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Chapter1(光明編)
Chapter1-③【お風呂あがりの】後編
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「随分立派な野郎になったな。
最初は分からなかった。
俺が知ってるワタルは坊っちゃん坊っちゃんしてたからな。」
男が唐突に言う。
『知り合い?』
噎せ返るワタルは涙目で男を見る。
こんな巨漢のゴーゴーはいない。
そうとするとナツキの知り合いか?
15年前の記憶が蘇生する。
「あっ、ランマさんか!
ランマさんだ!」
記憶の中のラバースーツ姿のランマと目の前の男が重なった。
一回り、いや二回り、横幅が増えている。
筋肉の塊だった肉体は大分脂が乗っていた。
だが鋭い目付きの割りに小さい口は昔と変わらない。
「だったら早く言ってくれればいいのに。」
ワタルはランマに飛び付く。
「おいっ、中国人が見てるぞ。」
そう言いながらも、がっちり抱き締めてくれた。
密着した筋肉の狭間で、勃起したマラが藻掻く。
窮屈さに先走りが溢れ出た。
「中嶋さんは元気?
まだあのマンションに住んでるの?」
ワタルは固くなったマラを押し付ける。
「まあ、おいおい話す。
それより少し離れろ。
奴等が目ん玉ひん剥いているぞ。」
ランマが押し戻す。
ニヤニヤ見詰める中国人達の視線に気付き、ランマから離れる。
「中嶋さんは死んだよ。
通り魔に刺されて、呆気なくな。」
「えっ…。」
言葉が続かない。
「この間、八回忌を済ませた。
早いもんだ。」
「はっ、犯人は捕まったんですか?」
一人の顔が思い付く。
「いや、目撃者がいなくてな。
当時は防犯カメラも少なくて、お蔵入りだ。
店はそこで閉めた。
再開発で立ち退きを迫られていたから、潮時だったんだ。
それ以降、ナツキさんの行方は知らない。」
「じゃあ…。」
怖くて、その先が聞けなかった。
ナツキはきっと生きている筈だ。
スーパーマンは不死身なのだから。
「暗い話はこれ位にしておこう。
折角の再会だ。
さあ、乾杯。」
ランマが特大のジョッキを掲げる。
ワタルもそれに自分のを重ねた。
冷たいジョッキがやけに重く感じた。
全く酔いが回ってこない。
「おらっ、焼けてるぞ。
どんどん食え。」
ランマが焼肉を小皿に取ってくれた。
だが箸が進まない。
「アフリカに15年か。
随分長いな。
その間、性欲はどうしてたんだ?
現地人と、しこたまやってたのか?」
真っ赤な顔をしたランマが口一杯に肉を頬張りながら聞く。
「いえ、全くです。
セルフばかりで。」
答えも素っ気なくなってしまう。
「だったら溜まりまっくてんだろ?
まあ、さっきの銭湯での勃起を見りゃ、見当付くがな。」
テーブルの下からランマの足が伸びた。
ゴツいブーツの底が股間を踏みつける。
「ああっ…。」
「淫乱なお前が15年お預けとはな。
おらっ、淫らな姿を見せてみろ。」
更に押し付ける力が増していく。
頭とは別に下半身が反応してしまう。
快楽はあっと言う間に全身へ浸透していった。
セルフでは味わえない苦痛が懐かしい。
「おらっ、口を開けてみろ。
そうだ、もっと大きく、舌を出せ。」
ランマの柔和な視線が別人の物となった。
(つづく)
最初は分からなかった。
俺が知ってるワタルは坊っちゃん坊っちゃんしてたからな。」
男が唐突に言う。
『知り合い?』
噎せ返るワタルは涙目で男を見る。
こんな巨漢のゴーゴーはいない。
そうとするとナツキの知り合いか?
15年前の記憶が蘇生する。
「あっ、ランマさんか!
ランマさんだ!」
記憶の中のラバースーツ姿のランマと目の前の男が重なった。
一回り、いや二回り、横幅が増えている。
筋肉の塊だった肉体は大分脂が乗っていた。
だが鋭い目付きの割りに小さい口は昔と変わらない。
「だったら早く言ってくれればいいのに。」
ワタルはランマに飛び付く。
「おいっ、中国人が見てるぞ。」
そう言いながらも、がっちり抱き締めてくれた。
密着した筋肉の狭間で、勃起したマラが藻掻く。
窮屈さに先走りが溢れ出た。
「中嶋さんは元気?
まだあのマンションに住んでるの?」
ワタルは固くなったマラを押し付ける。
「まあ、おいおい話す。
それより少し離れろ。
奴等が目ん玉ひん剥いているぞ。」
ランマが押し戻す。
ニヤニヤ見詰める中国人達の視線に気付き、ランマから離れる。
「中嶋さんは死んだよ。
通り魔に刺されて、呆気なくな。」
「えっ…。」
言葉が続かない。
「この間、八回忌を済ませた。
早いもんだ。」
「はっ、犯人は捕まったんですか?」
一人の顔が思い付く。
「いや、目撃者がいなくてな。
当時は防犯カメラも少なくて、お蔵入りだ。
店はそこで閉めた。
再開発で立ち退きを迫られていたから、潮時だったんだ。
それ以降、ナツキさんの行方は知らない。」
「じゃあ…。」
怖くて、その先が聞けなかった。
ナツキはきっと生きている筈だ。
スーパーマンは不死身なのだから。
「暗い話はこれ位にしておこう。
折角の再会だ。
さあ、乾杯。」
ランマが特大のジョッキを掲げる。
ワタルもそれに自分のを重ねた。
冷たいジョッキがやけに重く感じた。
全く酔いが回ってこない。
「おらっ、焼けてるぞ。
どんどん食え。」
ランマが焼肉を小皿に取ってくれた。
だが箸が進まない。
「アフリカに15年か。
随分長いな。
その間、性欲はどうしてたんだ?
現地人と、しこたまやってたのか?」
真っ赤な顔をしたランマが口一杯に肉を頬張りながら聞く。
「いえ、全くです。
セルフばかりで。」
答えも素っ気なくなってしまう。
「だったら溜まりまっくてんだろ?
まあ、さっきの銭湯での勃起を見りゃ、見当付くがな。」
テーブルの下からランマの足が伸びた。
ゴツいブーツの底が股間を踏みつける。
「ああっ…。」
「淫乱なお前が15年お預けとはな。
おらっ、淫らな姿を見せてみろ。」
更に押し付ける力が増していく。
頭とは別に下半身が反応してしまう。
快楽はあっと言う間に全身へ浸透していった。
セルフでは味わえない苦痛が懐かしい。
「おらっ、口を開けてみろ。
そうだ、もっと大きく、舌を出せ。」
ランマの柔和な視線が別人の物となった。
(つづく)
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