妄想日記1<<ORIGIN>>

YAMATO

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番外編1(Wish you were here)

番外編-⑤【悲しいほどお天気】

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翌日の昼休みにメールを受信した。
宅配員からだ。
『昨日はお前の変態振りに興奮したよ。
俺もお前を調教したくなった。
今度の土曜日を空けとけ。
朝連絡する。
まあ、断ることはないと思うがな。』
意味ありげな文章だ。
『断ることはない』と何故断言出来るのか?
訝しく思っていると、ファイルが添付されている事に気付く。
「あっ!」表示した画像を見て、思わず声が漏れる。
それは昨日、商店街を歩いている俺自身だった。
白いロングスパッツに勃起したマラがくっきりと浮かんでいる。
顔も明白に映っていた。
次の画像は上半身裸で乳首クリックのチェーンを揺すっている姿だ。
最後はハリガタを咥えながら掘られているところだった。
スマホを持つ手が震える。
宅配員の目的はこの画像を撮ることだったのか?
そうであれば、紙袋を持ち去ったのは宅配員か?
次々に疑問が浮かび上がり、混乱した。
ただ一つ明確な事がある。
これが脅迫だという事だ。
もし行くのを断れば、この画像がネットに流出されるのだろう。
土曜日まで落ち着かぬ日々を過ごす羽目となった。
 
雲一つない快晴だった。
本来なら気持ちが浮き立つ好天気だが、今日ばかりはどんより沈んでいる。
ここ数日は殆ど眠れない。
全てあの画像が原因だ。
万が一、ネットに流れたら、全てを失う事になるだろう。
朝8時にメールを受信した。
『快晴だ。プールに行こうぜ。
9時に駅前便所にこい。
お前に穿いてもらう競パンを個室に用意しておく。』
呑気な内容に心底憤った。
何とか一泡吹かせたい。
タオルをバッグに詰め込み、即効家を出た。
8時20分に駅に着く。
指定の一つ手前の個室に入り、息を潜める。
人の気配がしたら、一気に出ていくつもりだ。
しかし一向に物音はしない。
そのまま9時を迎えた。
不審に思い、表に出る。
隣の個室を覗くと、既に紙袋は置いてあった。
時間より早く来ることはお見通しらしい。
悔しさに、舌打ちをする。
それにしても土曜日の朝の駅前のトイレに、誰も入ってこないのはおかしい。
その理由は直ぐに分かった。
『ただ今、清掃中。
駅内のトイレをご使用下さい。』
入り口の貼紙が目に入る。
完敗だ。
素直に負けを認めるしかない。
溜め息混じりに中を見て、唖然とする。
見覚えのあるTシャツと短パンが入っていた。
洗濯され、綺麗に畳まれている。
中の封筒を取り出すと、ポケットに突っ込んであった小銭まで入っていた。
何故かビキニだけがない。
益々混乱した。
何が目的か、さっぱり分からない。
入っていた競パンは小さいが、白いスタンダードなデザインだ。
Tバックでも入っているかと心配していたが、杞憂に終わった。
 
チケットを渡し、ロッカー室へ向かう。
裏地が切ってあるが、至って普通の競パンだ。
しかしシャワーを浴びて、この競パンの意味を知る。
生地は防水加工がされておらず、濡れると透けてしまう。
お陰で竿も玉も透けて、丸見え状態だ。
奴が普通の競パンを用意する訳がなかった。
こんな姿を一般の人に見られたくない。
ゲイの好奇心たっぷりな視線の方がマシだ。
仲間が集まるスタンドを見上げる。
この中に宅配員はいるだろうか?
プールから上がった青年とぶつかりそうになった。
「すみません。」
「ごめんなさい。」
互いに謝る。
『あれ?どこかで会った事がある?』
見覚えがあるが、直ぐに思い出せない。
色白のスジ筋系で、腹筋が見事に割れていた。
「こんにちは。お話するのは引っ越しの時以来ですね。」
彼の挨拶で思い出す。
隣に住んでいる大学生だ。
一年前に越して着た時に、菓子折りを貰った記憶が甦る。
今はゴーグルをしているが、普段はメガネを掛けているので一瞬分からなかった。
「よくここには来るのですか?」
視線が股間に止まる。
下を向くゴーグルが陽射しを反射した。
「凄い競パンですね。」
ゴーグルを取って、繁々と見詰める。
『ヤバい!』
思った時は既に手遅れだ。
視線を浴びたマラは過剰に反応していた。
 
 
(つづく)
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