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Chapter3(立身編)
Chapter3-⑤【涙サプライズ!】後編
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「前任者のトモヤだ。
暫くは社長室にいるから、引き継ぎをしておけ。」
神志那の言葉にナツキは手を差し出す。
だがトモヤは燃えたぎる視線を向けるだけで、手を伸ばしてこなかった。
「社長、社へ向かいますか?」
スカイラインを運転するトモヤが前を見たまま聞く。
「いや、今日は家へ帰る。
地下の駐車場で停めてくれ。」
神志那はそう言うと、瞼を閉じた。
ナツキはバックミラーに映る敵対心剥き出しの視線と対峙する。
「何か、文句あんのか?
ジロジロ睨みやかって。」
神志那が寝息を立てると、ナツキは口を開く。
「別に。」
トモヤが視線を前方へ向けた。
「男だったら、はっきり言えよ。」
「明日から引き継ぐ先輩にその口の聞き方は何だ?
困るのはお前だぞ。」
「お前、やっぱり馬鹿だな。
パソコンも出来ねぇ俺に仕事なんか期待してねぇさ。
セックスだけしてりゃあ、給料貰えんだ。」
ナツキの啖呵にトモヤは黙る。
だが口元に浮かべた笑みが、ナツキを一層苛立たせた。
「俺はシャワーを浴びてくる。
お前はこいつに秘書の制服の着方を教えてやれ。」
リビングにスーツケースを置いたトモヤに神志那が命じた。
「部屋は何処を使いますか?」
「黒の間がいい。
シャワーを出るまでに、正装にさせておけ。」
神志那がリビングから出ていくと、沈黙が支配する。
「おい、神志那さんのシャワーは長いのか?」
堪りかねてナツキが聞く。
「いや、短い。
こっちへ来い。」
トモヤがリビングの奥の部屋へ歩き出した。
ドアを開けると饐えた臭いが充満していた。
壁もカーペットとベッドも全て黒で統一されている。
依然入った部屋は赤だった。
ナツキは呆然と部屋の中を見渡す。
「あれに着替えろ。」
トモヤが指差す壁に人形の衣装が掛かっていた。
照明を反射する光沢はタクヤの持ってた写真と同じだ。
ナツキは吸い寄せられる様に近付く。
近寄ると饐えた臭いはより強烈な物となる。
恐る恐る手を伸ばす。
ヌメヌメした肌触りは背筋をゾクゾクさせた。
「俺が今朝まで着てたキャットスーツだ。
何度、ザーメンをぶっ放したか覚えてないな。」
戸惑いを察したトモヤが理由を言った。
ナツキは全裸になると、足をスーツに入れる。
だが脛毛が引っ掛かり、思う様に入らない。
「そのままじゃ、着られねぇよ。
ちっ、面倒臭ぇな。」
舌打ちしたトモヤが徐に手に持ったボトルをナツキに浴びせた。
「ひっ、冷てぇな。」
「潤滑油だ。
後は自分で伸ばせ。」
トモヤはスーツの中にも潤滑油を注ぎ込んだ。
オイルを含んだラバーがナツキを呑み込んでいく。
両手を上げ、スーツを肩に引き上げる。
広背筋が邪魔をし、背中だけ剥き出しのままだ。
「背中を寄せろ。
ジッパーが閉まらん。」
言われるままに肩甲骨を引き寄せる。
閉じるジッパーに連動して、ラバーが筋肉を締め付けてきた。
初めての感覚だ。
ゆっくりとラバーが馴染み、筋肉に吸い付く。
もう一つの皮膚がナツキを覆った。
(つづく)
暫くは社長室にいるから、引き継ぎをしておけ。」
神志那の言葉にナツキは手を差し出す。
だがトモヤは燃えたぎる視線を向けるだけで、手を伸ばしてこなかった。
「社長、社へ向かいますか?」
スカイラインを運転するトモヤが前を見たまま聞く。
「いや、今日は家へ帰る。
地下の駐車場で停めてくれ。」
神志那はそう言うと、瞼を閉じた。
ナツキはバックミラーに映る敵対心剥き出しの視線と対峙する。
「何か、文句あんのか?
ジロジロ睨みやかって。」
神志那が寝息を立てると、ナツキは口を開く。
「別に。」
トモヤが視線を前方へ向けた。
「男だったら、はっきり言えよ。」
「明日から引き継ぐ先輩にその口の聞き方は何だ?
困るのはお前だぞ。」
「お前、やっぱり馬鹿だな。
パソコンも出来ねぇ俺に仕事なんか期待してねぇさ。
セックスだけしてりゃあ、給料貰えんだ。」
ナツキの啖呵にトモヤは黙る。
だが口元に浮かべた笑みが、ナツキを一層苛立たせた。
「俺はシャワーを浴びてくる。
お前はこいつに秘書の制服の着方を教えてやれ。」
リビングにスーツケースを置いたトモヤに神志那が命じた。
「部屋は何処を使いますか?」
「黒の間がいい。
シャワーを出るまでに、正装にさせておけ。」
神志那がリビングから出ていくと、沈黙が支配する。
「おい、神志那さんのシャワーは長いのか?」
堪りかねてナツキが聞く。
「いや、短い。
こっちへ来い。」
トモヤがリビングの奥の部屋へ歩き出した。
ドアを開けると饐えた臭いが充満していた。
壁もカーペットとベッドも全て黒で統一されている。
依然入った部屋は赤だった。
ナツキは呆然と部屋の中を見渡す。
「あれに着替えろ。」
トモヤが指差す壁に人形の衣装が掛かっていた。
照明を反射する光沢はタクヤの持ってた写真と同じだ。
ナツキは吸い寄せられる様に近付く。
近寄ると饐えた臭いはより強烈な物となる。
恐る恐る手を伸ばす。
ヌメヌメした肌触りは背筋をゾクゾクさせた。
「俺が今朝まで着てたキャットスーツだ。
何度、ザーメンをぶっ放したか覚えてないな。」
戸惑いを察したトモヤが理由を言った。
ナツキは全裸になると、足をスーツに入れる。
だが脛毛が引っ掛かり、思う様に入らない。
「そのままじゃ、着られねぇよ。
ちっ、面倒臭ぇな。」
舌打ちしたトモヤが徐に手に持ったボトルをナツキに浴びせた。
「ひっ、冷てぇな。」
「潤滑油だ。
後は自分で伸ばせ。」
トモヤはスーツの中にも潤滑油を注ぎ込んだ。
オイルを含んだラバーがナツキを呑み込んでいく。
両手を上げ、スーツを肩に引き上げる。
広背筋が邪魔をし、背中だけ剥き出しのままだ。
「背中を寄せろ。
ジッパーが閉まらん。」
言われるままに肩甲骨を引き寄せる。
閉じるジッパーに連動して、ラバーが筋肉を締め付けてきた。
初めての感覚だ。
ゆっくりとラバーが馴染み、筋肉に吸い付く。
もう一つの皮膚がナツキを覆った。
(つづく)
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