妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

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Chapter5(懽楽編)

Chapter5-②【親愛なる者へ】前編

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タクは冷めた気分でシュウヘイを見返す。
「初めてちゃんと見てくれたな。」
微笑むシュウヘイを疎ましく思う。
だが席を立つ事が出来なかった。
「ねぇ、そんな格好で恥ずかしくないの?」
意地の悪い質問が口を吐く。
「ああ、これは俺の制服。
これを着ると、気持ちが昂るんだ。
まあ、周りからは露出狂のシュウヘイと呼ばれてるけどな。」
真似て言った事に思わず笑ってしまう。
 
「そう言えば、さっきフロアにいたラバースーツの奴を見たか?
スーツフェチの俺でも流石に驚いた。」
シュウヘイのフォークが再び動き出す。
「ああ、あれね。
ダチなんだ。」
タクも真似て言う。
「えっ、タクのダチ?」
フォークが止まる。
真ん丸の目が零れそうだ。
「ダチにあんな変態、元い変わった趣味の奴がいるのか?」
「それがさ、最近変わっちゃったんだよ。
僕の知ってるワタルはあんなんじゃなかったんだ。」
タクは蟠りをぶつけてみる気になった。
「話してみろ。
相談に乗ってやるぜ。」
シュウヘイが身を乗り出す。
少しだけシュウヘイに気を許しても良いと思えてきた。
 
「そうか、その高木と知り合ってから友達は変わったんだな。」
「そう、さっきも隣にいた男。」
話終わったタクが相槌を打つ。
「とするとマインドコントロールが一番怪しいな。」
「マインドコントロール?」
聞いた事はあるが、その詳細は良く分からない。
「ああ、スポーツ選手が試合前に緊張しない様に使う事がある。
だが悪用すると心理状態や行動迄も支配出来るんだ。」
シュウヘイが分かり易く説明する。
「あっ、高木って、元医者という噂が。」
一連の流れが結び付く。
「だったら早く解いてやらないと、大変な事になるぞ。」
シュウヘイが目を閉じ、考え出す。
タクはそれをじっと見詰める。
『初めて会ったの僕の悩みをこんなに真剣に考えてくれるなんて…。』
 
「よし、早速行動だ。
出るぞ!」
「えっ、いいよ!
悩みを聞いてくれただけで充分。
初対面で、流石に悪いよ。
行動は僕がする。」
慌てて制止する。
「気にするな。
俺はどうせ暇なんだ。」
シュウヘイが立ち上がった。
その股間に視線が奪われる。
「ねぇ、その前にもう一戦しない?」
タクは再戦を申し込んだ。
 
もうアナルに痛みは感じない。
代わりに安堵感に包まれた。
『こんな感覚は初めてだ。』
タクは頻りに腰を動かすシュウヘイに優しい視線を向ける。
『このままずっと射精しなければいいのに。』
ゲームではない交尾に没頭していた。
普段なら壁に手を付き、尻を突き出す体位を好んだ。
この体勢だと、尻の出し具合である程度挿入をコントロール出来た。
今は寝転び、自ら腿を持っている。
この体位は疲れ、挿入は全て相手任せになってしまう。
だが挿入している男の顔がはっきり見える。
眉根を寄せ、快楽に耽る顔を。
タクは初めて、再戦した本意を認める。
もう自分を欺くには、傾倒し過ぎていた。
 
 
(つづく)
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