妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

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Chapter6(一髪篇)

Chapter6-⑥【空耳ロック】前編

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テツヤが覆い被さってきた。
「えっ、そのままの格好でか?
汚れるぞ。」
タンクトップを着たままのテツヤに聞く。
「そう、その方がワタルさんの五感に訴えるから。
全裸より、この方が欲情するだろ?」
テツヤが上半身を起こす。
オイルを吸った白いタンクトップが腹筋に張り付いていた。
テツヤの言う意味を理解し、ワタルは身を委ねる。
割れた腹筋が大胸筋を刺激し、熱り起つペニスを腹筋に感じる。
擦れ合う度に、オイルの芳香が鼻腔を擽った。
「どうですか?
気持ちいい?」
素直に頷く。
「だったらこれは?
もっと良くない?」
テツヤの舌が乳首を這う。
「おおっ!」
思わず声が出る。
「オリーブオイルだから口に入れても安全なので、こんな事も出来ます。」
テツヤの顔が腹に移動し、臍に溜まったオイルを吸い上げた。
そして口に含んだオイルを口移しする。
甘美な液体が喉を滑り落ちていく。
ワタルは夢中で、唇に吸い付いた。
「もっと欲しいみたいですね。
欲張りだな。
幾らでもあげるので、少し我慢して。」
テツヤはワタルの両足を持ち上げる。
丸出しのアナルに蛍光灯は眩し過ぎた。
自分の太股の向こうで、瓶の中のオイルが揺れる。
その先は安易に想像が付く。
体内に流れ込んだオイルをどうするのか迄は分からないが。
 
『グチュ、グチャ…。』
二人の肉体が擦れ合う度に卑猥な音色がバスルームに響く。
「あー、ずっとこうしていたい。」
テツヤの囁きにワタルも頷く。
だがワタルの腹はそれを望んでいなかった。
「腸内洗浄も済んだし、何か食べましょうか。
腹減ったでしょ?
コンビニへ買い物に行きましょう。」
シャワーを浴びたテツヤがバスタオルを放った。
ワタルもシャワーを浴びる。
オイルを吸い込んだ筋肉が水流を弾く。
鏡の前でポージングし、みずみずしい筋肉に満足した。
 
「さあ、これ穿いて。」
テツヤが小さなウェアを差し出す。
自身は更に小さなウェアを着ていた。
躊躇なく、尻が丸出しのパンツを穿く。
テツヤが一緒だと何でも出来そうな気がした。
このワクワクする感じは何度目だろうか?
日本に帰ってきてからの日々を思い返す。
様々な男達がワタルの願望を叶えてくれた。
自分がこんなに良く深い事を知らなかった。
昔、ゴーゴーをやっていたのも、単にコスパが良かったからだ。
省エネゴーゴーと陰口を叩かれても、一生懸命煽っても単価は変わらない。
そうであれば次第に手抜きが増えていく。
フライヤーに名前が載るのはメインだけ。
etc.ならトップも最下位も変わらない。
メインになる気のないワタルはその他のゴーゴーとして、楽な道を選んだ。
客に媚びる事なく、適当に腰を振る。
そこにエクスタシーはなく、勃起もしない。
レジ打ちと変わらない作業だ。
故に自分は淡白なのだと、思い込んでいた。
最初に自分の深層を覗き込んだのは誰だったか?
三浦と中嶋、どっちが先だったか思い出せない。
ただ今はテツヤだ。
一緒にいれば、また新たな世界が覗ける。
今、ゴーゴーをやれば、もう少し上手く出来そうな気がした。
 
 
(つづく)
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