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Chapter4(下坂編)
Chapter4-③【Glory Days】前編
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「おおっ、凄くエロくなったな。
布マスクじゃ、起ちきらん。」
マスクマンが顔を押し付けてきた。
舌を伸ばすが、塞がれたマスクが邪魔をする。
逆流する唾液がマスク内に広がっていく。
ワタルは構わず己の唾液を貪る。
『チュー、チュー、クヂュ…。』
卑猥な音が狭い部屋に響いた。
「いい音出すな。
えれぇ変態と出会えて今日はラッキーだ。」
マスクマンが口を押し付けながら、乳首を捻る。
「おぉぉぉう。」
卑猥な音に悶え声が加わった。
唾液が鼻孔を塞ぎ、唯一の呼吸源が狭まる。
益々欲情が加速した。
アナルを突かれ、快楽が身体を突き動かす。
頭を激しく振る度に酸欠が増していく。
だが止められない。
羽交い締めされ、大胸筋で背中をロックされた。
自由な頭だけが勝手に動いた。
薄くなる空気に欲情する。
いや、薄まる空気が欲情を掻き立てるのだ。
頭を揺らすと、少しずつマスクがずれる。
これにより鼻孔からずれ、更なる興奮が押し寄せてきた。
マラに触れる事なく射精出来そうだ。
何よりのご馳走だ。
物理的な刺激で射精するのではなく、精神がイク。
これはウケにとって、一番気持ちがいい。
「じゃあ、返してもらうぜ。」
マスクマンは最後の一滴を絞り出すと、ワタルのマスクを外した。
「えっ、もう?」
マスクを外す音がその声を飲み込む。
立ち上がる事も出来ず、ひたすら空気を吸い込む。
一人個室に残されたが、荒い呼吸以外に音はない。
呼吸が穏やかになると、入れ代わりに腹が鳴る。
便意が急降下してきた。
覚束ない足取りで便所へ向かう。
ロッカーの前で男が膝を曲げブーツの紐を結んでいた。
それを避けるが、足がキャップのツバに当たる。
落ちたキャップを慌てて拾う。
男がサングラス越しに睨んだ。
「えっ、高木…さん?」
ワタルは不味い物を見たと立ち尽くす。
「ちっ、見られちまったな。」
徐に立ち上がる高木が舌打ちした。
「すいません、漏れそうなんで…。」
ワタルは便所に逃げ込んだ。
便器に座り、気配を伺う。
物音はしない。
誰もいない様だ。
『マスクマンの正体が高木?
しかもゲイ。』
あれ程オカマを毛嫌いしていた高木が仲間とは信じ難い。
早くタクに報告しないと。
ワタルは身震いすると、水洗を流した。
タクの姿は何処にもない。
そろそろ出ないと開店に遅れる。
仕方なく発展場を出た。
店を出た所で足が止まる。
反対側でキャップを目深に被ったサングラスの男が煙草を吸っていた。
ワタルを待っている事に間違いはなさそうだ。
「ども…。」
近寄り声を掛ける。
忌々し気にブーツで煙草を揉み消すと、ワタルを見た。
「ちっ、こんな所で会員に会うとはついてないぜ。」
高木が舌打ちした。
「誰にも言わないので安心して下さい。」
『タク以外は』を省略して言う。
「ああ、頼む。」
高木の口角が緩んだ。
ワタルは時間が気になり、駅へ向かって歩き出す。
黙ったまま高木が肩を並べた。
(つづく)
布マスクじゃ、起ちきらん。」
マスクマンが顔を押し付けてきた。
舌を伸ばすが、塞がれたマスクが邪魔をする。
逆流する唾液がマスク内に広がっていく。
ワタルは構わず己の唾液を貪る。
『チュー、チュー、クヂュ…。』
卑猥な音が狭い部屋に響いた。
「いい音出すな。
えれぇ変態と出会えて今日はラッキーだ。」
マスクマンが口を押し付けながら、乳首を捻る。
「おぉぉぉう。」
卑猥な音に悶え声が加わった。
唾液が鼻孔を塞ぎ、唯一の呼吸源が狭まる。
益々欲情が加速した。
アナルを突かれ、快楽が身体を突き動かす。
頭を激しく振る度に酸欠が増していく。
だが止められない。
羽交い締めされ、大胸筋で背中をロックされた。
自由な頭だけが勝手に動いた。
薄くなる空気に欲情する。
いや、薄まる空気が欲情を掻き立てるのだ。
頭を揺らすと、少しずつマスクがずれる。
これにより鼻孔からずれ、更なる興奮が押し寄せてきた。
マラに触れる事なく射精出来そうだ。
何よりのご馳走だ。
物理的な刺激で射精するのではなく、精神がイク。
これはウケにとって、一番気持ちがいい。
「じゃあ、返してもらうぜ。」
マスクマンは最後の一滴を絞り出すと、ワタルのマスクを外した。
「えっ、もう?」
マスクを外す音がその声を飲み込む。
立ち上がる事も出来ず、ひたすら空気を吸い込む。
一人個室に残されたが、荒い呼吸以外に音はない。
呼吸が穏やかになると、入れ代わりに腹が鳴る。
便意が急降下してきた。
覚束ない足取りで便所へ向かう。
ロッカーの前で男が膝を曲げブーツの紐を結んでいた。
それを避けるが、足がキャップのツバに当たる。
落ちたキャップを慌てて拾う。
男がサングラス越しに睨んだ。
「えっ、高木…さん?」
ワタルは不味い物を見たと立ち尽くす。
「ちっ、見られちまったな。」
徐に立ち上がる高木が舌打ちした。
「すいません、漏れそうなんで…。」
ワタルは便所に逃げ込んだ。
便器に座り、気配を伺う。
物音はしない。
誰もいない様だ。
『マスクマンの正体が高木?
しかもゲイ。』
あれ程オカマを毛嫌いしていた高木が仲間とは信じ難い。
早くタクに報告しないと。
ワタルは身震いすると、水洗を流した。
タクの姿は何処にもない。
そろそろ出ないと開店に遅れる。
仕方なく発展場を出た。
店を出た所で足が止まる。
反対側でキャップを目深に被ったサングラスの男が煙草を吸っていた。
ワタルを待っている事に間違いはなさそうだ。
「ども…。」
近寄り声を掛ける。
忌々し気にブーツで煙草を揉み消すと、ワタルを見た。
「ちっ、こんな所で会員に会うとはついてないぜ。」
高木が舌打ちした。
「誰にも言わないので安心して下さい。」
『タク以外は』を省略して言う。
「ああ、頼む。」
高木の口角が緩んだ。
ワタルは時間が気になり、駅へ向かって歩き出す。
黙ったまま高木が肩を並べた。
(つづく)
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