妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

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Chapter2(フラ編)

Chapter2-③【ストロー】後編

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「なら出掛ける準備しようか。」
「えっ?俺、風呂まだだけど。」
ワタルは寝たままのユーリを見詰める。
「えー、必要ないよ。
僕はワタルのありのままの匂いが好きなんだ。
僕の楽しみを取らないでよ。」
ユーリはベッドから飛び降りると、服を着始めた。
布団は人型で凹んだままだ。
「着替え、ここに置いておくから。
食事の後、買い物行くから、お洒落していこう。」
溜息が零れた。
『こんな自分を相手にしてくれるのはユーリくらいだ…。』
凹んだ布団を叩き、溜息を弾き飛ばす。
「腹減っちゃった。
これなら幾らでも食べれそう!」
大きく息を吸い込み、声を張り上げた。
 
「ステーキのどうだった?
美味しくなかった?
空腹って割に、残してたけど。」
その質問を上の空に聞き流す。
自分の体臭が気になり、食事どころではなかった。
「さあ、次は買い物だ。
前に行った時は妻に使えそうなソフトな物しか買えなかったんだ。
今回はワタル向けだからベビーな奴を買えるよ。
もうワクワクしちゃうよ。」
ユーリの足取りは軽い。
ワタルは店が混んでない事を祈るばかりだ。
 
店は女性向けのボンテージショップだった。
だが奥の一角に男性商品も並んでいる。
「拘束系なら男女関係ないし、メンズ物も一応揃ってるし。
欲しい物ある?」
ユーリは瞳を輝かせて、SMグッズを吟味している。
ワタルは手持ちぶたさに店内を歩く。
コーナーに佇む一体のマネキンの前で足を止める。
レザー製のマスクを被ったマネキンはハーネスで武装していた。
「それ、良いでしょ?
僕もそれが気になってたんだ。」
突然声がしてドキッとする。
「それ一式買うよ。
丁度、都合いいのが付いてるし、そのマスク。」
ワタルはその意味が分からなかったが、顔を縦に動かしていた。
 
「さあ、着てみて。
早く、早く!」
部屋へ戻ると、ユーリはベッドの上に買ってきた物を広げる。
シャワーを浴びる事は諦めるしかなさそうだ。
言われるままにハーネスに腕を通す。
「付属のコックリングが外人サイズで良かった。
これなら貞操具を外さなくても大丈夫だ。」
ユーリはリングの中へ貞操具を通すと、ハーネスを背中に回す。
それをピンと張り、金具で固定した。
ハーネスが大胸筋を締め付け、股間に食い込んだ。
「凄く格好いいよ。
鏡の前に立ってみて。」
手を引かれ、姿見の前に立つ。
ハーネスにより、いつもより大胸筋がパンプアップしている。
ワタルは胸を張り、交互に動かしてみた。
 
「そそるな。
次はマスクだ。
被せてあげるから跪いて。」
ワタルは片膝を床に着ける。
レザー特有の匂いが心地好い。
首に回るベルトがきつくて、喉仏を圧迫した。
「少し緩めてくれないか?」
鏡に映るユーリに言う。
「これ位じゃないと、恍惚感を味わえないよ。」
ユーリは微笑むと、喉元の金具を南京錠で締める。
「今晩はこのマスクを被ったまま、一緒に寝よう。
ワタルの体臭とレザーの匂いに包まれて寝たいんだ。」
マスクの上からユーリがキスをした。
 
 
(つづく)
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