妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

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Chapter2(フラ編)

Chapter2-⑩【瞬き】後編

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「下半身がびしょ濡れだ。
僕の背中もね。
それじゃレストランに入れそうもないな。」
「ゴメン…。」
「別に謝る必要ないさ。
ピザでも買って、公園で食べよう。
夕陽を見ながらさ。
折角貰ったレイを外すのも勿体ないし。」
ユーリの機嫌が直った事に安心し、大きく頷く。
 
ワタルの背後で海が暗くなっていく。
水平線の残光は最後の一足掻きをしていた。
ピザに食らい付く口を見ながら、足りない物を模索する。
女性とゲイは全く別物だった。
先ずはここから考え直す必要がある。
ワタルが射精しそうになった瞬間を思い返す。
最初は浣腸を解放した時。
二度目は薬を盛られウナギで連結した時。
そして三度目は今、雑踏の中でだ。
ワタルは自意識が高く、他人の目を気にした。
逆に言えばその視線が欲情を増幅させるのだろう。
その為には先ず自制心を取り除く必要がある。
それには薬が効果的だと分かった。
 
ワタルを誰にも触られたくない。
ユーリはどうしてもアナルセックスが出来ない。
どんなに興奮していても、入れた瞬間萎えてしまう。
ウルトラマンと同じく、三分持たないのだ。
奥手を使い、妻を何とか満足させたが、ワタルは違う。
射精禁止にすれば、少しの刺激で射精すると思ったがそう簡単ではなかった。
その内、誰彼構わずペニスを欲する筈だ。
『そんなの絶対に嫌だ!』
アナルを拡張し、並のマラでは感じない身体にする事を優先した。
だがパットの登場は想定外だ。
ワタルの物欲しそうな顔を思い出すと、虫酸が走る。
『薬、視線、後もう一つ…、何だ?』
もう浜は暗闇に包まれていた。
「食べないのか?」
物欲しそうな視線が残ったピザを見詰める。
「食べていいよ。
夕方、ハンバーガー食べたから、そんなに腹減ってないんだ。」
海風に混じって饐えた体臭と芳香が運ばれてきた。
『ランマに相談してみるか。』
 
「トイレ行ってくる。」
ユーリは立ち上がると、公衆便所へ向かう。
ラインアプリにランマを表示させると、通話ボタンを押す。
暫くして相手が出た。
「どうかしましたか?」
「いや、大した事じゃないんだ。
一つ聞きたい事がある。」
ユーリは自分の考えを伝える。
「後一つ、何が足りないんだろ?」
「そうですね…。
Mには二通りいる事をご存知ですか?」
逆に質問され戸惑う。
「分からないな。」
「肉体的な責めに興奮する者と精神的な責めに欲情する者です。
それによって、答が変わります。」
「とすると、ワタルはどっち?」
回りくどい言い方に先を急ぐ。
「ワタルは間違いなく後者です。
肉体的な痛みは徐々に受け入れるでしょうが、先に精神的な責めを与える事です。」
「例えば?」
「自分がMだという自覚を植え付けるのです。
きっと自分がMになったという自覚に興奮を覚えるでしょう。
先ずは格好からです。」
「えっ、でも…。」
無理強いさせるのはユーリの美学に反する。
あくまでも本人から言わせたい。
 
 
(つづく)
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