妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

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Chapter6(一髪篇)

Chapter6-⑤【青い月が見てるから】前編

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小便が終わり、ドアをそっと開ける。
だが誰もいない。
急いで便所の外へ出ると、月光の下に男の姿が見えた。
「えっ?」
真っ白なタンクトップの下に尻の割れ目がはっきりと見える。
ワタルは慌てて後を追う。
男は明るい商店街を颯爽と歩いていく。
「お兄さん、安くしておくよ。
寄っていか…。」
呼び込みの店員も男の後ろ姿を呆然と見送る。
堂々とした振る舞いに股間が疼く。
早歩きで追うと、ラバーの中でペニスが擦れる。
ワタルは男の後ろ姿を見ながら、オーガズムに達した。
 
東屋のベンチに座り込む。
まさか歩きながら射精するとは我が事ながら信じ難い。
手を使わず、視覚だけで射精したのは初めてだ。
いや、この先もないだろう。
そして尻を丸出しで歩いていた男を本当に見たのか怪しくなる。
欲求不満の産物に思えてきたのだ。
ノックもきっと空耳だ。
「きっと幻だな。
そんな奴いる訳ないか。
そう、俺は夢精したんだ。」
声に出して言うと、立ち上がり伸びをした。
それが唯一納得出来るいい訳だ。
前方からジョガーがやって来た。
こんな時間に走っているのはゲイだろうと察する。
案の定、ジョガーの穿いてるランニングパンツは丈が短い。
白いタンクトップに見覚えがある。
すれ違う男はイヤホンをし、黙々と走っていた。
意外と真面目なジョガーだと感心し、後方へ顔を向ける。
街灯が汗で光る双丘を照らしていた。
 
「あの!」
咄嗟に声が出ていた。
ジョガーは立ち止まり、振り返る。
「何か?」
イヤホンを外し、ジョガーが寄ってきた。
「いや…、あの…、その…。」
何か言わないと思うが、言葉が出てこない。
「どうかしましたか?」
ジョガーが首を傾げた。
「あの…、余りにも素敵な格好だったので…。」
何とか言葉を絞り出す。
ジョガーはやっとワタルの真意を理解し、舐め回す様な視線を向けてきた。
「ならそこのベンチで話しましょうか?」
取り敢えずジョガーの一時審査は通過した様だ。
「すいません、走ってる途中に邪魔して。
そこの自販機で何か買ってきます。
コークでいいですか?」
頷くジョガーを見て、全力で走り出していた。
 
「で、聞きたい事は?」
コークを飲んだジョガーが聞いてきた。
「あっ、いや…、余りに格好良かったので…。
咄嗟に声を掛けてしまって。
えーっと、あの…、その…、捕まらないのですか?」
愚問だと分かっているが、黙っているよりはましだろう。
「捕まるって、警察にですか?」
「あっ、はい、そうです。」
「別に性器を露出してる訳じゃないですから。
警官に出くわしても、見て見ぬ振りですよ。
たまに職質はされますが、何も持ってないので直ぐに開放です。」
ジョガーがニヤリと笑う。
「とすると、こういう格好に興味があるって事ですね?
なら、今度一緒に走りませんか?
痛快ですよ。」
ジョガーが背を向け、前屈した。
双丘の谷間にアナルが覗く。
「是非、ご一緒させて下さい。」
ワタルは手を伸ばし、双丘を撫でていた。
 
 
(つづく)
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