妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

文字の大きさ
上 下
143 / 190
Chapter7(女優編)

Chapter7-②【Ogre Battle】前編

しおりを挟む
「俺達は準備してるから、晩飯のおかずを獲ってきてくれ。」
山下が銛と古びた水中マスクを差し出した。
「えっ…、でも…、そんな経験ないし…。」
ワタルは口籠る。
「経験なんて必要ないさ。
この辺は魚なんて、うじゃうじゃいる。
黙ってても、向こうから刺さってくるぜ。」
山下は軽く言う。
「今晩のおかずはワタルさんに掛かっています。
頑張って下さい。」
テツヤが首筋に流れる汗を舌で掬った。
 
ワタルは夢中で魚を追う。
二人に褒められたい一心で。
だが中々ヒットしない。
確かに魚は沢山いるが、小魚が多く食べられそうもない。
しかも動きが機敏で、銛は空を切るばかりだ。
もっと大きく、動きの鈍い魚を狙う事にする。
息を思い切り吸い込むと、海底を目指す。
岩影に潜む大物を探した。
岩穴から顔を出す魚を発見した。
あれなら逃げ場はない。
狙いを定め、ゴムを放す。
呆気なく魚に刺さった。
銛を引き寄せると、魚の胴体は思いの外長い。
全体を見て、そのグロテスクな風貌に息が溢れる。
慌てて海上へ急いだ。
「ウツボなんて食べれるのかな?」
手ぶらよりは増しだろう。
網籠にウツボを入れると、再び海底に潜る。
出来れば伊勢海老を捕獲して、二人を驚かせたかった。
 
「お帰りなさい。
収穫はどうでしたか?」
笑顔のテツヤが出迎えてくれた。
ワタルは網籠を差し出す。
「おっ、凄い!
ウツボはゼラチン質が多く、凄く旨いです。
それとこんなにウニがあれば、今晩はご馳走になります。」
テツヤの満面の笑顔を見て、ワタルは安堵した。
「あれっ、山下さんは?」
「今、料理中です。」
その回答を山下が料理をしていると理解した。
「見に行きますか?
そろそろ良い味が出てる頃です。」
移動と慣れない漁で腹が鳴る。
小屋の裏に回ると、風が一切遮断されていた。
照り付ける砂が鉄板の様だ。
「えっ!」
小屋の角を曲がった所で身体がフリーズした。
ラバーマンが壁に張り付けになっていたのだ。
黒いウエットスーツは昔の漁師が着る物のだろうか。
山下である事は間違いない。
ただ変貌した姿は俄に信じ難い。
黒いラバースーツは異様に膨らみ、ペニスシースからストローが出ていた。
 
「今、彼を調理中です。
良い出汁が出てる筈です。
飲んでみますか?」
「調理中って、山下さんを?」
思わず聞き返す。
「ええ、そうです。
スーツの中にたっぷりオリーブオイルを含ませて加熱中です。
ここで滞在する間に使用するオイルは全て彼を介します。
純度を高めます。
彼の表情を見て下さい。
うっとりしているでしょ。」
その言葉にラバーマスクを見る。
うっとりしていると言うよりは朦朧としていた。
しかし熱り起つペニスはこの暑さを物ともしていない。
裸でいても、汗は無限に出てくる。
この無風の一角で、黒いラバーに陽光が集中していた。
中の温度は一体何度に達しているのだろうか?
ゴールドのオイルと濃厚の汗が混じる香りが空腹を刺激した。
 
 
(つづく)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

少年探偵は恥部を徹底的に調べあげられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

捜査員は柱の中央で絶頂を強制される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

スパイは無様な姿で情報を絞り出される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

二本の男根は一つの淫具の中で休み無く絶頂を強いられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

生意気な少年は男の遊び道具にされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...