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番外編1(Wish you were here)
番外編-⑩【さよならハリケーン】
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家に着くと、ドアの前に段ボール箱が置いてあった。
その前を通り過ぎ、イオリの部屋の呼び鈴を押す。
何度押しても、返事はない。
まだ帰ってないのか。
諦めて部屋の前に戻り、段ボール箱を繁々と眺める。
通販で買い物をした覚えはない。
側面に封筒が貼付けてある事に気付く。
玄関に段ボールを入れ、ベッドの上で中の便箋に目を通す。
イオリからだった。
『ヤマトさんへ
今日はどうもありがとう。
イオリはこれから英語留学のために、成田へ向かいます。
最後にヤマトさんと話せて良かった。
引っ越しの時に話してから、ずっと好きでした。
そして今回ヤマトさんがゲイだと分かって、いてもたってもいられなくなりました。
ヤマトさんには不愉快な思いをさせてごめんなさい。
今日話してみて、何でもっと早く行動を起こさなかったのか、悔やまれます。
年末に一度戻ります。
その時に会ってもらえると嬉しいです。
それまで本場でSの修行をしてきます。
携帯は解約しました。
現地のアドレスが決まったら、すぐに連絡します。
海外に持って行けない物をヤマトさんに預けておきます。
最後にお願いがあります。
中にマッチョなヤマトさんを一番魅力的にするウエアを入れておきました。
鍛えた筋肉が強調され、より変態性が増します。
加えて全身で窮屈感を味わえると思います。
本当は今日直に見たかったですが、言い出せませんでした。
変わった趣味なのは充分承知しています。
嫌なら、捨ててください。
万が一、着てもらえるなら、写真に撮っておいてください。
格好いいけど、ド変態なヤマトさんが大好きです。
宜しくお願いします。イオリ』
手紙を読み終えると、涙が溢れてきた。
イオリは台風に似ている。
一瞬にして暴風圏に引きずり込み、一気に通過して行った。
起き上がり、段ボールの中を覗く。
様々なSMグッズが入っている。
サイズ違いのディルド、巨大なウナギ、手枷足枷、首輪、猿轡などが入っていた。
奥にグレーの生地が目に入る。
広げてみると、女性用の競泳水着だった。
入れ間違った?
確かに『変わった趣味』だ。
ボディスーツだと思えば、着る事に抵抗はない。
小さいが伸縮性があるので、何とか肩を通す事が出来た。
徐々に締め付け感が増していく。
窮屈になった大胸筋が藻掻く。
スポーティなブランドのロゴが卑猥に映る。
マラが固くなるに時間は必要なかった。
真新しいにも拘らず、アナル部には切れ込みが入っている。
直ぐにイオリの意図を察する事が出来た。
一番大きなハリガタを手に取る。
30センチ物差しにやや足りない、丁度イオリのサイズだ。
これがイオリの中に入っていたと思うと、無性に愛おしい。
口に含み、愛撫してみる。
イオリがそこにいる様に思えた。
「イオリ、入れたいか?」
声に出して聞いてみる。
撓るディルドが頭を垂れた。
「やっぱりやりたいのか!
じゃあ、風呂でやろう。」
ケツ汁が溢れ、アナルを閉じる。
ディルドに語り掛けながら、風呂場に向かう。
ムッとした浴室の窓を開ける。
開けっ放しの窓からひこうき雲が見えた。
雲が消える前にイオリと一つになりたい。
邪魔する様にスマホが鳴る。
「やっぱユーキか!うん、大丈夫。
エロ格好いい水着をゲットしたんだ。
明日、楽しみにしてて。」
「はっくしょん!」
派手なくしゃみが聞こえ、耳から離す。
再度見上げたオレンジの空に雲の欠片はもうなかった。
(完)
その前を通り過ぎ、イオリの部屋の呼び鈴を押す。
何度押しても、返事はない。
まだ帰ってないのか。
諦めて部屋の前に戻り、段ボール箱を繁々と眺める。
通販で買い物をした覚えはない。
側面に封筒が貼付けてある事に気付く。
玄関に段ボールを入れ、ベッドの上で中の便箋に目を通す。
イオリからだった。
『ヤマトさんへ
今日はどうもありがとう。
イオリはこれから英語留学のために、成田へ向かいます。
最後にヤマトさんと話せて良かった。
引っ越しの時に話してから、ずっと好きでした。
そして今回ヤマトさんがゲイだと分かって、いてもたってもいられなくなりました。
ヤマトさんには不愉快な思いをさせてごめんなさい。
今日話してみて、何でもっと早く行動を起こさなかったのか、悔やまれます。
年末に一度戻ります。
その時に会ってもらえると嬉しいです。
それまで本場でSの修行をしてきます。
携帯は解約しました。
現地のアドレスが決まったら、すぐに連絡します。
海外に持って行けない物をヤマトさんに預けておきます。
最後にお願いがあります。
中にマッチョなヤマトさんを一番魅力的にするウエアを入れておきました。
鍛えた筋肉が強調され、より変態性が増します。
加えて全身で窮屈感を味わえると思います。
本当は今日直に見たかったですが、言い出せませんでした。
変わった趣味なのは充分承知しています。
嫌なら、捨ててください。
万が一、着てもらえるなら、写真に撮っておいてください。
格好いいけど、ド変態なヤマトさんが大好きです。
宜しくお願いします。イオリ』
手紙を読み終えると、涙が溢れてきた。
イオリは台風に似ている。
一瞬にして暴風圏に引きずり込み、一気に通過して行った。
起き上がり、段ボールの中を覗く。
様々なSMグッズが入っている。
サイズ違いのディルド、巨大なウナギ、手枷足枷、首輪、猿轡などが入っていた。
奥にグレーの生地が目に入る。
広げてみると、女性用の競泳水着だった。
入れ間違った?
確かに『変わった趣味』だ。
ボディスーツだと思えば、着る事に抵抗はない。
小さいが伸縮性があるので、何とか肩を通す事が出来た。
徐々に締め付け感が増していく。
窮屈になった大胸筋が藻掻く。
スポーティなブランドのロゴが卑猥に映る。
マラが固くなるに時間は必要なかった。
真新しいにも拘らず、アナル部には切れ込みが入っている。
直ぐにイオリの意図を察する事が出来た。
一番大きなハリガタを手に取る。
30センチ物差しにやや足りない、丁度イオリのサイズだ。
これがイオリの中に入っていたと思うと、無性に愛おしい。
口に含み、愛撫してみる。
イオリがそこにいる様に思えた。
「イオリ、入れたいか?」
声に出して聞いてみる。
撓るディルドが頭を垂れた。
「やっぱりやりたいのか!
じゃあ、風呂でやろう。」
ケツ汁が溢れ、アナルを閉じる。
ディルドに語り掛けながら、風呂場に向かう。
ムッとした浴室の窓を開ける。
開けっ放しの窓からひこうき雲が見えた。
雲が消える前にイオリと一つになりたい。
邪魔する様にスマホが鳴る。
「やっぱユーキか!うん、大丈夫。
エロ格好いい水着をゲットしたんだ。
明日、楽しみにしてて。」
「はっくしょん!」
派手なくしゃみが聞こえ、耳から離す。
再度見上げたオレンジの空に雲の欠片はもうなかった。
(完)
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