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Chapter5(奸賊編)
Chapter5-⑤【灼けたアイドル】後編
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『ズポッ!』
プラグが引き抜かれた。
入れ替わりに細長い異物が侵入してくる。
舌を出した毒蛇が入ってきたのだ。
逃れる為に腰を引く。
だが膨らんだ二頭筋で、それは阻止された。
前には椅子があり、挟まれた格好だ。
逃げ道を閉ざされ、毒蛇の侵入を許してしまう。
ナツキに抱き付き、唇に吸い付く。
羽交い締めされ、胸が反らされた。
離れていく口に舌を伸ばす。
二人を繋ぐ涎の糸が途切れた。
身体が持ち上げられ、足が浮く。
蛇が体内で大口を開けた。
「おおっう…。」
唇をぎゅっと閉じるが、声が漏れ出す。
「おらっ、全て記録してやるから、いい声で鳴け。」
人格の変わった三浦が耳を噛んだ。
「あー、腹減った。」
最初に声を出したのはナツキだった。
チカラは腸内に残る汚れた汁を排出したい。
だが力む気力すら残ってない。
カーペットに突っ伏したまま垂れ流すだけだ。
「では軽食でも取りましょうか。」
三浦はプラグを拾うと、元の場所に戻す。
「んぐっ!」
チカラはその声を出すのが精一杯だった。
出口を閉ざされた雄汁が逆流する。
「それとも海辺のレストランに繰り出しましょうか?
出掛ける元気はありますか?」
三浦はプラグが出てこない様、チカラにハーネスを装着した。
「勿論あるに決まってんだろ。」
遠くでナツキの声がした。
車を走らせ、海岸線のハンバーガーショップに入った。
沖縄にしかないローカルな店だ。
「何だ、こりゃ!
ビールみたいな味で美味いんだか、不味いんだか分からねぇな。」
顰めっ面のナツキがセットドリンクをテーブルに置く。
「私はこの味が好きですよ。
沖縄に来ないと飲めませんからね。」
三浦が下品な音を立ててストローを啜る。
「食わないのか?
だったた食っちまうぞ。」
ナツキはチカラが手を付けないハンバーガーに食らい付いた。
「このまま海へ行きましょうか?
仮眠してれば、直ぐに朝です。
星が見えてるから、今日はきっと快晴ですよ。」
駐車場に戻った三浦が空を見上げて言う。
「そうだな。
おっさんの車は広いから充分に寝れるしな。
それにな…。」
瞼の下がったナツキは言い終わる前に寝息を立てていた。
バンの中はナツキの鼾に支配されていた。
便意も重なり、とても寝れそうもない。
三浦に目を向けると、運転席で腕を組んだまま寝ている様だ。
チカラはそっとドアを開け、車外へ出る。
便意が限界にきていた。
道路から外れた叢は真っ暗だ。
流石にここでは無理だ。
来る途中に駐車場があり、確か便所があった。
チカラは遠くに見える微かな明かりを頼りに歩を進める。
幽霊等いないと思う。
だが絶対にいないとも言い切れない。
生温い風が頬を撫でる。
知らず知らず小走りになっていた。
生憎、便所の扉は壊れていた。
だが、こんな時間に人は来ないだろう。
そう思い、腰を沈める。
股間のハーネスを外し、プラグを取り出す。
同時に排便が始まった。
『ギリギリセーフだ。』
安堵の気持ちが凍り付く。
振り返った先にビデオカメラを構えた三浦が立っていた。
(つづく)
プラグが引き抜かれた。
入れ替わりに細長い異物が侵入してくる。
舌を出した毒蛇が入ってきたのだ。
逃れる為に腰を引く。
だが膨らんだ二頭筋で、それは阻止された。
前には椅子があり、挟まれた格好だ。
逃げ道を閉ざされ、毒蛇の侵入を許してしまう。
ナツキに抱き付き、唇に吸い付く。
羽交い締めされ、胸が反らされた。
離れていく口に舌を伸ばす。
二人を繋ぐ涎の糸が途切れた。
身体が持ち上げられ、足が浮く。
蛇が体内で大口を開けた。
「おおっう…。」
唇をぎゅっと閉じるが、声が漏れ出す。
「おらっ、全て記録してやるから、いい声で鳴け。」
人格の変わった三浦が耳を噛んだ。
「あー、腹減った。」
最初に声を出したのはナツキだった。
チカラは腸内に残る汚れた汁を排出したい。
だが力む気力すら残ってない。
カーペットに突っ伏したまま垂れ流すだけだ。
「では軽食でも取りましょうか。」
三浦はプラグを拾うと、元の場所に戻す。
「んぐっ!」
チカラはその声を出すのが精一杯だった。
出口を閉ざされた雄汁が逆流する。
「それとも海辺のレストランに繰り出しましょうか?
出掛ける元気はありますか?」
三浦はプラグが出てこない様、チカラにハーネスを装着した。
「勿論あるに決まってんだろ。」
遠くでナツキの声がした。
車を走らせ、海岸線のハンバーガーショップに入った。
沖縄にしかないローカルな店だ。
「何だ、こりゃ!
ビールみたいな味で美味いんだか、不味いんだか分からねぇな。」
顰めっ面のナツキがセットドリンクをテーブルに置く。
「私はこの味が好きですよ。
沖縄に来ないと飲めませんからね。」
三浦が下品な音を立ててストローを啜る。
「食わないのか?
だったた食っちまうぞ。」
ナツキはチカラが手を付けないハンバーガーに食らい付いた。
「このまま海へ行きましょうか?
仮眠してれば、直ぐに朝です。
星が見えてるから、今日はきっと快晴ですよ。」
駐車場に戻った三浦が空を見上げて言う。
「そうだな。
おっさんの車は広いから充分に寝れるしな。
それにな…。」
瞼の下がったナツキは言い終わる前に寝息を立てていた。
バンの中はナツキの鼾に支配されていた。
便意も重なり、とても寝れそうもない。
三浦に目を向けると、運転席で腕を組んだまま寝ている様だ。
チカラはそっとドアを開け、車外へ出る。
便意が限界にきていた。
道路から外れた叢は真っ暗だ。
流石にここでは無理だ。
来る途中に駐車場があり、確か便所があった。
チカラは遠くに見える微かな明かりを頼りに歩を進める。
幽霊等いないと思う。
だが絶対にいないとも言い切れない。
生温い風が頬を撫でる。
知らず知らず小走りになっていた。
生憎、便所の扉は壊れていた。
だが、こんな時間に人は来ないだろう。
そう思い、腰を沈める。
股間のハーネスを外し、プラグを取り出す。
同時に排便が始まった。
『ギリギリセーフだ。』
安堵の気持ちが凍り付く。
振り返った先にビデオカメラを構えた三浦が立っていた。
(つづく)
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