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Chapter1(立志編)
Chapter1-⑨【I'LL BE】後編
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ナツキは携帯を操作し、お気に入りのサイトを表示させる。
以前、ネットで調べたゲイ専用ジムのページだ。
機会があればと思って、ブックマークに登録しておいた。
その時が来たのだ。
住所を頼りに、町をさまよう。
携帯を横にしたり、逆さにして画面を睨む。
だが知らない町ではどっちが北かも分からない。
目立つ建物もなく、八方塞がりだ。
ジムを名乗る位だから、大きな出入り口に看板が出ている筈だ。
「こんな住宅街に本当にあるの?」
カズユキが不安げに聞く。
「大体この辺りなんだがな。」
さっきも通った道に出て、困惑する。
するとスポーツバッグを背負った男がナツキ達に目を向けた。
一目で仲間だと分かる。
「渡りに船だ。
後を追うぞ。」
男は普通の一軒家に入っていく。
ナツキはその家の門扉に目を向ける。
『兒玉ジム』と小さなプレートが出ていた。
「えっ、ここ?」
余りにイメージの掛け離れた外観に不安を抱く。
「いらっしゃい。
初めてですか?」
中に入ると、気の良さそうな年配者が声を掛けてきた。
真冬にも関わらず真っ黒に焼けている。
オイルでも塗っている様だ。
テカった筋肉はゴキブリを連想させた。
「はい、初めてっす。」
愛想良く返事しながら、年配者をまじまじと見る。
カウンターの中で、Tバック姿で受付していた。
「今日、入会しますか?
初めての方なら、初回のみ500円で利用も出来ますよ。」
年配者がカウンターの外に出てきた。
「お客さん、随分やり込んでますね。
むちむちの筋肉が美味しそう。
スポーツ経験は?」
馴れ馴れしく身体を触る。
微かに触れる程度の不快な触り方は部活にはなかった。
「ずっと柔道部に入ってます。
なら今日は500円でお願いします。
ウエイトとか色々見てから、入会します。
構わないっすか?」
嫌悪感が顔に出ない様に愛想笑いを浮かべる。
「勿論よ。
それでは入会は次回という事で。
柔道部ならここではモテモテよ。
あっ、申し遅れました。
兒玉と申します。」
年配者は慇懃な笑みを湛え、名刺を差し出した。
「ここがロッカー室です。
着替えたら鍵を閉めて、腕に嵌めておいてね。
あらっ、タッ君、今日はどこのトレーニング?」
兒玉が先を歩いていた男と話し出す。
流石にこの場でカズユキに着替えさせるのは躊躇われる。
仕方なく、仕事中に穿いていたロングスパッツをカズユキに貸す。
上に丈の長いシャツを着せると、ザーメンで濡れた股間をなんとか隠せた。
良く良く見なければ縄は分からない。
だが今度は自分が穿く物がない。
「タッ君、サポートが必要なら言ってね。」
男がロッカー室から出ていく。
ケツワレから発達した大殿筋が丸見えだ。
「俺もケツワレ一丁でやるか。」
貞操具の凹凸が浮かび上がるが、兒玉が待っている中、悩んでいる暇はない。
「お待たせっす!
ウェイトエリアはどこっすか?」
態と大きな声で聞く。
「やだ、あんた達、SMカップルなの?
内はそういう人達は大歓迎よ。」
兒玉は目を丸くして、二人を交互に眺めた。
(つづく)
以前、ネットで調べたゲイ専用ジムのページだ。
機会があればと思って、ブックマークに登録しておいた。
その時が来たのだ。
住所を頼りに、町をさまよう。
携帯を横にしたり、逆さにして画面を睨む。
だが知らない町ではどっちが北かも分からない。
目立つ建物もなく、八方塞がりだ。
ジムを名乗る位だから、大きな出入り口に看板が出ている筈だ。
「こんな住宅街に本当にあるの?」
カズユキが不安げに聞く。
「大体この辺りなんだがな。」
さっきも通った道に出て、困惑する。
するとスポーツバッグを背負った男がナツキ達に目を向けた。
一目で仲間だと分かる。
「渡りに船だ。
後を追うぞ。」
男は普通の一軒家に入っていく。
ナツキはその家の門扉に目を向ける。
『兒玉ジム』と小さなプレートが出ていた。
「えっ、ここ?」
余りにイメージの掛け離れた外観に不安を抱く。
「いらっしゃい。
初めてですか?」
中に入ると、気の良さそうな年配者が声を掛けてきた。
真冬にも関わらず真っ黒に焼けている。
オイルでも塗っている様だ。
テカった筋肉はゴキブリを連想させた。
「はい、初めてっす。」
愛想良く返事しながら、年配者をまじまじと見る。
カウンターの中で、Tバック姿で受付していた。
「今日、入会しますか?
初めての方なら、初回のみ500円で利用も出来ますよ。」
年配者がカウンターの外に出てきた。
「お客さん、随分やり込んでますね。
むちむちの筋肉が美味しそう。
スポーツ経験は?」
馴れ馴れしく身体を触る。
微かに触れる程度の不快な触り方は部活にはなかった。
「ずっと柔道部に入ってます。
なら今日は500円でお願いします。
ウエイトとか色々見てから、入会します。
構わないっすか?」
嫌悪感が顔に出ない様に愛想笑いを浮かべる。
「勿論よ。
それでは入会は次回という事で。
柔道部ならここではモテモテよ。
あっ、申し遅れました。
兒玉と申します。」
年配者は慇懃な笑みを湛え、名刺を差し出した。
「ここがロッカー室です。
着替えたら鍵を閉めて、腕に嵌めておいてね。
あらっ、タッ君、今日はどこのトレーニング?」
兒玉が先を歩いていた男と話し出す。
流石にこの場でカズユキに着替えさせるのは躊躇われる。
仕方なく、仕事中に穿いていたロングスパッツをカズユキに貸す。
上に丈の長いシャツを着せると、ザーメンで濡れた股間をなんとか隠せた。
良く良く見なければ縄は分からない。
だが今度は自分が穿く物がない。
「タッ君、サポートが必要なら言ってね。」
男がロッカー室から出ていく。
ケツワレから発達した大殿筋が丸見えだ。
「俺もケツワレ一丁でやるか。」
貞操具の凹凸が浮かび上がるが、兒玉が待っている中、悩んでいる暇はない。
「お待たせっす!
ウェイトエリアはどこっすか?」
態と大きな声で聞く。
「やだ、あんた達、SMカップルなの?
内はそういう人達は大歓迎よ。」
兒玉は目を丸くして、二人を交互に眺めた。
(つづく)
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