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Chapter6(一髪篇)
Chapter6-⑨【兆し】前編
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普段の加重したスクワットに比べたら容易く思われた。
たが50回を前にして、乳酸が溜まりだす。
膝に力が入らない。
「ここが頑張り時です。
素晴らしい筋肉を想像して。
それが手に入るのです。
さあ、吸って、吐いて。」
テツヤの金色の広背筋を見詰める。
玉の様な汗が滑り落ちた。
抵抗の全くない滑らかな筋肉が疲労を緩和する。
テツヤの呼吸に合わせ、力を振り絞った。
「今、我々は共通の目的に向かっています。
セックス等では味わえない高みへ。」
テツヤの広背筋が裏返る。
マスクから舌が伸びた。
ワタルも舌を出し、それに絡める。
限界を越えるスクワットが可能となった。
「よし、200だ。
いいだろう。」
山下が手を叩く。
ワタルは踏ん張れず、テツヤの胸に顔を埋める。
「やはりパートナーがいると違います。
日課は100回ですから、2倍出来ました。」
抱き締めるテツヤの手に力が入った。
「よし、オイル風呂に入って、筋肉を解せ。
内と外からオイルを浸透させるんだ。」
山下は風呂場から出ていく。
離れたテツヤは追い焚きのボタンを押す。
『追い焚きを始めます。』
無機質な声が風呂場に響いた。
「さあ、力を抜いて。」
ディルドが抜かれる。
同時にアナルに暖かい唇が当たった。
嚥下音に驚き振り返る。
マスクの下の真っ直ぐな視線と搗ち合った。
「ワタルさんも出来ますか?」
手の甲で唇を拭ったテツヤが聞く。
「さあ、ここに寝て。」
答を待たずにテツヤが動く。
跨いだテツヤのアナルには巨大なディルドが刺さったままだ。
ワタルは口を開き、次の瞬間を待つ。
解き放たれたアナルから蒸留されたオイルが溢れ出てきた。
その流出先に腹を空かせた雛の如く口を寄せる。
テツヤが特別な存在に思えた。
『テツヤとならどんな高みへも行ける。』
その思いがワタルを突き動かしたのだ。
リビングに戻ると山下の姿はなかった。
テーブルに空となったグラスが置きっ放しだ。
「あれっ、山下さんは?」
心地好い疲労を感じながら聞く。
「きっとトレーニング室でしょう。」
全裸のテツヤが答える。
輝きが増した筋肉をうっとり見詰める。
「行ってみますか?
ここの機器は凄いですよ。
濃厚なオイルを取り入れたばかりだ。
今がゴールデンタイムです。
さあ、行きましょう!」
テツヤがドアを押すと、長い廊下が見えた。
「うりゃ!おりゃ!」
山下の声が聞こえる。
20畳程の部屋にトレーニングマシンが並んでいた。
ダンベルを持つ山下がサイドレイズをしている。
40キロのウェイトがプラスチックの玩具の様に見えた。
ダンベルを上げる度に僧帽筋が膨らむ。
そして小さなビキニが大殿筋に食い込んだ。
「ここが…、自宅のジム…?」
ワタルは呆気に取られ、声が出ない。
至る所に鏡が設置され、天井にも山下の姿を映している。
思わず身震いしてしまう。
空調が寒いくらい利いていた。
(つづく)
たが50回を前にして、乳酸が溜まりだす。
膝に力が入らない。
「ここが頑張り時です。
素晴らしい筋肉を想像して。
それが手に入るのです。
さあ、吸って、吐いて。」
テツヤの金色の広背筋を見詰める。
玉の様な汗が滑り落ちた。
抵抗の全くない滑らかな筋肉が疲労を緩和する。
テツヤの呼吸に合わせ、力を振り絞った。
「今、我々は共通の目的に向かっています。
セックス等では味わえない高みへ。」
テツヤの広背筋が裏返る。
マスクから舌が伸びた。
ワタルも舌を出し、それに絡める。
限界を越えるスクワットが可能となった。
「よし、200だ。
いいだろう。」
山下が手を叩く。
ワタルは踏ん張れず、テツヤの胸に顔を埋める。
「やはりパートナーがいると違います。
日課は100回ですから、2倍出来ました。」
抱き締めるテツヤの手に力が入った。
「よし、オイル風呂に入って、筋肉を解せ。
内と外からオイルを浸透させるんだ。」
山下は風呂場から出ていく。
離れたテツヤは追い焚きのボタンを押す。
『追い焚きを始めます。』
無機質な声が風呂場に響いた。
「さあ、力を抜いて。」
ディルドが抜かれる。
同時にアナルに暖かい唇が当たった。
嚥下音に驚き振り返る。
マスクの下の真っ直ぐな視線と搗ち合った。
「ワタルさんも出来ますか?」
手の甲で唇を拭ったテツヤが聞く。
「さあ、ここに寝て。」
答を待たずにテツヤが動く。
跨いだテツヤのアナルには巨大なディルドが刺さったままだ。
ワタルは口を開き、次の瞬間を待つ。
解き放たれたアナルから蒸留されたオイルが溢れ出てきた。
その流出先に腹を空かせた雛の如く口を寄せる。
テツヤが特別な存在に思えた。
『テツヤとならどんな高みへも行ける。』
その思いがワタルを突き動かしたのだ。
リビングに戻ると山下の姿はなかった。
テーブルに空となったグラスが置きっ放しだ。
「あれっ、山下さんは?」
心地好い疲労を感じながら聞く。
「きっとトレーニング室でしょう。」
全裸のテツヤが答える。
輝きが増した筋肉をうっとり見詰める。
「行ってみますか?
ここの機器は凄いですよ。
濃厚なオイルを取り入れたばかりだ。
今がゴールデンタイムです。
さあ、行きましょう!」
テツヤがドアを押すと、長い廊下が見えた。
「うりゃ!おりゃ!」
山下の声が聞こえる。
20畳程の部屋にトレーニングマシンが並んでいた。
ダンベルを持つ山下がサイドレイズをしている。
40キロのウェイトがプラスチックの玩具の様に見えた。
ダンベルを上げる度に僧帽筋が膨らむ。
そして小さなビキニが大殿筋に食い込んだ。
「ここが…、自宅のジム…?」
ワタルは呆気に取られ、声が出ない。
至る所に鏡が設置され、天井にも山下の姿を映している。
思わず身震いしてしまう。
空調が寒いくらい利いていた。
(つづく)
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