妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

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Chapter4(下坂編)

Chapter4-⑫【SHAKE】後編

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四方八方から手が伸びてきた。
乳首を摘ままれ、ぺニスを掴まれた。
丸で希代のアイドルになった気分だ。
「俺が先だ!」
「後から来た癖に邪魔すんな!」
ワタルのアナルを狙う男が怒鳴り合う。
スーツに組み込まれたコンドームは一つしかない。
男達の小競り合いを無視して、更に込み合う場所へ進む。
DJブースの前だ。
そこを囲む様にゴーゴーが挑発している。
昔のワタルの様に散漫に踊る者はいない。
隣の者より大きく腕を上げ、腰を振る。
それに負けずと更に頭を振って、汗を飛び散らす。
全ゴーゴーが一番を目指している様だ。
ハーネスで締め上げた裸体に観衆達は熱狂していた。
それを真似て跳び跳ね、同じ様に頭を振りまわす。
男達の汗が乱れ飛んだ。
饐えた雄の匂いに皆が陶酔していた。
 
その光景が一変した。
二人のラバーマンの抱擁が観衆の視線を奪ったのだ。
異次元から現れた異形な姿に目を擦っている者もいる。
誰もが我が目を疑っていた。
ゴーゴー達も異変に気付く。
動きが止まり、一点を見詰める。
ゴーゴーの視線を浴び、ワタルは両手を突き上げる。
露になった脇から強烈な臭いが解放されていく。
直ぐにそれに引き寄せられた蛾達が群がる。
瞬く間に、人垣に囲まれた。
その中心で、突き出した尻に何時もより固さを増したぺニスが入り込む。
それが合図の様に、観衆が一斉に歓声を上げた。
 
「やり過ぎたな。」
ランクルの中で高木がマスクを脱ぐ。
汗でへばりついた髪が滑稽だ。
「暫く出禁だ。
まあ、顔見られてないから、次に行っても分からないだろうがな。」
ランクルは首都高へ入る。
湾岸の景色が夏の終わりを告げていた。
ワタルは物足りなさを覚え、瞳を閉じる。
ピークに達すると、後は下るだけだ。
『落下することなく、更なる高みへ行く為には何が必要か?』
もっと強い刺激が欲しいと、痛切に思う。
既に脱出肛したアナルは正常化していた。
緩やかな下り坂は次第に急な勾配になっていく。
乳首は常時肥大している。
それを手に入れたワタルは常人とかけ離れた存在になった。
それでも満足出来ない己に苛立ちを覚えた。
 
「寝たのか?」
ハンドルを握る高木が聞いてきた。
「いや…。」
「欲求不満みたいだな。
そういう貪欲な奴が好きだぜ。」
ハンドルを離した片手が肥大した乳首に伸びる。
だが快楽は訪れない。
「何だ、もうこの程度では満足出来ないか。
だったら…、取って置きのプレイをしてやろうか?」
車窓の眺めから海が消えていた。
大抵のプレイは中島と経験している。
当時なら兎も角、今の自分を満たすプレイ等存在しないだろう。
終われば、必ず下る筈だ。
「お前にはまだ言ってなかったな。
俺が医者って事を。
まあ、元が付くがな。」
徐にバックミラーに視線を移す。
「特別なお前に正真正銘の肉体改造をしてやる。
本物の化け物になれ。」
高慢な笑みがワタルを捉えた。
背筋がゾクゾクする。
暗い首都高の先に欲していた物の輪郭が見えてきた。
 
 
(完)
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