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Chapter1(立志編)
Chapter1-⑥【WILD RUSH】前編
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マシンを拭き掃除していると、早朝にも関わらず会員が現れた。
以前、短パンを忘れた時にジロジロ見ていた男だ。
白髪混じりの髪を短く刈り込み、眼力が鋭い。
自衛官にいそうな風貌だ。
「おはようございます。
新しく入ったタジマナツキっす。
サポートが必要なら、気軽に声掛けて下さい!」
腹の底から声を出す。
「ナツキ君か。
威勢がいいな。
私は神志那、出張で来た時にここを使わせてもらっている。」
男は低い声で名乗ると、徐にナツキの身体を触り出す。
「張りのあるいい筋肉をしてるな。
縛り甲斐がありそうだ。」
大胸筋を押したり、叩いたりして具合を確かめている。
「柔道部出身なんで、気合いだけは充分っす。
是非、お願いします!」
ナツキは体育会系のノリで軽く言う。
話の流れから『縛り』を『シゴキ』に取り違えていたのだ。
「何処の大学だ?」
「N大学っす。」
ナツキが答えると、神志那の手が止まった。
「なら後輩だな。
坂口先生はまだ監督してるのか?」
「うっす!もうすぐ還暦っすけど、現役バリバリっす。」
「そうか。お元気で何よりだ。
後輩だったら容赦しないぞ。」
厳つい顔がニヤリと笑う。
「道場ではどんなシゴキにも耐えてきたんで平気っす。」
ナツキは大胸筋を叩く。
「なら夜に部屋へ来ないか。
駅前のビジネスホテルに泊まっている。
507号室だ。」
神志那はそう言い残すと、ランニングマシンを操作し出した。
「うっす、伺います!」
ナツキは食い違いに気付かぬまま約束する。
脚の回転が早まるのを見届けると、その場を後にした。
休憩時間にスタッフルームへ戻ると、姿見の前にシンゴが立っていた。
「どうしたんすか、その格好?」
ナツキは思わず絶句する。
薄手のロングスパッツの股間は異様に盛り上がっていた。
「よっ、おはよう。
これから婆さんのパーソナルなんだ。
ちょいサービスして、時間延長してもらおうと思ってな。」
シンゴはペニスに位置を直しながら言う。
「丸でポルノ男優っすよ。
そんなんで金になるんすか?」
呆れ顔で聞く。
「ああ、パーソナルは金になるぞ。
金の有り余っているマダム達がゴロゴロいるからな。
お前も早く資格取るんだな。
ちょいキツいな。」
シンゴはそう言うと、スパッツを下げる。
熱り起つペニスの根元に鉄製のリングを嵌めていた。
「それ、何すか?
窮屈そうだけど。」
ナツキはまじまじとそのリングを見詰める。
「これはコックリングだ。
勃起を長持ちさせる為に装着するんだ。
まあ、野郎のアクセサリーだな。
こいつのお陰で、ミサコもヒイヒイ鳴いてるぜ。」
シンゴが粗野な笑みを浮かべた。
尚も鈍い光を放つリングを見続ける。
「何だよ、いつまでもジロジロ見てんなよ。
もしかして、これが欲しいのか?」
その問いにナツキは黙ったまま頷く。
「仕方ねぇな。」
シンゴはスパッツを上げると、自分のロッカーを弄る。
「ほらっ、もう一個あったぜ。
ちょい古いが、やるよ。」
シンゴがリングを放った。
放物線を描いたリングを両手でキャッチする。
「じゃあ、俺はババアの接待に行ってくるぜ。」
シンゴが部屋を出ていく。
ナツキは両手の中で、輝くリングを暫く眺める。
そして恐る恐るジャージを下げた。
(つづく)
以前、短パンを忘れた時にジロジロ見ていた男だ。
白髪混じりの髪を短く刈り込み、眼力が鋭い。
自衛官にいそうな風貌だ。
「おはようございます。
新しく入ったタジマナツキっす。
サポートが必要なら、気軽に声掛けて下さい!」
腹の底から声を出す。
「ナツキ君か。
威勢がいいな。
私は神志那、出張で来た時にここを使わせてもらっている。」
男は低い声で名乗ると、徐にナツキの身体を触り出す。
「張りのあるいい筋肉をしてるな。
縛り甲斐がありそうだ。」
大胸筋を押したり、叩いたりして具合を確かめている。
「柔道部出身なんで、気合いだけは充分っす。
是非、お願いします!」
ナツキは体育会系のノリで軽く言う。
話の流れから『縛り』を『シゴキ』に取り違えていたのだ。
「何処の大学だ?」
「N大学っす。」
ナツキが答えると、神志那の手が止まった。
「なら後輩だな。
坂口先生はまだ監督してるのか?」
「うっす!もうすぐ還暦っすけど、現役バリバリっす。」
「そうか。お元気で何よりだ。
後輩だったら容赦しないぞ。」
厳つい顔がニヤリと笑う。
「道場ではどんなシゴキにも耐えてきたんで平気っす。」
ナツキは大胸筋を叩く。
「なら夜に部屋へ来ないか。
駅前のビジネスホテルに泊まっている。
507号室だ。」
神志那はそう言い残すと、ランニングマシンを操作し出した。
「うっす、伺います!」
ナツキは食い違いに気付かぬまま約束する。
脚の回転が早まるのを見届けると、その場を後にした。
休憩時間にスタッフルームへ戻ると、姿見の前にシンゴが立っていた。
「どうしたんすか、その格好?」
ナツキは思わず絶句する。
薄手のロングスパッツの股間は異様に盛り上がっていた。
「よっ、おはよう。
これから婆さんのパーソナルなんだ。
ちょいサービスして、時間延長してもらおうと思ってな。」
シンゴはペニスに位置を直しながら言う。
「丸でポルノ男優っすよ。
そんなんで金になるんすか?」
呆れ顔で聞く。
「ああ、パーソナルは金になるぞ。
金の有り余っているマダム達がゴロゴロいるからな。
お前も早く資格取るんだな。
ちょいキツいな。」
シンゴはそう言うと、スパッツを下げる。
熱り起つペニスの根元に鉄製のリングを嵌めていた。
「それ、何すか?
窮屈そうだけど。」
ナツキはまじまじとそのリングを見詰める。
「これはコックリングだ。
勃起を長持ちさせる為に装着するんだ。
まあ、野郎のアクセサリーだな。
こいつのお陰で、ミサコもヒイヒイ鳴いてるぜ。」
シンゴが粗野な笑みを浮かべた。
尚も鈍い光を放つリングを見続ける。
「何だよ、いつまでもジロジロ見てんなよ。
もしかして、これが欲しいのか?」
その問いにナツキは黙ったまま頷く。
「仕方ねぇな。」
シンゴはスパッツを上げると、自分のロッカーを弄る。
「ほらっ、もう一個あったぜ。
ちょい古いが、やるよ。」
シンゴがリングを放った。
放物線を描いたリングを両手でキャッチする。
「じゃあ、俺はババアの接待に行ってくるぜ。」
シンゴが部屋を出ていく。
ナツキは両手の中で、輝くリングを暫く眺める。
そして恐る恐るジャージを下げた。
(つづく)
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