妄想日記1<<ORIGIN>>

YAMATO

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番外編2(Physical Attraction)

番外編-⑬【Die Another Day】

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首に手が掛かった。
ゆっくりと力が強まっていく。
締め上げられながら亀頭に舌を這わし、吸い上げる。
微かに見えるデジタル時計がぼやけ出す。
恍惚とした意識の中で、喉元が緩まった。
空気を思い切り吸い込む。
同時に口内の猛者が更なる奥へ侵入してきた。
締め上げる力は強弱を繰り返す。
苦しい時に受ける痛みは快楽へ変換する事を知った。
鼻が割れた腹筋に当たる。
これ以上の侵入は無理だ。
それは完全に気道が塞がれた事を意味する。
必死に鼻から空気を吸い込むが追い付かない。
薄れゆく意識の中で射精した。
こんな素晴らしい享楽を教えてくれたユーキに感謝する。
一つだけ気になる事が頭を掠めた。
『ユーキって、こんなに腹筋が割れてたっけ?』
 
「うわぁぁぁ!」
自分の悲鳴で目が覚めた。
アナルが張り裂けそうだ。
見開く先で覆面が揺れていた。
猛烈な痛みに腰を引く。
だが膨らんだ二頭筋がそれを許さない。
そして拳が腹に食い込む。
違う痛みがアナルを緩和してくれた。
間接照明の中で揺れる大胸筋はユーキの物ではない。
鉄柱を食らったアナルが訴える。
離せと言う筈が、違う言葉が口を衝く。
「もっと強く殴って…、もっと強く締めて…。」
口が勝手に変換した。
自ら喉仏を突き出す。
身体と口が頭と真逆に動く。
今までは気持ちと肉体は同じ方向を向いていた。
いや、向けていたのだ。
 
『マッチョでもバックもフェラも出来ないんじゃ、物足りない。』
別れの言葉が頭から離れない。
出来ないのではなく、怖かったのだ。
快楽を得ると、苦痛を欲した。
より気持ち良くなる為にはより強い痛みを必要としたのだ。
誰にも相談出来ず、快楽を封印した。
そんな時、ユーキと知り合う。
初めて悩みを打ち明けてみた。
ユーキはそれを笑い飛ばす。
「身体が欲しがるなら、してあげれば良いんだ。
その日だけ、気持ちに蓋をしておいてさ。」
この助言が一人旅を決心させた。
タカムネを見返したい一心で。
『今ならタカムネは俺を好きになってくれるかな?』
唐突に浮かんだ考えに驚く。
思考がままならない所為だと思い、更に首を伸ばす。
親指が喉仏に当たる。
朦朧になれば、馬鹿馬鹿しい思い付きは消え去る筈だ。
 
「なあ、そろそろ掘らせてくれないか?」
初めてホテルに泊まった時、肩に手を回したタカムネが囁いた。
「汚れたら悪いし。
俺はいいよ。」
回した手をすり抜け、バスルームへ向かう。
「じゃ、次の機会に頂くぞ。」
白い歯が溢れた。
 
「なあ、フェラくらいしてくれないか?」
誰もいない露天風呂で、タカムネの指が乳首を摘まむ。
「嫌だよ、汚いし。」
自らのマラを扱き、快楽を味わう。
「俺は出来るぞ。
お前が好きだからな。」
手をはね除け、亀頭を飲み込んだ。
「くすぐったいよ。」
腰を引き、立ち上がる。
「なら、次は頼むぞ。
おっ、人が来た。
危なかったな。」
微笑んだタカムネは洗い場へ向かった。
 
そう、タカムネはいつも笑顔で待ってくれた。
次も同じだと知りながら。
息苦しさが増す中で、燃え滾るアナルが自ら動いた。
己から鉄柱を食らおうとしている。
「おおっ、いいぞ。」
籠った声を初めて聞く。
緩まっていた首の圧迫が強まった。
 
 
(つづく)
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