332 / 354
番外編1(Wish you were here)
番外編-⑤【悲しいほどお天気】
しおりを挟む
翌日の昼休みにメールを受信した。
宅配員からだ。
『昨日はお前の変態振りに興奮したよ。
俺もお前を調教したくなった。
今度の土曜日を空けとけ。
朝連絡する。
まあ、断ることはないと思うがな。』
意味ありげな文章だ。
『断ることはない』と何故断言出来るのか?
訝しく思っていると、ファイルが添付されている事に気付く。
「あっ!」表示した画像を見て、思わず声が漏れる。
それは昨日、商店街を歩いている俺自身だった。
白いロングスパッツに勃起したマラがくっきりと浮かんでいる。
顔も明白に映っていた。
次の画像は上半身裸で乳首クリックのチェーンを揺すっている姿だ。
最後はハリガタを咥えながら掘られているところだった。
スマホを持つ手が震える。
宅配員の目的はこの画像を撮ることだったのか?
そうであれば、紙袋を持ち去ったのは宅配員か?
次々に疑問が浮かび上がり、混乱した。
ただ一つ明確な事がある。
これが脅迫だという事だ。
もし行くのを断れば、この画像がネットに流出されるのだろう。
土曜日まで落ち着かぬ日々を過ごす羽目となった。
雲一つない快晴だった。
本来なら気持ちが浮き立つ好天気だが、今日ばかりはどんより沈んでいる。
ここ数日は殆ど眠れない。
全てあの画像が原因だ。
万が一、ネットに流れたら、全てを失う事になるだろう。
朝8時にメールを受信した。
『快晴だ。プールに行こうぜ。
9時に駅前便所にこい。
お前に穿いてもらう競パンを個室に用意しておく。』
呑気な内容に心底憤った。
何とか一泡吹かせたい。
タオルをバッグに詰め込み、即効家を出た。
8時20分に駅に着く。
指定の一つ手前の個室に入り、息を潜める。
人の気配がしたら、一気に出ていくつもりだ。
しかし一向に物音はしない。
そのまま9時を迎えた。
不審に思い、表に出る。
隣の個室を覗くと、既に紙袋は置いてあった。
時間より早く来ることはお見通しらしい。
悔しさに、舌打ちをする。
それにしても土曜日の朝の駅前のトイレに、誰も入ってこないのはおかしい。
その理由は直ぐに分かった。
『ただ今、清掃中。
駅内のトイレをご使用下さい。』
入り口の貼紙が目に入る。
完敗だ。
素直に負けを認めるしかない。
溜め息混じりに中を見て、唖然とする。
見覚えのあるTシャツと短パンが入っていた。
洗濯され、綺麗に畳まれている。
中の封筒を取り出すと、ポケットに突っ込んであった小銭まで入っていた。
何故かビキニだけがない。
益々混乱した。
何が目的か、さっぱり分からない。
入っていた競パンは小さいが、白いスタンダードなデザインだ。
Tバックでも入っているかと心配していたが、杞憂に終わった。
チケットを渡し、ロッカー室へ向かう。
裏地が切ってあるが、至って普通の競パンだ。
しかしシャワーを浴びて、この競パンの意味を知る。
生地は防水加工がされておらず、濡れると透けてしまう。
お陰で竿も玉も透けて、丸見え状態だ。
奴が普通の競パンを用意する訳がなかった。
こんな姿を一般の人に見られたくない。
ゲイの好奇心たっぷりな視線の方がマシだ。
仲間が集まるスタンドを見上げる。
この中に宅配員はいるだろうか?
プールから上がった青年とぶつかりそうになった。
「すみません。」
「ごめんなさい。」
互いに謝る。
『あれ?どこかで会った事がある?』
見覚えがあるが、直ぐに思い出せない。
色白のスジ筋系で、腹筋が見事に割れていた。
「こんにちは。お話するのは引っ越しの時以来ですね。」
彼の挨拶で思い出す。
隣に住んでいる大学生だ。
一年前に越して着た時に、菓子折りを貰った記憶が甦る。
今はゴーグルをしているが、普段はメガネを掛けているので一瞬分からなかった。
「よくここには来るのですか?」
視線が股間に止まる。
下を向くゴーグルが陽射しを反射した。
「凄い競パンですね。」
ゴーグルを取って、繁々と見詰める。
『ヤバい!』
思った時は既に手遅れだ。
視線を浴びたマラは過剰に反応していた。
(つづく)
宅配員からだ。
『昨日はお前の変態振りに興奮したよ。
俺もお前を調教したくなった。
今度の土曜日を空けとけ。
朝連絡する。
まあ、断ることはないと思うがな。』
意味ありげな文章だ。
『断ることはない』と何故断言出来るのか?
訝しく思っていると、ファイルが添付されている事に気付く。
「あっ!」表示した画像を見て、思わず声が漏れる。
それは昨日、商店街を歩いている俺自身だった。
白いロングスパッツに勃起したマラがくっきりと浮かんでいる。
顔も明白に映っていた。
次の画像は上半身裸で乳首クリックのチェーンを揺すっている姿だ。
最後はハリガタを咥えながら掘られているところだった。
スマホを持つ手が震える。
宅配員の目的はこの画像を撮ることだったのか?
そうであれば、紙袋を持ち去ったのは宅配員か?
次々に疑問が浮かび上がり、混乱した。
ただ一つ明確な事がある。
これが脅迫だという事だ。
もし行くのを断れば、この画像がネットに流出されるのだろう。
土曜日まで落ち着かぬ日々を過ごす羽目となった。
雲一つない快晴だった。
本来なら気持ちが浮き立つ好天気だが、今日ばかりはどんより沈んでいる。
ここ数日は殆ど眠れない。
全てあの画像が原因だ。
万が一、ネットに流れたら、全てを失う事になるだろう。
朝8時にメールを受信した。
『快晴だ。プールに行こうぜ。
9時に駅前便所にこい。
お前に穿いてもらう競パンを個室に用意しておく。』
呑気な内容に心底憤った。
何とか一泡吹かせたい。
タオルをバッグに詰め込み、即効家を出た。
8時20分に駅に着く。
指定の一つ手前の個室に入り、息を潜める。
人の気配がしたら、一気に出ていくつもりだ。
しかし一向に物音はしない。
そのまま9時を迎えた。
不審に思い、表に出る。
隣の個室を覗くと、既に紙袋は置いてあった。
時間より早く来ることはお見通しらしい。
悔しさに、舌打ちをする。
それにしても土曜日の朝の駅前のトイレに、誰も入ってこないのはおかしい。
その理由は直ぐに分かった。
『ただ今、清掃中。
駅内のトイレをご使用下さい。』
入り口の貼紙が目に入る。
完敗だ。
素直に負けを認めるしかない。
溜め息混じりに中を見て、唖然とする。
見覚えのあるTシャツと短パンが入っていた。
洗濯され、綺麗に畳まれている。
中の封筒を取り出すと、ポケットに突っ込んであった小銭まで入っていた。
何故かビキニだけがない。
益々混乱した。
何が目的か、さっぱり分からない。
入っていた競パンは小さいが、白いスタンダードなデザインだ。
Tバックでも入っているかと心配していたが、杞憂に終わった。
チケットを渡し、ロッカー室へ向かう。
裏地が切ってあるが、至って普通の競パンだ。
しかしシャワーを浴びて、この競パンの意味を知る。
生地は防水加工がされておらず、濡れると透けてしまう。
お陰で竿も玉も透けて、丸見え状態だ。
奴が普通の競パンを用意する訳がなかった。
こんな姿を一般の人に見られたくない。
ゲイの好奇心たっぷりな視線の方がマシだ。
仲間が集まるスタンドを見上げる。
この中に宅配員はいるだろうか?
プールから上がった青年とぶつかりそうになった。
「すみません。」
「ごめんなさい。」
互いに謝る。
『あれ?どこかで会った事がある?』
見覚えがあるが、直ぐに思い出せない。
色白のスジ筋系で、腹筋が見事に割れていた。
「こんにちは。お話するのは引っ越しの時以来ですね。」
彼の挨拶で思い出す。
隣に住んでいる大学生だ。
一年前に越して着た時に、菓子折りを貰った記憶が甦る。
今はゴーグルをしているが、普段はメガネを掛けているので一瞬分からなかった。
「よくここには来るのですか?」
視線が股間に止まる。
下を向くゴーグルが陽射しを反射した。
「凄い競パンですね。」
ゴーグルを取って、繁々と見詰める。
『ヤバい!』
思った時は既に手遅れだ。
視線を浴びたマラは過剰に反応していた。
(つづく)
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる