妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

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Chapter8(がむしゃら編)

Chapter8-③【プロローグ】前編

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「流石、ユウヤさん。
その通りです。
私も張り型を入れて試してみましたが、5分と持ちませんでした。」
「まっ、マジか!」
ユウヤの大声にドキッとする。
ワタルはアナルの疼きを悟られた気がしたのだ。
もう射精等、遠い存在だと思っていた。
だがもしかすると、手を伸ばせば届くかもしれない。
 
「だったら一部のソファーに手枷、足枷を付けたらどうだ?
悶絶地獄から逃れられない様にな。」
山下も乗ってきた。
「最上位モデルには低周波パッド付きも用意してあります。
自分の意識的とは別に筋肉が収縮します。
勿論ペニスへの装置も可能です。」
「おいおい、本当にそれって、健康目的に作られたのか?
何か胡散臭いな。」
ユウヤが身を乗り出して聞く。
「ドイツ製なので品質に問題ありません。
確かに購入者の6割は独身男性と資料に載っていたので、そういう使い方をしている
方が多いかもしれません。」
「やっぱりな!
だったらそれで決まりっすね。」
ユウヤがワタルに視線を移す。
「ちょっ、ちょっと待って。
とすると値段はかなりするのでは?」
「ベースはシングルソファーなので、ロングソファーにするとカスタマイズが必要で
す。
それに低周波パッドと運送費等を合わせますと…、最低これ位には…。」
大園が電卓を見せる。
「一、十、百、千…、ろっ、600万!」
ワタルの声が裏返る。
「5人掛けソファーなので、もう一組になると、こちらの二倍の金額となります。」
満面の笑みを浮かべた大園が電卓に×2を打ち込んだ。
 
「全然無理です。
1200万円なんて、とてもじゃないけど…。」
「まあ、こちらは表向きです。
運送費は他の商品と同梱にして、浮かせます。
手枷、足枷はサービス致しますので、こちらでどうでしょう?」
ワタルは向けられた電卓を見て、我が目を疑った。
 
「カウンターは不要なので、取っ払いましょう。
こちらの奥に5人掛けソファーを向かい合って置きます。
そして真ん中に長めのテーブルを置くとして。
入り口には陳列棚でしたよね?」
大園はノートパソコンにイメージ図を書き込んでいく。
ワタルはもう引き返せない事を知る。
「照明は奥は真っ赤で、入り口に向かってオレンジ色のグラデーションが良くないっ
すか?」
「ああ、そうだな…。」
ユウヤの提案に頷く。
どうせやるなら、ここでケチっても仕方ない。
当面の資金はユウヤが融通してくれる事になっていた。
流行る店にして、早く返せば良いだけだ。
そうする為には人が集まる店にする事が必須だ。
この街にゲイは多い。
その中から、何人の常連を掘り起こせるか?
インパクトが重要だ。
「全体的に無機質な感じにして下さい。
ここに来ないと味わえないインテリアで揃えたいんです。」
ワタルは腹を決めて、妄想を具体化していく。
「フィッティングルームは何処にしますか?」
「それは不要です。
この店自体がフィッティングルームなので。」
即座に答える。
大分イメージが固まってきた。
 
 
(つづく)
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