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Chapter25(沖縄新原編)
Chapter25-②【Get myself back】
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「これを見せたら、益々気に入っちゃったんだ。
それで今日、風呂で待ち合わせしている事を話したら、代わりに行くと言いだしちゃってさ。
ゴメンね。
お陰で小遣い貰えたけど。」
ショーゴが舌を出す。
「たださ、オーナーに気に入られると、かなりヤバいよ。」
更に声を潜めた。
「ヤバいって?」嫌な予感がして、奥を伺う。
「おうっ!ヤマト来てたのかぁ!
こっち来いよぉ!」
酔っ払ったリクが大声で呼ぶ。
「行って来た方がいいよ。」
ショーゴが助言する。
仕方なく奥のテーブルに向かう。
「やあ、さっきは悪かったね。
いい所で邪魔物が入って。」
相好を崩したタクマが隣の席に招く。
嫌悪感が顔に出ない様に、口角を上げて隣に座る。
「君のショーの評判は聞いたよ。
明日も出てくれると聞いて、私も嬉しいよ。
期待しているから、頑張ってくれ。」
肉厚の指が肩を揉む。
「はあ。」笑みを浮かべ、頷くしかない。
ゴウが水割りを作って、目の前に置く。
「では明日のショーの成功を祈って、乾杯だ。」
タクマがグラスを掲げる。
「かんぱぁーい!」
リクが調子良く合わせた。
「それで、明日のショーは私が相手をしようと思うんだが、どうだろう?」
タクマがゴウに意見を求める。
「その方が客も喜ぶと思います。」
ゴウは事もなく答えた。
『えっ!それはないでしょ!』
心の中で叫ぶ。
「そうっすよぉ!
やっぱぁ、タクマさんの熟練した責めの方が、客は興奮しますよぉ。」
リクがヨイショする。
「私もそう思うんだが、ヤマト君はどうだ?」
タクマが無茶振りをしてきた。
「あんた達、明日のショーの話をしてんだよな?」
突然、隣のテーブルの男が割り込んできた。
「客は誰も、あんたのだらし無い身体なんて、見たくないさ。
告知には、『巨根の学生がマッチョを襲う!!』だろ。
そんな老けた学生がいるかよ。
誇大広告で訴えられるぜ。」
20代後半の男が罵詈を吐く。
「な、何なんだお前は!」
タクマが立ち上がる。
握り締めた拳が小刻みに震えていた。
「嘘が嫌いな、ただの客だ。」
男は平然と答える。
「か、帰れっ!」怒鳴り声が店中に響く。
店にいた者全員が息を呑む。
「ああ、そうするよ。
明日のショーを楽しみにしている客の為にも、本物の『巨根の学生』にしてくれ。」
男は立ち上がると、カウンターに向かう。
ショーゴの前に金を置くと、颯爽と出て行った。
誰も言葉が出ない。
「まあ、オーナー座って下さい。」
ゴウが宥める。
「あんな奴の言う事なんて、無視すればいいんですよぉ。」
リクが続けて言った。
「うるさい!お前は黙ってろ!」
タクマがリクを怒鳴り付ける。
リクは目を白黒させて、黙り込む。
「気分が悪い!帰るぞ!」
タクマは鞄を持つと、出口に向かった。
ゴウはその後を追って、見送りをする。
「シラケちゃったなぁ。
だいたいあいつは何者なんだ!」
二人が出て行くと、リクが言った。
知る由もなく首を振る。
他の客も、次々に帰って行った。
「明日のショーは中止かな?」
ショーゴが片付けをしながら行く。
「そうだな。あのオーナーの怒り方からすると、間違いないな。」
酔いの冷めたリクが頷く。
ドアが開き、ゴウが戻って来た。
「どうでした?」ショーゴが聞く。
「無理やりタクシーに押し込んできた。」
ゴウが苦笑する。
「明日は中止ですか?」
ストレートに聞いてみる。
「いや、やるぜ。」
即答した口を全員が見詰めた。
「でも、オーナーが出るとは思えないぜ。」
リクが問題点を指摘する。
「ああ。明日は予定通りショーゴでいく。
客もそれを期待しているからな。」
力強く断言した。
「でもそんな事したら…。」
ショーゴが不安を口にする。
「任せておけ。
明日満員にすれば、オーナーも文句は言わないさ。」
それは自分自身に言い聞かせる様だった。
(つづく)
それで今日、風呂で待ち合わせしている事を話したら、代わりに行くと言いだしちゃってさ。
ゴメンね。
お陰で小遣い貰えたけど。」
ショーゴが舌を出す。
「たださ、オーナーに気に入られると、かなりヤバいよ。」
更に声を潜めた。
「ヤバいって?」嫌な予感がして、奥を伺う。
「おうっ!ヤマト来てたのかぁ!
こっち来いよぉ!」
酔っ払ったリクが大声で呼ぶ。
「行って来た方がいいよ。」
ショーゴが助言する。
仕方なく奥のテーブルに向かう。
「やあ、さっきは悪かったね。
いい所で邪魔物が入って。」
相好を崩したタクマが隣の席に招く。
嫌悪感が顔に出ない様に、口角を上げて隣に座る。
「君のショーの評判は聞いたよ。
明日も出てくれると聞いて、私も嬉しいよ。
期待しているから、頑張ってくれ。」
肉厚の指が肩を揉む。
「はあ。」笑みを浮かべ、頷くしかない。
ゴウが水割りを作って、目の前に置く。
「では明日のショーの成功を祈って、乾杯だ。」
タクマがグラスを掲げる。
「かんぱぁーい!」
リクが調子良く合わせた。
「それで、明日のショーは私が相手をしようと思うんだが、どうだろう?」
タクマがゴウに意見を求める。
「その方が客も喜ぶと思います。」
ゴウは事もなく答えた。
『えっ!それはないでしょ!』
心の中で叫ぶ。
「そうっすよぉ!
やっぱぁ、タクマさんの熟練した責めの方が、客は興奮しますよぉ。」
リクがヨイショする。
「私もそう思うんだが、ヤマト君はどうだ?」
タクマが無茶振りをしてきた。
「あんた達、明日のショーの話をしてんだよな?」
突然、隣のテーブルの男が割り込んできた。
「客は誰も、あんたのだらし無い身体なんて、見たくないさ。
告知には、『巨根の学生がマッチョを襲う!!』だろ。
そんな老けた学生がいるかよ。
誇大広告で訴えられるぜ。」
20代後半の男が罵詈を吐く。
「な、何なんだお前は!」
タクマが立ち上がる。
握り締めた拳が小刻みに震えていた。
「嘘が嫌いな、ただの客だ。」
男は平然と答える。
「か、帰れっ!」怒鳴り声が店中に響く。
店にいた者全員が息を呑む。
「ああ、そうするよ。
明日のショーを楽しみにしている客の為にも、本物の『巨根の学生』にしてくれ。」
男は立ち上がると、カウンターに向かう。
ショーゴの前に金を置くと、颯爽と出て行った。
誰も言葉が出ない。
「まあ、オーナー座って下さい。」
ゴウが宥める。
「あんな奴の言う事なんて、無視すればいいんですよぉ。」
リクが続けて言った。
「うるさい!お前は黙ってろ!」
タクマがリクを怒鳴り付ける。
リクは目を白黒させて、黙り込む。
「気分が悪い!帰るぞ!」
タクマは鞄を持つと、出口に向かった。
ゴウはその後を追って、見送りをする。
「シラケちゃったなぁ。
だいたいあいつは何者なんだ!」
二人が出て行くと、リクが言った。
知る由もなく首を振る。
他の客も、次々に帰って行った。
「明日のショーは中止かな?」
ショーゴが片付けをしながら行く。
「そうだな。あのオーナーの怒り方からすると、間違いないな。」
酔いの冷めたリクが頷く。
ドアが開き、ゴウが戻って来た。
「どうでした?」ショーゴが聞く。
「無理やりタクシーに押し込んできた。」
ゴウが苦笑する。
「明日は中止ですか?」
ストレートに聞いてみる。
「いや、やるぜ。」
即答した口を全員が見詰めた。
「でも、オーナーが出るとは思えないぜ。」
リクが問題点を指摘する。
「ああ。明日は予定通りショーゴでいく。
客もそれを期待しているからな。」
力強く断言した。
「でもそんな事したら…。」
ショーゴが不安を口にする。
「任せておけ。
明日満員にすれば、オーナーも文句は言わないさ。」
それは自分自身に言い聞かせる様だった。
(つづく)
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