妄想日記5<<DISPARITY>>

YAMATO

文字の大きさ
上 下
44 / 236
Chapter3(立身編)

Chapter3-②【不協和音】後編

しおりを挟む
「確かに謎の多い社長だったな。
社内報にも一切顔を出さなかったし。
社員でも顔を知ってるのは支配人クラスだけなんだ。」
ヒカルが意味深な笑みを浮かべた。
「って事はお前も顔を知らねぇのか?」
ナツキは顔に浴びたプロテインを拭きながら聞く。
「所が偶然知っちゃったんだよな。
全然、違うルートからな。」
その言い方で何となく想像が付いた。
「縛りか。」
ナツキの一言にヒカルが目を見開く。
 
「ああ、縛りをやってくれる店で、たまたま知り合ったんだ。
最初はまさか社長とは知らなくてよ。」
「で、何で分かったんだ?」
「向こうは俺が社員だって、知ってたんだ。
突然、社長室に移動辞令が出てさ。
何も知らない俺は、正に驚き桃の木ダイエー優勝って感じだ。」
強引な神志那がやりそうな事だと納得する。
「移動初日に社長の顔を見て、またまた驚きだ。
先日の縄師が社長だったんだぜ。
人生最大の仰天だったよ。
肩書きは社長室長だが、実際は単なるセックス・ドールだ。
新しい縛りが閃いたと言っては縛られてたよ。」
ヒカルが顔を顰めた。
 
「セックス好きのお前には丁度いいじゃねぇか。」
ナツキは茶々を入れる。
「俺も最初はそう思ったんだ。
だけどよ、社長は性欲が旺盛でさ、土日関係なく四六時中命じてくんだ。
日に何回も縛られたら、幾ら俺でも身体が持たねぇよ。
そのままで接待やトレーニングに付き合わされるんだぜ。
堪ったもんじゃないぞ。」
ヒカリはそこで一息付くと、プロテインを飲み干した。
白く変色した唇がゆっくり開く。
「それとさ…、社長のすげぇ秘密見ちゃったんだ。
流石にそれ見たらヤバく感じてさ、夜逃げ同然に東京へ逃げて来たんだ。」
言い終わったヒカルが身震いする。
「俺が追手だと思ったのか?
で、必殺のプロテイン・スプラッシュか、笑えるな。
その秘密って何だ?」
ナツキはそれがシンゴを助ける糸口になると直感した。
 
「これを見てみろよ。
マジ、ドン引きするぜ。」
ヒカルが手帳に挟んでいた数枚の写真をナツキに渡す。
「えっ!」
ラウンジにいる事も忘れて大声をあげる。
驚いた周りの会員が一斉にナツキを見た。
「おいっ、声がデケェよ。
これ、俺なんだ。
これを着ると、息も少ししか出来ないんだ。
これ続けてたら絶対死んでたよ。」
先程の身震いが大袈裟でない事を知る。
だがナツキはその写真に惹き付けられた。
『この息苦しさを伴うウェアこそ、俺の求めていた物だ。』
ナツキにはそう思えたのだ。
 
「これ今も持ってるのか?」
ナツキは前のめりになって聞く。
「いや、これは社長のお気に入りだ。
社長のマンションに保管されてる。
それにこれをもう一度着る事はないさ。
絶対にな。
死にたくないんだ。
あんたも縛られたんだろ。
だったら深入りしない方が身の為だ。
その内、これを着る羽目になるぞ。」
ヒカルの忠告に身体が震えた。
だがそれは武者震いだった。
それが証拠に、二つのリングで締め付けられたマラからザーメンが溢れ出ている。
「それ以来、チカラの底なしの性欲が社長とダブるんだ。
それが怖くてさ。」
初めてヒカルが本心を語った。
 
 
(つづく)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

消防士の義兄との秘密

熊次郎
BL
翔は5歳年上の義兄の大輔と急接近する。憧れの気持ちが欲望に塗れていく。たくらみが膨れ上がる。

調教専門学校の奴隷…

ノノ
恋愛
調教師を育てるこの学校で、教材の奴隷として売られ、調教師訓練生徒に調教されていくお話

プライド

東雲 乱丸
BL
「俺は屈しない! 」男子高校生が身体とプライドを蹂躙され調教されていく… ある日突然直之は男達に拉致され、強制的に肉体を弄ばれてしまう。 監禁されレイプによる肉体的苦痛と精神的陵辱を受ける続ける直之。 「ヤメてくれー! 」そう叫びながら必死に抵抗するも、肉体と精神の自由を奪われ、徐々に快楽に身を委ねてしまう。そして遂に―― この小説はR-18です。 18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします。 エロのみのポルノ作品です。 過激な生掘り中出しシーン等を含む暴力的な性表現がありますのでご注意下さい。 詳しくはタグを確認頂き、苦手要素が含まれる方はお避け下さい。 この小説はフィクションです。 登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 また皆様に於かれましては、性感染症防止の観点からもコンドームを着用し、セーファーセックスを心掛けましょう。

【 Quench Your Thirst 】短編集 11

霜月 雄之助
現代文学
【 新鮮ザー汁牧場 】 新しいハッテン場がOPENする。 全裸の男たちが 四つん這いで待機―。 第一弾は 次世代型ハッテン場のはなし。 随時、新しい話も追加します。 因みに【 Quench Your Thirst 】は クエンチ ユア サースト ≪ 喉の乾きを癒す ≫って意味です 【 童貞さん!いらっしゃい♪ 】 【 七色ボックス! 】 NEW!【 チンポ・マニア 】 【 十人 十物 】 【 GYM 】 【 Gの世界 】 【 BLACK or WHITE ×3 】 【 アブノーマル 】 【 オナニーのぞき 】 【 まとめ売り 】 【ある村での真相】

調教生活

ri.k
BL
ドMの人が送る調教生活。アブノーマルを詰め込んだ作品。 ※過激な表現あり。(鞭打ち・蝋燭・失禁など) 初登校なので至らない部分もありますが暖かいめで見てくれると嬉しいです。🙇‍♀️

水球部顧問の体育教師

熊次郎
BL
スポーツで有名な公明学園高等部。新人体育教師の谷口健太は水球部の顧問だ。水球部の生徒と先輩教師の間で、谷口は違う顔を見せる。

マッチョ兄貴調教

Shin Shinkawa
BL
ジムでよく会うガタイのいい兄貴をメス堕ちさせて調教していく話です。

白バイ隊員への強淫

熊次郎
BL
浅野拓哉は28歳の白バイ隊員だ。バイクを乗り回し、日々任務を遂行している。白いヘルメットとスカイブルーの制服が奮い立たせるは、仕事への情熱だけのはずたった、、、

処理中です...