妄想日記1<<ORIGIN>>

番外編1(Wish you were here)

番外編-②【恋の苦さとため息と】

『今日の夕方、乳首だけでいかせてくれたＳＤ、是非連絡を下さい。
今日は俺だけいって、申し訳ないです。
次回は奉仕しますので、宜しくお願いします。
確認のために部屋番号を書いてもらえると、ありがたいです。』
その晩、ゲイ向けの探し人サイトに投稿した。
大好きなビデオと同じ状況を味わい、脳裏から離れない。
身体中がその続きを望んでいた。
翌日起きると、メールの受信ボックスをチェックする。
何通か来ていた。
しかし肝心の部屋番号が書いてなかったり、合っていないものばかりだ。
冷やかしばかりで、溜め息を吐く。
マウスから手を離した瞬間、一通のメールを受信した。
タイトルに『203号室のマッチョへ』となっている。
部屋番号が合っているのだから、本人に間違いない。
 
『仕事中だったので中途半端になり、こちらこそすみませんでした。
乳首だけでいくモロ感マッチョをもっと調教したいです。』
ダメもとの投稿にレスがあり、一気にテンションが上がる。
『早速レスありがとうございます。
普段は乳首だけでいくことはないですが、タイプに責められて興奮してしまいました。
どんな命令にも服従しますので、是非調教をお願いします。』
焦る気持ちを抑え、今度は携帯からメールした。
 
返事は通勤の電車の中で受信した。
『本当にどんな命令でも服従出来るかな？
まずはその気持ちが本当か、試験をする。
今日の夜9時に○○駅に来い。
着いたらメールをよこせ。』
こちらは相変わらずフリーメールのアドレスのままだった。
 
改札を出て、時計に目を向ける。
8時50分だ。
着いた旨を知らせるメールを出す。
程なくしてメールを受信した。
『駅の便所の奥から２番目の個室に袋がある。
中に着替えが入っているから、それに着替えろ。』
直ぐに会えると思っていただけに拍子抜けだ。
早足で公衆便所へ向かう。
意外な展開に期待する自分もいた。
指定された個室に入ると、確かに紙袋だけが置いてある。
中には白いタンクトップとロングスパッツが入っていた。
『着替えたか？下着は脱いで、スパッツは直に穿け。
もちろんお前の大好きなコックリングは付けっ放しだ。
着替え終わったら便所を出たら、商店街を区役所に向かって歩け。』
新たなメールを読んで、鼓動が高まる。
便所の中で着替えを済ます。
タンクトップもスパッツもサイズが小さい。
しかも生地が薄手の白だ。
乳首も勃起した亀頭もくっきり浮かび上がる。
この格好で表に出るには、かなりの勇気を必要とした。
 
宅配員に会いたい一心で、一歩踏み出す。
紙袋で股間を隠し、大股で商店街を歩く。
街行く人達が怪訝な視線を向けてきた。
大胸筋、腹筋、大臀筋は薄い生地が覆うだけだ。
擦れ違う人は変質者に道を譲ってくれた。
携帯が鳴る。
宅配員からのメールだ。
『何、袋で股間を隠しているんだ！
堂々と歩け！
俺への思いはそんなものか？』
やはりどこかで観察している。
覚悟を決めて、紙袋を股間から下ろす。
勃起したマラはスパッツ越しにもはっきりと分かった。
恥ずかしいという思いとは裏腹に益々固さが増していく。
 
『区役所の前に公園がある。
テニスコート脇の便所へこい。
一番奥の個室に入れ。』
また命令メールが届いた。
もどかしい思いで公園へ向かう。
その公園は知っていた。
ゲイが夜な夜な集まる公園で、何度か行った事がある。
目的の便所に入ると、また紙袋が置いてあった。
どこにも人影は感じない。
中を覗くと、ディルドと乳首クリップとローションが目に入る。
そこに受信を知らせる着信音が響く。
誰もいない便所ではひどく大きく聞こえる。
『気に入ってもらえたか？
ハリガタと乳首クリップを装着したら、Ａコート脇のベンチで待ってろ。』
新たな命令が送られてきた。
ディルドは小振りだ。
普段使っている20センチクラスに比べると、物足りないサイズだ。
ただ太さがかなりあり、挿入するのに意外と手古摺った。
最後に乳首クリップを装着し、タンクトップを着直す。
汗を吸った生地が肌に張り付いた
 
 
（つづく）