46 / 236
Chapter3(立身編)
Chapter3-③【最高かよ】後編
しおりを挟む
「おっ、これ男物だぜ!」
一番最後にキャットスーツを着た男性モデルの画像が表示された。
「うわぁ、450ドルだって!
今、レートが110円位だから、送料入れたら5万円越えちゃうよ。」
カズユキが悲鳴にも似た声をあげた。
「5万円か…。
流石に手が出ねぇな。」
金額を聞き、溜息が漏れる。
そんな高額の物など、買った事がない。
顔を後ろに向けると、愛撫が止まった。
「マスクだけでも1万円近くしたから、こんなもんか。
でも、ボクは絶対買わないからね。
買うなら自分で買ってよ!」
不安を覚えたカズユキが目線を逸らす。
ナツキは頭に手を当て、ラバーに触れる。
何か良い知恵は浮かばないかと、一休さんを真似てみた。
四月になり、神志那から連絡が入った。
中旬に出張で東京に来るとの事だ。
遂に作戦決行と、ナツキは胸が高鳴るのを押さえきれない。
内から込み上げるワクワク感は試合前に似ている。
神志那と会う時、期待と緊張が入り乱れた。
この感情は他の男では味わえない。
待ち合わせのホテルのロビーで待っていると、携帯が鳴った。
「神志那だ。
悪いが、急な会議が入った。
先にチェックインしててくれ。
神志那の名前を出せば分かる筈だ。」
電話は一方的に切れた。
ナツキにとっては好都合だ。
『支配者はたえず冷静でいろ。』
その教えをもう一度頭に叩き込む。
待ち望んだラバースーツは目前だ。
それを着た時に平常心でいられるだろうか?
いや、いなければならない。
主導権を握るには神志那以上に冷静でいる必要がある。
ナツキは大きく息を吐き出すと、フロントへ向かった。
ナツキは全頭マスクを被る。
鼻を突くラバー特有の匂いが士気を高めた。
暮れ行く部屋で、神志那が来るのを今か今かと待ちわびる。
ドアの開く音がした。
「いないのか?」
薄暗い部屋に声が響く。
返事する事なく、窓際から薄暮の町を眺める。
「いるなら、返事位…。」
神志那の言葉が途切れた。
闇の中に佇むナツキを認識したからだろう。
カズユキのワードロープの中から光沢のある物を選んできた。
ラテックスのスリーブレスのジャンプスーツにショルダーカバーを重ねている。
この明るさなら、一体化して見える筈だ。
背後から荒い息が近寄ってきた。
社員ではないナツキは無下な命令に従う必要はない。
『分は俺にある。』
ナツキはそう踏んでいた。
「美しい光沢だ。
惚れ惚れする。」
後ろから伸びた手が大胸筋を鷲掴みした。
ナツキは大胸筋に力を入れ、その指を弾く。
「拘禁された筋肉は最大限に輝く。
そうは思わないか?」
神志那の声音には普段の覇気がない。
優しく語り掛けてきた。
「うっす。」
短く答える。
「この小さなスーツの中で、お前の筋肉は悶え喜んでいる。
もっと厳しい監禁下に置いてみないか?
筋肉が爆発する所を見たいだろ。」
神志那が耳元で囁く。
「いつもみたく縛るって事っすか?」
ナツキは態と『いつも』を強調して聞く。
「ああ、縛りは同然だが、筋肉を拘禁した後だ。
息が止まる程の快楽を味わわせてやる。」
想定通りの展開に腹の中でほくそ笑む。
(つづく)
一番最後にキャットスーツを着た男性モデルの画像が表示された。
「うわぁ、450ドルだって!
今、レートが110円位だから、送料入れたら5万円越えちゃうよ。」
カズユキが悲鳴にも似た声をあげた。
「5万円か…。
流石に手が出ねぇな。」
金額を聞き、溜息が漏れる。
そんな高額の物など、買った事がない。
顔を後ろに向けると、愛撫が止まった。
「マスクだけでも1万円近くしたから、こんなもんか。
でも、ボクは絶対買わないからね。
買うなら自分で買ってよ!」
不安を覚えたカズユキが目線を逸らす。
ナツキは頭に手を当て、ラバーに触れる。
何か良い知恵は浮かばないかと、一休さんを真似てみた。
四月になり、神志那から連絡が入った。
中旬に出張で東京に来るとの事だ。
遂に作戦決行と、ナツキは胸が高鳴るのを押さえきれない。
内から込み上げるワクワク感は試合前に似ている。
神志那と会う時、期待と緊張が入り乱れた。
この感情は他の男では味わえない。
待ち合わせのホテルのロビーで待っていると、携帯が鳴った。
「神志那だ。
悪いが、急な会議が入った。
先にチェックインしててくれ。
神志那の名前を出せば分かる筈だ。」
電話は一方的に切れた。
ナツキにとっては好都合だ。
『支配者はたえず冷静でいろ。』
その教えをもう一度頭に叩き込む。
待ち望んだラバースーツは目前だ。
それを着た時に平常心でいられるだろうか?
いや、いなければならない。
主導権を握るには神志那以上に冷静でいる必要がある。
ナツキは大きく息を吐き出すと、フロントへ向かった。
ナツキは全頭マスクを被る。
鼻を突くラバー特有の匂いが士気を高めた。
暮れ行く部屋で、神志那が来るのを今か今かと待ちわびる。
ドアの開く音がした。
「いないのか?」
薄暗い部屋に声が響く。
返事する事なく、窓際から薄暮の町を眺める。
「いるなら、返事位…。」
神志那の言葉が途切れた。
闇の中に佇むナツキを認識したからだろう。
カズユキのワードロープの中から光沢のある物を選んできた。
ラテックスのスリーブレスのジャンプスーツにショルダーカバーを重ねている。
この明るさなら、一体化して見える筈だ。
背後から荒い息が近寄ってきた。
社員ではないナツキは無下な命令に従う必要はない。
『分は俺にある。』
ナツキはそう踏んでいた。
「美しい光沢だ。
惚れ惚れする。」
後ろから伸びた手が大胸筋を鷲掴みした。
ナツキは大胸筋に力を入れ、その指を弾く。
「拘禁された筋肉は最大限に輝く。
そうは思わないか?」
神志那の声音には普段の覇気がない。
優しく語り掛けてきた。
「うっす。」
短く答える。
「この小さなスーツの中で、お前の筋肉は悶え喜んでいる。
もっと厳しい監禁下に置いてみないか?
筋肉が爆発する所を見たいだろ。」
神志那が耳元で囁く。
「いつもみたく縛るって事っすか?」
ナツキは態と『いつも』を強調して聞く。
「ああ、縛りは同然だが、筋肉を拘禁した後だ。
息が止まる程の快楽を味わわせてやる。」
想定通りの展開に腹の中でほくそ笑む。
(つづく)
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる