妄想日記5<<DISPARITY>>

YAMATO

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Chapter1(立志編)

Chapter1-①【I HAVE NEVER SEEN】後編

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バーにウェイトをセットしていると、背後から声がした。
「よっ、お疲れ。」
振り返ると、シンゴが立っていた。
ジムで唯一人話をするスタッフだ。
その視線が自分の股間に留まる。
「お前、短パン忘れたのか?
それとも故意か?」
シンゴが瞳を見開く。
「まさかっ!単純に忘れたんすよ。
レッスンに並んでいる女達に変な目で見られて、テンション上がらないっす。」
ナツキは顔を赤らめて答える。
「そんなにチンコをクッキリさせてたら単なる変質者だからな。
喜ぶのはおばちゃん達だけだ。
きっと苦情が来ているぞ。」
シンゴが愉快そうに笑う。
「そんな笑い事じゃないっすよ。
こっちの身にもなって欲しいっす。」
ナツキが文句を口にする。
「お前、下着も持ってないのか。
流石に直穿きは目立つな。
仕方ねぇ、ちょっと待ってろ。」
シンゴはそう言うと、スタッフルームへ入って行った。
体育会のノリで、会員にもフランクに接する。
その為、気を遣わずに話せる数少ない男だった。
 
「待たせたな。
これでも穿けば、多少はチンコが目立たなくなるぞ。」
戻ってきたシンゴが手を伸ばす。
ナツキはその手から小さな布を受け取る。
広げてみると、染みだらけの黄色いケツワレだった。
「俺の穿いてた物で悪いが、ないよかマシだ。
一日これで我慢しろ。」
シンゴは空いた手を上げると、去っていった。
 
ナツキは初めてケツワレに足を通す。
道着の下に穿いている部員もいたが、それは少数派だ。
サポーターは一昔前のイメージで、今は圧倒的にスパッツが主流だ。
太いゴムベルトの締め付けがきつく、窮屈感が伴う。
サイズを見ると、Sとなっている。
普段はLサイズを着ているナツキにとって、その締め付け感は既知にない感覚だった。
何故か血流が股間に集中し、マラが上を向く。
萎え掛けたペニスが活気付く。
そのままスパッツを穿くと、余計にモッコリが目立つ結果になってしまった。
トレーニングに没頭したいが、邪な思考が邪魔をする。
鏡に映る勃起した己の姿に欲情した。
事ある毎に鏡を見てしまう。
一人の男と鏡越しに視線が合った。
40歳前後だろうか、短髪に白い物が目立つ。
男は視線を逸らす事なく、ガン見し続ける。
ナツキはシンゴが言った苦情という単語を思い出し、逃げる様にトレーニングエリア
を後にした。
 
コンビニのバイトが終わり、ダッシュで家路を急ぐ。
入れっ放しのパソコンのメーラーソフトを開く。
見慣れぬアドレスのメールが二通届いていた。
震える指でクリックする。
 
『メールありがとう。
柔道やってるならガタイ良さそうだな。
ガタイ画像送ってくれ。』
 
『レス、サンキュー。
柔道してる兄貴なんてめちゃアガルな。
是非リアルしたいよ。
兄貴のエロ画見たいな。
待ってるね。』
 
内容から前者がマッチョで、後者が幼顔と察しが付く。
どちらも画像を要求している。
この手のやり取りでは画像が必須らしい。
短い文面は共通している。
画像を見てから判断する事が伺えた。
かといって、自分の画像など撮った事がない。
そもそもデジタルカメラを持っていなかった。
『くっそぉ、デジカメさえあればな。』
溜め息を吐くと、伸びをしたまま後ろに倒れ込んだ。
 
 
(つづく)
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