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Chapter8(がむしゃら編)
Chapter8-②【泣かせてくれよ】後編
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「これから来るって。
帰りの電車の中だったんで、強引に呼び出したっすよ。」
ユウヤの声で手を引っ込める。
「これから?
あまり無理言って、困らせるなよ。
俺は何の準備もしてないぞ。」
「それは大丈夫、雑談程度だって言っといたんで。
寿司でも食いながら話そうと言ったら、二つ返事で来るってさ。
今日は思い付くままにリクエストを伝えるだけでいいっすよ。
最後に店を見せて欲しいって。
奴が来る前にトレーニングしちゃいましょう。
運動後の方が寿司は美味いっすよ。」
ユウヤは勢い良く立ち上がった。
「初めまして、大園と申します。」
シルバーのシャツにネクタイをした青年が名刺を差し出す。
「忙しい中、呼び立ててすみません。」
恐縮して名刺を受け取る。
『リノベーションデザイナー大園千晴』
と書かれてあった。
「まだ具体的な話は出来ないのですが…。」
「いえ、それを具象化するのが私の仕事です。
イメージで結構です。
気楽に話して下さい。
ユウヤさんのご紹介ですから、採算なしでやらせていただきます。」
大園か微笑む。
「こいつ、発展場とかも手掛けてるんすよ。
えげつないデザインは天下一品っす。」
「ちょっとユウヤさん、それって誉めているんですか?
ディスってるとしか思えないんですけど。」
ユウヤを睨む大園の顔を見て、ワタルも笑う。
「さあ、立ち話もなんだから、入ってくれ。
コーヒー飲みながら、ゆっくり話そう。」
全身タイツ姿の山下を見て、大園が一瞬固まる。
「いえ、お構い無く。
素敵なお屋敷ですね。
リノベーションが必要になりましたら、是非ご連絡を。」
大園は直ぐに口角を上げると、名刺を差し出した。
「サロンっぽい感じですね。
それならカウンターに椅子より、ソファーの方が寛げますね。
空港のラウンジみたいなイメージはどうでしょう?」
「健全過ぎないか?」
大園の提案にユウヤが口を挟む。
「勿論、普通のラウンジにはしないですよ。」
ネクタイを緩めた大園がニヤリと笑う。
「と言うと、何か仕掛けを?」
ワタルは前のめりになり聞く。
「ええ、その通りです。
実は最近、マッサージ機能付きのソファーを扱い出したのです。
性能は申し分ないです。
いや、逆に性能が良過ぎて、寛ぐと言うよりは…。」
大園はそこでコーヒーカップを口に運んだ。
「どっ、どうなるんだ?」
ユウヤが先を急かす。
ワタルも同じ思いだ。
「簡単に申し上げますと、ムラムラします。」
「ムラムラする?って事は欲情するってことか?」
ユウヤが聞き返す。
「そのソファーは特に臀部のマッサージが優れています。
丸で掌で臀部を揉み解されている感覚になります。
私も試してみたが、射精しそうになりました。
殆どの人は先走りが溢れ出るでしょう。」
大袈裟に言っているとは思うが、興味深い。
「だったら張り型突っ込んで座ったら、瞬殺だな。」
ユウヤが冗談を挟んだ。
(つづく)
帰りの電車の中だったんで、強引に呼び出したっすよ。」
ユウヤの声で手を引っ込める。
「これから?
あまり無理言って、困らせるなよ。
俺は何の準備もしてないぞ。」
「それは大丈夫、雑談程度だって言っといたんで。
寿司でも食いながら話そうと言ったら、二つ返事で来るってさ。
今日は思い付くままにリクエストを伝えるだけでいいっすよ。
最後に店を見せて欲しいって。
奴が来る前にトレーニングしちゃいましょう。
運動後の方が寿司は美味いっすよ。」
ユウヤは勢い良く立ち上がった。
「初めまして、大園と申します。」
シルバーのシャツにネクタイをした青年が名刺を差し出す。
「忙しい中、呼び立ててすみません。」
恐縮して名刺を受け取る。
『リノベーションデザイナー大園千晴』
と書かれてあった。
「まだ具体的な話は出来ないのですが…。」
「いえ、それを具象化するのが私の仕事です。
イメージで結構です。
気楽に話して下さい。
ユウヤさんのご紹介ですから、採算なしでやらせていただきます。」
大園か微笑む。
「こいつ、発展場とかも手掛けてるんすよ。
えげつないデザインは天下一品っす。」
「ちょっとユウヤさん、それって誉めているんですか?
ディスってるとしか思えないんですけど。」
ユウヤを睨む大園の顔を見て、ワタルも笑う。
「さあ、立ち話もなんだから、入ってくれ。
コーヒー飲みながら、ゆっくり話そう。」
全身タイツ姿の山下を見て、大園が一瞬固まる。
「いえ、お構い無く。
素敵なお屋敷ですね。
リノベーションが必要になりましたら、是非ご連絡を。」
大園は直ぐに口角を上げると、名刺を差し出した。
「サロンっぽい感じですね。
それならカウンターに椅子より、ソファーの方が寛げますね。
空港のラウンジみたいなイメージはどうでしょう?」
「健全過ぎないか?」
大園の提案にユウヤが口を挟む。
「勿論、普通のラウンジにはしないですよ。」
ネクタイを緩めた大園がニヤリと笑う。
「と言うと、何か仕掛けを?」
ワタルは前のめりになり聞く。
「ええ、その通りです。
実は最近、マッサージ機能付きのソファーを扱い出したのです。
性能は申し分ないです。
いや、逆に性能が良過ぎて、寛ぐと言うよりは…。」
大園はそこでコーヒーカップを口に運んだ。
「どっ、どうなるんだ?」
ユウヤが先を急かす。
ワタルも同じ思いだ。
「簡単に申し上げますと、ムラムラします。」
「ムラムラする?って事は欲情するってことか?」
ユウヤが聞き返す。
「そのソファーは特に臀部のマッサージが優れています。
丸で掌で臀部を揉み解されている感覚になります。
私も試してみたが、射精しそうになりました。
殆どの人は先走りが溢れ出るでしょう。」
大袈裟に言っているとは思うが、興味深い。
「だったら張り型突っ込んで座ったら、瞬殺だな。」
ユウヤが冗談を挟んだ。
(つづく)
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