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Chapter13(夭折編)
Chapter13-⑤【I want tomorrow to come】
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「まさか、補欠に負けちまうとはな。」
昼飯時なので、ワークプールには誰もいない。
縁に腰掛けたレスリーが足を組んだ。
メッシュの生地の下で肉棒が横たわる。
黒目だけを左右へ動かす。
プールでレッスン中のインストラクター以外に声はない。
目を擦り、焦点を合わす。
人の腕と変わらない。
拳大の亀頭が生地を突き破ろうとしている。
初めて勃起した性器を見た。
部室で見掛ける同級生の物とは全く違う。
これがアメリカンサイズなのだろうか?
この肉棒が自分の中に入っていた。
火傷した様な痛みが尻に続いた事に納得する。
「朝練の効果があったみたいっす。
持久力が付いて、50メートル泳いでも呼吸が乱れない。
来月の記録会が楽しみっす。」
「ああ、このままなら直ぐに一年の中でトップになるだろう。
しかし代表にはなれないぞ。」
「それって、メンタルの所為?」
「そうだ、そのビビりな性格が大会でお前の足を引っ張る。
ここ一番でベストタイムを出せなければ、代表になっても意味はない。
今日の俺と同じだ。」
「でもこの間の記録会では自己ベストっす。
これからも更新する自信が…。」
「監督が代表を選ぶ基準はラップじゃない!」
珍しい強めの語尾が発言を奪った。
「試合に勝てるクレバーな奴だ。
試合は駆け引きだ。
ビビッてパニックになったり、がむしゃらに泳ぐだけじゃ勝てない。
相手を観察し、勝てる手段を講じる。
コースレコードなんか必要ない。
その中で一番になればいいんだ。
負けたくなければ、筋肉で武装しろ。
どんな視線も跳ね返す身体を手に入れるんだ。
そうすれば冷静に試合展開を予想し、勝てる選択肢を選べる。」
「それって、昨日言ってた第六の部位っすか?」
レスリーは忘れていなかったのだ。
そうすると今日の勝ちは…。
中学まではがむしゃらに泳げば勝てていた。
高校に入ってから、それが通用しない。
『後半は必ずバテる筈だ。』
先程の勝負でそう判断し、それに対抗する泳ぎ方をした。
これが選択肢なのだろう。
泳ぐ前にプランを練ったのは初めてだ。
キャプテンの言っている事を理解する。
大事な試合でも、これが出来る様になればいいのだ。
ビビっている場合でない。
筋肉で武装し、上がる事なく冷静に考えるのだ。
「選抜の先輩に憧れの人がいたんだ。
色々悩みを聞いてくれてさ。
タイムが伸び悩んだ時、相談したんだ。」
「えっ、キャプテンにもそんな時があったんすか?」
「と言っても、俺は国内代表に届かない時だ。
試合に出れないお前とはレベルが違うぞ。」
レスリーが足を組み換えた。
横たわっていたペニスが上を向く。
遂に亀頭が競パンから顔を出した。
「彼に聞いた事や、今までに経験した事を全てお前に伝える。
来年の四月、俺はアメリカへ行く。
時間は限られているんだ。」
「えっ、そんな…。
ずっと一緒にいれると思っていたのに!」
突然の宣言に慌てふためく。
「おい、落ち着け。
まだ一年も先の話だ。
お前に贈り物をしたいんだ。
俺と一緒に過ごしたって証を。
昨日、覚悟は出来てると言ったな。」
強引に腕を引っ張られ、ワークプールを後にした。
(つづく)
昼飯時なので、ワークプールには誰もいない。
縁に腰掛けたレスリーが足を組んだ。
メッシュの生地の下で肉棒が横たわる。
黒目だけを左右へ動かす。
プールでレッスン中のインストラクター以外に声はない。
目を擦り、焦点を合わす。
人の腕と変わらない。
拳大の亀頭が生地を突き破ろうとしている。
初めて勃起した性器を見た。
部室で見掛ける同級生の物とは全く違う。
これがアメリカンサイズなのだろうか?
この肉棒が自分の中に入っていた。
火傷した様な痛みが尻に続いた事に納得する。
「朝練の効果があったみたいっす。
持久力が付いて、50メートル泳いでも呼吸が乱れない。
来月の記録会が楽しみっす。」
「ああ、このままなら直ぐに一年の中でトップになるだろう。
しかし代表にはなれないぞ。」
「それって、メンタルの所為?」
「そうだ、そのビビりな性格が大会でお前の足を引っ張る。
ここ一番でベストタイムを出せなければ、代表になっても意味はない。
今日の俺と同じだ。」
「でもこの間の記録会では自己ベストっす。
これからも更新する自信が…。」
「監督が代表を選ぶ基準はラップじゃない!」
珍しい強めの語尾が発言を奪った。
「試合に勝てるクレバーな奴だ。
試合は駆け引きだ。
ビビッてパニックになったり、がむしゃらに泳ぐだけじゃ勝てない。
相手を観察し、勝てる手段を講じる。
コースレコードなんか必要ない。
その中で一番になればいいんだ。
負けたくなければ、筋肉で武装しろ。
どんな視線も跳ね返す身体を手に入れるんだ。
そうすれば冷静に試合展開を予想し、勝てる選択肢を選べる。」
「それって、昨日言ってた第六の部位っすか?」
レスリーは忘れていなかったのだ。
そうすると今日の勝ちは…。
中学まではがむしゃらに泳げば勝てていた。
高校に入ってから、それが通用しない。
『後半は必ずバテる筈だ。』
先程の勝負でそう判断し、それに対抗する泳ぎ方をした。
これが選択肢なのだろう。
泳ぐ前にプランを練ったのは初めてだ。
キャプテンの言っている事を理解する。
大事な試合でも、これが出来る様になればいいのだ。
ビビっている場合でない。
筋肉で武装し、上がる事なく冷静に考えるのだ。
「選抜の先輩に憧れの人がいたんだ。
色々悩みを聞いてくれてさ。
タイムが伸び悩んだ時、相談したんだ。」
「えっ、キャプテンにもそんな時があったんすか?」
「と言っても、俺は国内代表に届かない時だ。
試合に出れないお前とはレベルが違うぞ。」
レスリーが足を組み換えた。
横たわっていたペニスが上を向く。
遂に亀頭が競パンから顔を出した。
「彼に聞いた事や、今までに経験した事を全てお前に伝える。
来年の四月、俺はアメリカへ行く。
時間は限られているんだ。」
「えっ、そんな…。
ずっと一緒にいれると思っていたのに!」
突然の宣言に慌てふためく。
「おい、落ち着け。
まだ一年も先の話だ。
お前に贈り物をしたいんだ。
俺と一緒に過ごしたって証を。
昨日、覚悟は出来てると言ったな。」
強引に腕を引っ張られ、ワークプールを後にした。
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