妄想日記5<<DISPARITY>>

YAMATO

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Chapter6(港川編)

Chapter6-①【PARTYが始まるよ】前編

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「何処へ食いに行くか?
沖縄料理は飽きただろ?」
ホテルに現れたミナトが屈託なく微笑む。
「そっ、そうだな。」
もう直ぐその笑顔が淫らに崩れるかと思うと、チカラは声が上擦る。
ミナトの視線がチカラの頭に留まった。
だがスキンヘッドにした事には触れてこない。
聞いてこない方が不自然だ。
意識しているのは確かだった。
予想以上に効果があった様子だ。
「で、昨日のパーティーはどうだったんだ?」
ミナトの表情に卑猥さが加わった。
「それが延期になったんだ。」
「延期って、お前ら行けるのか?
明日帰るんだろ?」
「勿論、行くさ。
今日、今からだからな。」
「って、事は?」
「ミナトも連れて行ってやるよ。」
チカラが右手を上げると、ミナトがハイタッチした。
 
セイルが案内した先は木造の白い一軒家だった。
軍関係者の居住地らしく似た様な家が並び、どこの家も庭が広々している。
BBQコンロも備わっている、如何にもアメリカらしい風景だ。
呼び鈴を鳴らすと、白い扉が開く。
中から覗いた顔は小柄な白人だ。
「ハーイ、リック、久し振り。」
セイルが握り拳を突き出すと、ジャックも拳を重ねた。
「セイル、元気そうだな。
皆さんも今日は楽しんで下さい。」
流暢な日本語で招き入れてくれた。
広めのリビングのソファーには六人が寛いでいた。
全員マスクを被り、ラバーやレザーを着込んでいるので性別も分からない。
室内は行き場を失った妖しい煙が漂っている。
「皆、今日のゲストだ。
歓迎してくれ。」
リックが声を掛けると、全員が顔を上げた。
「よっ、グレン、もう着込んでいるのか!
あんまり飛ばすと持たないよ。
今日はオールだから。」
セイルはラバースーツに抱き付くと、マスクに舌を這わす。
無言のラバーマンがセイルを抱き締めた。
 
「紹介するよ。
一番左のセイルが抱きついているのがグレン。
次のブラックのラバーパンツを穿いているのがダリル。
隣のマッチョがアブラハムで、キャットスーツがユージーン。
右端で抱き合ってるのはマギーとキャロル。
そして僕がリック、宜しく。
飲み物は何がいい?
さあ、座って。」
リックが空いているソファーを指差す。
「こっちのメンバーは右からナツキ…サマー、真ん中のチカラはパワー、最後のミナ
トはポート。
アメリカ人ってさ、日本人の名前を覚えられないんだ。」
セイルがキスしたまま、いい加減に訳した理由を言う。
「サマーにパワーにポートか、簡単だな。
取り敢えず、スパークリングで乾杯しよう。」
リックの言葉で全員がグラスを持つ。
「CHEERS!」
「乾杯!」
一際大きな声が煙を天井に押し上げた。
 
「おい、早く着させてくれ。」
ナツキがセイルの膝を押す。
意味を理解したセイルがリックの肩を擦る。
「ねぇ、サマーとパワーがラバースーツ着たいんだって。
衣装部屋行ってもいい?」
セイルがグレンの膝からやっと下りた。
「ああ、好きに使ってくれ。」
煙を吐き出したリックが頷く。
 
 
(つづく)
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