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Chapter2(復讐編)
Chapter2-⑤【vogue】前編
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潰したゴキブリを便器に捨て、水で流す。
こんな簡単な事が出来ない兒玉が不思議でならない。
黒光りする見た目は大差ないのに。
これで時給一時間分貰える。
もっとゴキブリがいないかと、辺りを見渡す。
トレーニングルームの中は思いの外、静かだ。
奥を覗いた時、足が止まった。
小柄な猿顔の男が身長差20センチのタクヤを駅弁してたのだ。
猿顔の男は全身を真っ赤に染め、大柄なタクヤを抱えていた。
浮かび上がった血管が切れそうだ。
一瞬、滑稽に思えたが、その場から離れられない。
その滑稽さが非常に淫らに見えたのだ。
ナツキはアンバランスの中にエロティズムを見出した。
「ふわぁー、変わった事してぇな。」
欠伸と同時に声を出す。
「変わった事って?
ナッキーは充分に変わってるよ。」
カズユキがキーボードを叩きながら聞く。
兒玉のジムで本名がバレて以来、ナッキー呼ばわりされていた。
カズユキは年度末のレポートの提出期限が迫っていて、ゆとりがない。
エンターキーを叩く音が次第に大きくなっていく。
「そうだ、昼間に鍵のコピー作っておいたんだ。
好きな時に来ていいよ。」
立ち上がったカズユキが手を伸ばした。
「だったらここに住むか。
ここなら風呂もあるし、駅から近いしな。」
鍵を受け取り、頭の中で損得勘定をする。
家賃と光熱費が浮くのは大きい。
浮いた金で様々なウエアが買える。
マイナス面は思い付かない。
「好きにしなよ。
でもベッドはボクが使うから。
ナッキーはソファーで寝てよ。」
言葉とは裏腹にカズユキは嬉しそうだ。
「で、変わった事って?」
カズユキは心情が悟られない様に話を戻す。
「それが分からねぇから言ってんだ。
兎に角、刺激が欲しいんだなぁ~。」
ナツキは欠伸を噛み殺しながら答えた。
「だったら露出してみない?」
「露出って何だ?」
「まあ簡単に言えば、変わった格好で表に行く事かな?
金も掛からないしさ。
筋肉一つで出来るよ。」
「そんなんで刺激になるのか?」
「それはその人次第だよ。
勃起した姿を街中で曝すんだ。
それに興奮する人もいれば、しない人もいる。
普通を好む人は無理かも。」
興味を持つ様に誘導していく。
カズユキの中でナツキの存在が欠かせなくなっていた。
『いつまでも一緒にいたい。』
だがこれは困難極まりない。
ナツキが自分と一緒にいるのは情報収集の為だ。
それは分かっていた。
情報が尽きた時、間違いなく捨てられる筈だ。
人情等持ち合わせていない事は知っている。
だったら新しい見聞を与え続ければいい。
いつの日か、自分の存在が欠かせなくなる迄。
「だったら今から出掛けようか。
レポートも一区切りついたし。
さて、何着てもらおうかな?」
カズユキはノートパソコンを閉じると、ワードロープを弄り出した。
「このメッシュの組合わせがいいんじゃない?
ボクは何を着て行こうかな?」
後ろを向いたままタイツとタンクトップを放る。
ナツキはそれらを拾い、着てみた。
目が細かく、ちょっと見は普通のタイツだ。
だが光源の下ではマラがはっきりと見て取れた。
(つづく)
こんな簡単な事が出来ない兒玉が不思議でならない。
黒光りする見た目は大差ないのに。
これで時給一時間分貰える。
もっとゴキブリがいないかと、辺りを見渡す。
トレーニングルームの中は思いの外、静かだ。
奥を覗いた時、足が止まった。
小柄な猿顔の男が身長差20センチのタクヤを駅弁してたのだ。
猿顔の男は全身を真っ赤に染め、大柄なタクヤを抱えていた。
浮かび上がった血管が切れそうだ。
一瞬、滑稽に思えたが、その場から離れられない。
その滑稽さが非常に淫らに見えたのだ。
ナツキはアンバランスの中にエロティズムを見出した。
「ふわぁー、変わった事してぇな。」
欠伸と同時に声を出す。
「変わった事って?
ナッキーは充分に変わってるよ。」
カズユキがキーボードを叩きながら聞く。
兒玉のジムで本名がバレて以来、ナッキー呼ばわりされていた。
カズユキは年度末のレポートの提出期限が迫っていて、ゆとりがない。
エンターキーを叩く音が次第に大きくなっていく。
「そうだ、昼間に鍵のコピー作っておいたんだ。
好きな時に来ていいよ。」
立ち上がったカズユキが手を伸ばした。
「だったらここに住むか。
ここなら風呂もあるし、駅から近いしな。」
鍵を受け取り、頭の中で損得勘定をする。
家賃と光熱費が浮くのは大きい。
浮いた金で様々なウエアが買える。
マイナス面は思い付かない。
「好きにしなよ。
でもベッドはボクが使うから。
ナッキーはソファーで寝てよ。」
言葉とは裏腹にカズユキは嬉しそうだ。
「で、変わった事って?」
カズユキは心情が悟られない様に話を戻す。
「それが分からねぇから言ってんだ。
兎に角、刺激が欲しいんだなぁ~。」
ナツキは欠伸を噛み殺しながら答えた。
「だったら露出してみない?」
「露出って何だ?」
「まあ簡単に言えば、変わった格好で表に行く事かな?
金も掛からないしさ。
筋肉一つで出来るよ。」
「そんなんで刺激になるのか?」
「それはその人次第だよ。
勃起した姿を街中で曝すんだ。
それに興奮する人もいれば、しない人もいる。
普通を好む人は無理かも。」
興味を持つ様に誘導していく。
カズユキの中でナツキの存在が欠かせなくなっていた。
『いつまでも一緒にいたい。』
だがこれは困難極まりない。
ナツキが自分と一緒にいるのは情報収集の為だ。
それは分かっていた。
情報が尽きた時、間違いなく捨てられる筈だ。
人情等持ち合わせていない事は知っている。
だったら新しい見聞を与え続ければいい。
いつの日か、自分の存在が欠かせなくなる迄。
「だったら今から出掛けようか。
レポートも一区切りついたし。
さて、何着てもらおうかな?」
カズユキはノートパソコンを閉じると、ワードロープを弄り出した。
「このメッシュの組合わせがいいんじゃない?
ボクは何を着て行こうかな?」
後ろを向いたままタイツとタンクトップを放る。
ナツキはそれらを拾い、着てみた。
目が細かく、ちょっと見は普通のタイツだ。
だが光源の下ではマラがはっきりと見て取れた。
(つづく)
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