
気に障ったなら謝る。」
自分の周りにいる奴は変態と呼ばれて喜ぶ。
だが世間では決して誉め言葉ではない様だ。
この半ノンケは一生懸命自分を欺き、一般的なゲイを演じているのだろう。
『そんなものを欲してはいけない。
それに手を出したら絶対にダメだ。』
必死にブレーキを掛けて、自信を制御する。
少し前の自分もそうだった。
(つづく)
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