131 / 190
Chapter6(一髪篇)
Chapter6-⑥【空耳ロック】前編
しおりを挟む
テツヤが覆い被さってきた。
「えっ、そのままの格好でか?
汚れるぞ。」
タンクトップを着たままのテツヤに聞く。
「そう、その方がワタルさんの五感に訴えるから。
全裸より、この方が欲情するだろ?」
テツヤが上半身を起こす。
オイルを吸った白いタンクトップが腹筋に張り付いていた。
テツヤの言う意味を理解し、ワタルは身を委ねる。
割れた腹筋が大胸筋を刺激し、熱り起つペニスを腹筋に感じる。
擦れ合う度に、オイルの芳香が鼻腔を擽った。
「どうですか?
気持ちいい?」
素直に頷く。
「だったらこれは?
もっと良くない?」
テツヤの舌が乳首を這う。
「おおっ!」
思わず声が出る。
「オリーブオイルだから口に入れても安全なので、こんな事も出来ます。」
テツヤの顔が腹に移動し、臍に溜まったオイルを吸い上げた。
そして口に含んだオイルを口移しする。
甘美な液体が喉を滑り落ちていく。
ワタルは夢中で、唇に吸い付いた。
「もっと欲しいみたいですね。
欲張りだな。
幾らでもあげるので、少し我慢して。」
テツヤはワタルの両足を持ち上げる。
丸出しのアナルに蛍光灯は眩し過ぎた。
自分の太股の向こうで、瓶の中のオイルが揺れる。
その先は安易に想像が付く。
体内に流れ込んだオイルをどうするのか迄は分からないが。
『グチュ、グチャ…。』
二人の肉体が擦れ合う度に卑猥な音色がバスルームに響く。
「あー、ずっとこうしていたい。」
テツヤの囁きにワタルも頷く。
だがワタルの腹はそれを望んでいなかった。
「腸内洗浄も済んだし、何か食べましょうか。
腹減ったでしょ?
コンビニへ買い物に行きましょう。」
シャワーを浴びたテツヤがバスタオルを放った。
ワタルもシャワーを浴びる。
オイルを吸い込んだ筋肉が水流を弾く。
鏡の前でポージングし、みずみずしい筋肉に満足した。
「さあ、これ穿いて。」
テツヤが小さなウェアを差し出す。
自身は更に小さなウェアを着ていた。
躊躇なく、尻が丸出しのパンツを穿く。
テツヤが一緒だと何でも出来そうな気がした。
このワクワクする感じは何度目だろうか?
日本に帰ってきてからの日々を思い返す。
様々な男達がワタルの願望を叶えてくれた。
自分がこんなに良く深い事を知らなかった。
昔、ゴーゴーをやっていたのも、単にコスパが良かったからだ。
省エネゴーゴーと陰口を叩かれても、一生懸命煽っても単価は変わらない。
そうであれば次第に手抜きが増えていく。
フライヤーに名前が載るのはメインだけ。
etc.ならトップも最下位も変わらない。
メインになる気のないワタルはその他のゴーゴーとして、楽な道を選んだ。
客に媚びる事なく、適当に腰を振る。
そこにエクスタシーはなく、勃起もしない。
レジ打ちと変わらない作業だ。
故に自分は淡白なのだと、思い込んでいた。
最初に自分の深層を覗き込んだのは誰だったか?
三浦と中嶋、どっちが先だったか思い出せない。
ただ今はテツヤだ。
一緒にいれば、また新たな世界が覗ける。
今、ゴーゴーをやれば、もう少し上手く出来そうな気がした。
(つづく)
「えっ、そのままの格好でか?
汚れるぞ。」
タンクトップを着たままのテツヤに聞く。
「そう、その方がワタルさんの五感に訴えるから。
全裸より、この方が欲情するだろ?」
テツヤが上半身を起こす。
オイルを吸った白いタンクトップが腹筋に張り付いていた。
テツヤの言う意味を理解し、ワタルは身を委ねる。
割れた腹筋が大胸筋を刺激し、熱り起つペニスを腹筋に感じる。
擦れ合う度に、オイルの芳香が鼻腔を擽った。
「どうですか?
気持ちいい?」
素直に頷く。
「だったらこれは?
もっと良くない?」
テツヤの舌が乳首を這う。
「おおっ!」
思わず声が出る。
「オリーブオイルだから口に入れても安全なので、こんな事も出来ます。」
テツヤの顔が腹に移動し、臍に溜まったオイルを吸い上げた。
そして口に含んだオイルを口移しする。
甘美な液体が喉を滑り落ちていく。
ワタルは夢中で、唇に吸い付いた。
「もっと欲しいみたいですね。
欲張りだな。
幾らでもあげるので、少し我慢して。」
テツヤはワタルの両足を持ち上げる。
丸出しのアナルに蛍光灯は眩し過ぎた。
自分の太股の向こうで、瓶の中のオイルが揺れる。
その先は安易に想像が付く。
体内に流れ込んだオイルをどうするのか迄は分からないが。
『グチュ、グチャ…。』
二人の肉体が擦れ合う度に卑猥な音色がバスルームに響く。
「あー、ずっとこうしていたい。」
テツヤの囁きにワタルも頷く。
だがワタルの腹はそれを望んでいなかった。
「腸内洗浄も済んだし、何か食べましょうか。
腹減ったでしょ?
コンビニへ買い物に行きましょう。」
シャワーを浴びたテツヤがバスタオルを放った。
ワタルもシャワーを浴びる。
オイルを吸い込んだ筋肉が水流を弾く。
鏡の前でポージングし、みずみずしい筋肉に満足した。
「さあ、これ穿いて。」
テツヤが小さなウェアを差し出す。
自身は更に小さなウェアを着ていた。
躊躇なく、尻が丸出しのパンツを穿く。
テツヤが一緒だと何でも出来そうな気がした。
このワクワクする感じは何度目だろうか?
日本に帰ってきてからの日々を思い返す。
様々な男達がワタルの願望を叶えてくれた。
自分がこんなに良く深い事を知らなかった。
昔、ゴーゴーをやっていたのも、単にコスパが良かったからだ。
省エネゴーゴーと陰口を叩かれても、一生懸命煽っても単価は変わらない。
そうであれば次第に手抜きが増えていく。
フライヤーに名前が載るのはメインだけ。
etc.ならトップも最下位も変わらない。
メインになる気のないワタルはその他のゴーゴーとして、楽な道を選んだ。
客に媚びる事なく、適当に腰を振る。
そこにエクスタシーはなく、勃起もしない。
レジ打ちと変わらない作業だ。
故に自分は淡白なのだと、思い込んでいた。
最初に自分の深層を覗き込んだのは誰だったか?
三浦と中嶋、どっちが先だったか思い出せない。
ただ今はテツヤだ。
一緒にいれば、また新たな世界が覗ける。
今、ゴーゴーをやれば、もう少し上手く出来そうな気がした。
(つづく)
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説







ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる