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Chapter6(港川編)
Chapter6-①【PARTYが始まるよ】前編
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「何処へ食いに行くか?
沖縄料理は飽きただろ?」
ホテルに現れたミナトが屈託なく微笑む。
「そっ、そうだな。」
もう直ぐその笑顔が淫らに崩れるかと思うと、チカラは声が上擦る。
ミナトの視線がチカラの頭に留まった。
だがスキンヘッドにした事には触れてこない。
聞いてこない方が不自然だ。
意識しているのは確かだった。
予想以上に効果があった様子だ。
「で、昨日のパーティーはどうだったんだ?」
ミナトの表情に卑猥さが加わった。
「それが延期になったんだ。」
「延期って、お前ら行けるのか?
明日帰るんだろ?」
「勿論、行くさ。
今日、今からだからな。」
「って、事は?」
「ミナトも連れて行ってやるよ。」
チカラが右手を上げると、ミナトがハイタッチした。
セイルが案内した先は木造の白い一軒家だった。
軍関係者の居住地らしく似た様な家が並び、どこの家も庭が広々している。
BBQコンロも備わっている、如何にもアメリカらしい風景だ。
呼び鈴を鳴らすと、白い扉が開く。
中から覗いた顔は小柄な白人だ。
「ハーイ、リック、久し振り。」
セイルが握り拳を突き出すと、ジャックも拳を重ねた。
「セイル、元気そうだな。
皆さんも今日は楽しんで下さい。」
流暢な日本語で招き入れてくれた。
広めのリビングのソファーには六人が寛いでいた。
全員マスクを被り、ラバーやレザーを着込んでいるので性別も分からない。
室内は行き場を失った妖しい煙が漂っている。
「皆、今日のゲストだ。
歓迎してくれ。」
リックが声を掛けると、全員が顔を上げた。
「よっ、グレン、もう着込んでいるのか!
あんまり飛ばすと持たないよ。
今日はオールだから。」
セイルはラバースーツに抱き付くと、マスクに舌を這わす。
無言のラバーマンがセイルを抱き締めた。
「紹介するよ。
一番左のセイルが抱きついているのがグレン。
次のブラックのラバーパンツを穿いているのがダリル。
隣のマッチョがアブラハムで、キャットスーツがユージーン。
右端で抱き合ってるのはマギーとキャロル。
そして僕がリック、宜しく。
飲み物は何がいい?
さあ、座って。」
リックが空いているソファーを指差す。
「こっちのメンバーは右からナツキ…サマー、真ん中のチカラはパワー、最後のミナ
トはポート。
アメリカ人ってさ、日本人の名前を覚えられないんだ。」
セイルがキスしたまま、いい加減に訳した理由を言う。
「サマーにパワーにポートか、簡単だな。
取り敢えず、スパークリングで乾杯しよう。」
リックの言葉で全員がグラスを持つ。
「CHEERS!」
「乾杯!」
一際大きな声が煙を天井に押し上げた。
「おい、早く着させてくれ。」
ナツキがセイルの膝を押す。
意味を理解したセイルがリックの肩を擦る。
「ねぇ、サマーとパワーがラバースーツ着たいんだって。
衣装部屋行ってもいい?」
セイルがグレンの膝からやっと下りた。
「ああ、好きに使ってくれ。」
煙を吐き出したリックが頷く。
(つづく)
沖縄料理は飽きただろ?」
ホテルに現れたミナトが屈託なく微笑む。
「そっ、そうだな。」
もう直ぐその笑顔が淫らに崩れるかと思うと、チカラは声が上擦る。
ミナトの視線がチカラの頭に留まった。
だがスキンヘッドにした事には触れてこない。
聞いてこない方が不自然だ。
意識しているのは確かだった。
予想以上に効果があった様子だ。
「で、昨日のパーティーはどうだったんだ?」
ミナトの表情に卑猥さが加わった。
「それが延期になったんだ。」
「延期って、お前ら行けるのか?
明日帰るんだろ?」
「勿論、行くさ。
今日、今からだからな。」
「って、事は?」
「ミナトも連れて行ってやるよ。」
チカラが右手を上げると、ミナトがハイタッチした。
セイルが案内した先は木造の白い一軒家だった。
軍関係者の居住地らしく似た様な家が並び、どこの家も庭が広々している。
BBQコンロも備わっている、如何にもアメリカらしい風景だ。
呼び鈴を鳴らすと、白い扉が開く。
中から覗いた顔は小柄な白人だ。
「ハーイ、リック、久し振り。」
セイルが握り拳を突き出すと、ジャックも拳を重ねた。
「セイル、元気そうだな。
皆さんも今日は楽しんで下さい。」
流暢な日本語で招き入れてくれた。
広めのリビングのソファーには六人が寛いでいた。
全員マスクを被り、ラバーやレザーを着込んでいるので性別も分からない。
室内は行き場を失った妖しい煙が漂っている。
「皆、今日のゲストだ。
歓迎してくれ。」
リックが声を掛けると、全員が顔を上げた。
「よっ、グレン、もう着込んでいるのか!
あんまり飛ばすと持たないよ。
今日はオールだから。」
セイルはラバースーツに抱き付くと、マスクに舌を這わす。
無言のラバーマンがセイルを抱き締めた。
「紹介するよ。
一番左のセイルが抱きついているのがグレン。
次のブラックのラバーパンツを穿いているのがダリル。
隣のマッチョがアブラハムで、キャットスーツがユージーン。
右端で抱き合ってるのはマギーとキャロル。
そして僕がリック、宜しく。
飲み物は何がいい?
さあ、座って。」
リックが空いているソファーを指差す。
「こっちのメンバーは右からナツキ…サマー、真ん中のチカラはパワー、最後のミナ
トはポート。
アメリカ人ってさ、日本人の名前を覚えられないんだ。」
セイルがキスしたまま、いい加減に訳した理由を言う。
「サマーにパワーにポートか、簡単だな。
取り敢えず、スパークリングで乾杯しよう。」
リックの言葉で全員がグラスを持つ。
「CHEERS!」
「乾杯!」
一際大きな声が煙を天井に押し上げた。
「おい、早く着させてくれ。」
ナツキがセイルの膝を押す。
意味を理解したセイルがリックの肩を擦る。
「ねぇ、サマーとパワーがラバースーツ着たいんだって。
衣装部屋行ってもいい?」
セイルがグレンの膝からやっと下りた。
「ああ、好きに使ってくれ。」
煙を吐き出したリックが頷く。
(つづく)
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