妄想日記5<<DISPARITY>>

YAMATO

文字の大きさ
上 下
5 / 236
Chapter1(立志編)

Chapter1-③【Boys&Girls】前編

しおりを挟む
「はぁー、参ったな。」
居酒屋の席に座るなり、シンゴは大きな溜め息を吐く。
「どうしたんすか?
俺、ビール。」
ナツキはメニューに視線を落としながら聞く。
「あれからミサコ、あっ、これ彼女の名前、が電話に出ねぇんだ。
俺は焼酎ロックで。
それから焼き鳥セットとサイコロステーキ、後はフライドポテト付けてくれ。」
二人共、後半は店員に言った。
 
「ちょいアナル弄った位で、こんなに怒るとは思わなかったんだ。
他にもやりたい事は一杯あるのに我慢してるんだぜ。」
シンゴが焼酎を煽る。
「他にもって、どんな事っすか?」
ナツキは興味津々な事を悟られない様に携帯を触りながら聞く。
「まあ、願望だけどな。
ヴァギナにディルドを突っ込んでさ、アナルを責め立てるとか。
男二人で一人の女を犯すとか、やってみたいんだ。
お前も男ならそんな願望あるだろ?」
シンゴが卑猥な笑みを浮かべた。
「あっ、いやっ、俺は別に…。」
ナツキはあまりにリアルな妄想にしどろもどろになる。
 
「別にって、まさか童貞じゃねぇよな?」
蓋然的な視線がナツキを捉えた。
小さく頷くしかない。
「がははっ、お前はチェリーボーイか!
二十歳を過ぎて童貞なんて、国宝級だな。」
シンゴが腹を抱えて笑う。
ナツキは顔を真っ赤にして、ビールを流し込んだ。
今迄、練習に明け暮れて、そんな事を考えた事がなかった。
起きた時に布団の中で自慰をする。
これは単なる朝のルーティンだ。
セックスどころか、付き合った事もない。
強くなるのに女は不要だ。
女が出来た途端、弱くなる部員を何人も見てきた。
練習に身が入らず、集中力の欠片もない。
そんな腑抜けを軽蔑していた。
デートする時間があったら、新たな締め技を覚えたい。
強くなりたい一心が性欲を抑え込んでいた。
 
「だったら、今度いい所に連れて行ってやるよ。
金さえ払えば、何でもやらしてくれる女だ。
但しババアだけどな。」
顔を寄せたシンゴが囁く。
ナツキは目を見開き、野卑な顔を見詰める。
「ミサコがやらせてくれないプレイがしたくなると、そこ行ってんだ。
俺が手取り足取り教えてやるぜ。
チェリーちゃんよ。」
シンゴが小馬鹿にして言った。
 
酒が進むと、シンゴの口数が少なげなってきた。
ミサコの事が気になるのだろう。
「電話じゃなくて、会いに行ったらどうっすか?
家、知っているんでしょ?」
見かねて助言してみる。
「ミサコは実家だから両親がいるんだ。
行くだけ無駄さ。」
シンゴがポツリと答える。
「両親がいたって、いいじゃないっすか。
会って言わないと、伝わらないっすよ。
好きなんでしょ?」
ナツキは一般論を口にする。
「ああ、勿論好きさ。
だがそこまでしたら、今巷で話題のストーカーになっちまう。
焼酎もう一杯!」
シンゴは空のグラスを頭上で振った。
『好きな人に会いに行くのがストーカー?』
言ってる事が理解出来ない。
ナツキは不思議な生物を見ている気がした。
 
「しっかりして下さい。
どこのアパートですか?」
ナツキはシンゴを背負って、シンゴの家を探す。
「ミチャコ、俺が悪かった。
もうしねぇから、許してくれ。」
寝言を言っているシンゴから家路を聞き出す事は無理そうだ。
諦めて、自分のアパートを目指す。
 
 
(つづく)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

終わり無い絶頂で男は全てを壊される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

二本の男根は一つの淫具の中で休み無く絶頂を強いられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

不良少年達は体育教師を無慈悲に弄ぶ

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...