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Chapter4(利達編)
Chapter4-⑨【そんなバカな…】後編
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「おらっ、先ずはスクワットだ。
アップだから100キロでいい。」
ナツキが20キロのウェイトをバーに付ける。
「はっ、はい!」
ヒナタも反対側に二枚の20キロのプレートをセットした。
「ほらっ、お前の番だ。
何キロだ?」
バーを戻し、振り返る。
「あの…、60キロでお願いします。
水泳部なので、ウェイトは苦手でして…。」
言い訳をするヒナタが20キロのプレートを一枚外す。
合わせてナツキも外した。
ヒナタがバーを担ぐと、転倒防止バーを外してしまう。
これで潰れる事は大怪我を意味する。
ヒナタは腰を下ろすと、尻を突き出す。
割れ目に食い込んだサスペンダーが艶かしい。
六回上げた所で、体勢が徐々に前のめりになる。
「おらっ、死ぬ気でやれ。
胸を張って、大腿に効かせ。」
ナツキは尻を叩く。
ヒナタの動きが止まった。
バーを戻すか、もう一回やるか、葛藤している様子だ。
「おらっ、もう一丁。」
ナツキは補助体勢に入り、脇下に腕を通す。
「おりゃ!」
覚悟を決めたヒナタは腰を下ろし、震える膝を元に戻そうと力を加える。
何とか体勢を戻すと、震えるバーをラックに掛け様とした。
「おっと、戻すのはまだ早いぜ。」
ナツキは脇下を通した腕を乳首まで伸ばすと、それを摘まむ。
「あっ、ああ…。」
ヒナタの声が漏れた。
「おらっ、もう一丁だ!」
指先に力を込める。
「あああっ…。」
ヒナタは疲労と快楽の狭間で腰を下ろす。
サスペンダーのフロントの染みが大きく広がっていく。
「おらっ、上げろ!」
ナツキは思い切り乳首を引っ張った。
「こんな筋トレなら毎日でもいいっす。」
座り込んだヒナタが満足げに言う。
お仕置きするつもりが、結局気持ち良くしただけかと笑いが込み上げてきた。
体育館に入るのは高校以来だ。
大学の道場は独立していたので、体育館へは行った事がない。
ナツキは体育館が嫌いだ。
正確にはそこで行う球技が嫌いだった。
バレーボールの授業ではアタッカーとしてポイントを稼いだ。
トスは全てナツキに上がった。
狙うのは運動神経の鈍い奴だ。
間違ってもバレー部は狙わない。
思い切り打ったボールが同級生の顔に当たり、眼鏡が飛んだ。
「どうして川上を狙った?」
教師が詰問する。
「勝つためです。」
他に理由はない。
勝つ為に相手のウイークポイントを責める。
それは勝負の常套手段だ。
何故そんな分かり切った事を聞くのか、理解出来ない。
「こっちへ来い。」
教師に用具室へ連れていかれた。
「友達の痛みを知れ!」
頬を張られ、マットへすっ飛んだ。
驚いたゴキブリが目の前を走り抜ける。
球技を嫌いになるのに充分な出来事だった。
次はここへ来た二つ目の目的の実行だ。
「おい、マットが置いてある用具室は何処だ?」
ナツキは放心状態のヒナタに声を掛ける。
指差す方向にスライド式のドアが見えた。
途中で買った金魚鉢と網を持って、その奥へ向かう。
「何処へ行くんすか?」
ヒナタは起き上がろうとするが、笑った膝に力が入らない。
「お前はここで待ってろ。
ちょい昆虫採集に行ってくる。」
童心に返ったナツキは手を上げて、ヒナタを制止した。
(つづく)
アップだから100キロでいい。」
ナツキが20キロのウェイトをバーに付ける。
「はっ、はい!」
ヒナタも反対側に二枚の20キロのプレートをセットした。
「ほらっ、お前の番だ。
何キロだ?」
バーを戻し、振り返る。
「あの…、60キロでお願いします。
水泳部なので、ウェイトは苦手でして…。」
言い訳をするヒナタが20キロのプレートを一枚外す。
合わせてナツキも外した。
ヒナタがバーを担ぐと、転倒防止バーを外してしまう。
これで潰れる事は大怪我を意味する。
ヒナタは腰を下ろすと、尻を突き出す。
割れ目に食い込んだサスペンダーが艶かしい。
六回上げた所で、体勢が徐々に前のめりになる。
「おらっ、死ぬ気でやれ。
胸を張って、大腿に効かせ。」
ナツキは尻を叩く。
ヒナタの動きが止まった。
バーを戻すか、もう一回やるか、葛藤している様子だ。
「おらっ、もう一丁。」
ナツキは補助体勢に入り、脇下に腕を通す。
「おりゃ!」
覚悟を決めたヒナタは腰を下ろし、震える膝を元に戻そうと力を加える。
何とか体勢を戻すと、震えるバーをラックに掛け様とした。
「おっと、戻すのはまだ早いぜ。」
ナツキは脇下を通した腕を乳首まで伸ばすと、それを摘まむ。
「あっ、ああ…。」
ヒナタの声が漏れた。
「おらっ、もう一丁だ!」
指先に力を込める。
「あああっ…。」
ヒナタは疲労と快楽の狭間で腰を下ろす。
サスペンダーのフロントの染みが大きく広がっていく。
「おらっ、上げろ!」
ナツキは思い切り乳首を引っ張った。
「こんな筋トレなら毎日でもいいっす。」
座り込んだヒナタが満足げに言う。
お仕置きするつもりが、結局気持ち良くしただけかと笑いが込み上げてきた。
体育館に入るのは高校以来だ。
大学の道場は独立していたので、体育館へは行った事がない。
ナツキは体育館が嫌いだ。
正確にはそこで行う球技が嫌いだった。
バレーボールの授業ではアタッカーとしてポイントを稼いだ。
トスは全てナツキに上がった。
狙うのは運動神経の鈍い奴だ。
間違ってもバレー部は狙わない。
思い切り打ったボールが同級生の顔に当たり、眼鏡が飛んだ。
「どうして川上を狙った?」
教師が詰問する。
「勝つためです。」
他に理由はない。
勝つ為に相手のウイークポイントを責める。
それは勝負の常套手段だ。
何故そんな分かり切った事を聞くのか、理解出来ない。
「こっちへ来い。」
教師に用具室へ連れていかれた。
「友達の痛みを知れ!」
頬を張られ、マットへすっ飛んだ。
驚いたゴキブリが目の前を走り抜ける。
球技を嫌いになるのに充分な出来事だった。
次はここへ来た二つ目の目的の実行だ。
「おい、マットが置いてある用具室は何処だ?」
ナツキは放心状態のヒナタに声を掛ける。
指差す方向にスライド式のドアが見えた。
途中で買った金魚鉢と網を持って、その奥へ向かう。
「何処へ行くんすか?」
ヒナタは起き上がろうとするが、笑った膝に力が入らない。
「お前はここで待ってろ。
ちょい昆虫採集に行ってくる。」
童心に返ったナツキは手を上げて、ヒナタを制止した。
(つづく)
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