妄想日記5<<DISPARITY>>

YAMATO

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Chapter3(立身編)

Chapter3-②【不協和音】前編

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「だったら三人でやらないか?」
チカラが提案した。
「ああ、俺は構わんぜ。」
ナツキは床に座り、股を開いて前屈する。
「ちっ、仕方ないな。
それだと今日は肉体改造出来ねえぞ。
後で文句言うなよ。」
ヒカルはリュックをスミスマシンの脇に放り投げた。
 
「で、二人の関係は?」
ナツキはボロボロのグローブを嵌めながら聞く。
「随分、使い込んでるな。
そこまで使い込めば、グローブも本望だろうな。
どっかのとっかえひっかえしてる、あばずれ野郎とは大違いだ。
あんたの爪の垢を煎じて飲ませてえ。」
チカラの嫌味が牙を剥く。
「去年まで付き合ってたんだ、コイツと。
このエロい身体だって、俺がメイクしてやったんだ。」
発言を無視したヒカルの顎がチカラに向く。
「この肉体は俺の努力の結果だ。
お前のアナルがそんなに敏感になったのは誰のお陰だよ!
大体、コイツが風呂場で知り合った奴と…。」
「ヒカルが発展車両でナンパした奴としつこく会ってるから…。」
どうやら似た者同士らしい。
ただ二人共言い淀む所を見ると、真相はそれだけではなさそうだ。
ナツキは構わずバーのロックを外すと、少しずつ腰を下ろす。
顎を突き出し、口が開くのが癖だった。
回数をこなすと、口元から涎が溢れる。
 
「あんた、本当にエロいな。
涎滴ながらトレーニングしてる奴なんて初めて見たよ。」
興奮したチカラが脇下に腕を通し、サポート体勢に入る。
タイツは股間の部分だけ変色していた。
「相変わらず先走りが多いな。」
「ヒカルこそ、ケツ汁がヤバぞ。
またイヤらしい妄想して、アナルひくつかせているんだろう。
久し振りに掘ってやろうか?」
二人の会話からして、年下のチカラがタチの様だ。
そして互いに未練がある。
「ちっ、くだらねぇ。」
派手な音を立てて、バーを戻す。
「おらっ、お前の番だ。」
ナツキはヒカルに言う。
ヒカルはバーを担ぐと、必要以上に尻を突き出す。
サポート体勢に入ったチカラが股間を密着させた。
ヒカルのアナルとチカラの股間はびしょ濡れだ。
ナツキは馬鹿らしくなって、ラウンジへ向かった。
 
「悪いな。
まさかチカラがいるとは思わなくて…。
久し振りに会って、欲情しちまった。
別日に振り替えるから、今日は勘弁してくれ。」
プロテインを飲んでると、ヒカルが頭を掻きながらやって来た。
「だったら縒りを戻せばいいだろう。」
ナツキは簡単に言う。
「名古屋で出会った頃は上手く行ってたんだが…。
二人でこっちに戻って来たら、互いに誘惑が多くてな。
まあ性の不一致って奴だ。
縒りを戻しても、結局同じ事の繰り返し。
どうせ喧嘩ばかりさ。」
「名古屋って、どこかのジムに勤めてたのか?」
急き込んで聞く。
「ああ、KGNってジムだ。」
「KGN …それってまさか、神志那さんのジムか?」
ナツキは驚きを隠せない。
「ぶほぉ!
何だ、社長を知ってるのか?」
ヒカルが口に含んだプロテインをナツキの顔にぶちまけた。
 
 
(つづく)
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