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Chapter24(沖縄バトル編)
Chapter24-⑩【わるきー】
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「お疲れ。」ゴウの掛け声で乾杯する。
「ヤマトのノリの良さに、客は興奮しきってたぞ。」
ゴウが労ってくれた。
「またやってくれって、客が何人も言ってたんだ。
週末も出てくれないか?
今度は20人は集まるぞ。」
冷たい印象のゴウも高揚気味だ。
疲労感はあるが、火照った身体は満足をしていない。
すっかり舞台に立つ事に興奮を覚えていた。
「ええ、いいですよ。」
興奮覚めやらぬまま答える。
「助かるよ。」ゴウが握手を求めてきた。
使い込んだレザー製のグローブには数々に染みがある。
このグローブで数多の男達が快楽を得たのだろう。
「これは今日のフィーだ。
次回20人を越えたら、追加するぜ。」
ゴウが封筒をハーネスに挟んだ。
「次回は僕がヤマトさんを掘らせてよ。」
ショーゴが直訴する。
「そうだな。次回はヤマト単独で行くか。
そこにショーゴが絡む。
俺はライティングに専念した方が良さそうだ。」
ゴウがアイデアを練る。
リクは相変わらず複雑な表情をしていた。
ショーゴの巨根を味わえたが、全面和解という雰囲気ではない。
「今日は突然の告知だったが、次回は前もってすればスゲェ人が集まるぞ。」
経営者の顔に戻ったゴウが満足げに頷いた。
「なら仕事行って来るぜ。
遅くなるから、勝手に晩飯食っててくれ。
これが車と部屋のキーだ。
事故には気を付けろ。」
リクは鍵を投げると、部屋を出て行った。
約束の銭湯に行くまで自由に過ごせる。
昼間は日焼けして、夜はショーゴと会う。
考えるだけで、下半身が熱くなる。
ゲイにとって、最良の休日だ。
「あっ!」思わず声をあげる。
貞操具を外していなかった。
後悔するが、手遅れだ。
昨夜のショーでも、結局射精出来なかった。
今日も一日出せないと思うと、楽しみも半減だ。
昨日の空き地にワゴンを止める。
干上がった場所を選んで、奥へ進む。
まだ人の姿はない。
今日は一人なので、岩に囲まれた狭いスペースを陣取る。
ナイロンのTバックに着替えるが、貞操具が透けてしまう。
回りに人がいないのを確認し、その格好で横になる。
今日も照り付ける陽射しは容赦ない。
視線を感じ、その方向に目を向ける。
岩の向こう側から人が覗いていた。
若い男の様だ。
視線が合う前に、顔を引っ込めた。
目を閉じるが、執拗な視線による不快感は拭い去れない。
勢い良く起きると、また相手は岩に隠れた。
苛立ちを覚える。
折角の日焼け日和なのに集中出来ない。
立ち上がり、岩場の向こうに歩み寄る。
「あのさ、気が散るから、覗き見するの止めてくれない…。」
苦情はそよ風に掻き消された。
そこにいたのは20代半ばだろうか、ジャニ系の筋肉質だった。
まだ焼ききれてない肌は旅行者のものだろう。
サスペンダーにコックリングが付いたウエアを着用している。
一応白いスパッツを穿いているが、濡れてしまって何の役にも立っていない。
「それ凄いな!」
その変態じみたウエアに興味を持つ。
「す、すみません。
め、迷惑掛けるつもりは、なかったんだけど…。」
青年は下を向き、吃りながら謝った。
純粋そうな青年が、変態じみた格好をしている事に合点がいかない。
「昨日、バトルに出ていた人が隣にいたんで、居ても立っても居られなくて…。」
青年の萎えたペニスを見ると、罪悪感が生まれてきた。
「もういいよ。俺はヤマト。
それより凄い格好で焼いてるな?」
割れた腹筋を見ながら聞く。
「お、俺はユウジンといいます。
こんな格好がめちゃ好きなんだけど、東京じゃ着る機会がなくて…。
折角沖縄に来たから頑張ってみたんだけど、独りだと気後れしちゃって…。」
大量の汗が乾きかけたスパッツを濡らしていく。
その汗は暑さの所為だけではなさそうだ。、
10数年前の自分を見ている様で、微笑ましい。
「だったら、一緒に焼こうか?
そんなスパッツ脱いじゃえよ。」
シートをずらし、誘ってみる。
「マ、マジっすか!
迷惑じゃない?」
太陽を浴びた瞳がキラキラ輝く。
「ああ、迷惑じゃないさ。
今日は俺も一人だし。
それより汗を拭けば?」
枕にしていたタオルを渡す。
「筋肉を触らせて…もらっていいっすか。
どれくらい硬いんですか?」
受け取った手が震えていた。
(つづく)
「ヤマトのノリの良さに、客は興奮しきってたぞ。」
ゴウが労ってくれた。
「またやってくれって、客が何人も言ってたんだ。
週末も出てくれないか?
今度は20人は集まるぞ。」
冷たい印象のゴウも高揚気味だ。
疲労感はあるが、火照った身体は満足をしていない。
すっかり舞台に立つ事に興奮を覚えていた。
「ええ、いいですよ。」
興奮覚めやらぬまま答える。
「助かるよ。」ゴウが握手を求めてきた。
使い込んだレザー製のグローブには数々に染みがある。
このグローブで数多の男達が快楽を得たのだろう。
「これは今日のフィーだ。
次回20人を越えたら、追加するぜ。」
ゴウが封筒をハーネスに挟んだ。
「次回は僕がヤマトさんを掘らせてよ。」
ショーゴが直訴する。
「そうだな。次回はヤマト単独で行くか。
そこにショーゴが絡む。
俺はライティングに専念した方が良さそうだ。」
ゴウがアイデアを練る。
リクは相変わらず複雑な表情をしていた。
ショーゴの巨根を味わえたが、全面和解という雰囲気ではない。
「今日は突然の告知だったが、次回は前もってすればスゲェ人が集まるぞ。」
経営者の顔に戻ったゴウが満足げに頷いた。
「なら仕事行って来るぜ。
遅くなるから、勝手に晩飯食っててくれ。
これが車と部屋のキーだ。
事故には気を付けろ。」
リクは鍵を投げると、部屋を出て行った。
約束の銭湯に行くまで自由に過ごせる。
昼間は日焼けして、夜はショーゴと会う。
考えるだけで、下半身が熱くなる。
ゲイにとって、最良の休日だ。
「あっ!」思わず声をあげる。
貞操具を外していなかった。
後悔するが、手遅れだ。
昨夜のショーでも、結局射精出来なかった。
今日も一日出せないと思うと、楽しみも半減だ。
昨日の空き地にワゴンを止める。
干上がった場所を選んで、奥へ進む。
まだ人の姿はない。
今日は一人なので、岩に囲まれた狭いスペースを陣取る。
ナイロンのTバックに着替えるが、貞操具が透けてしまう。
回りに人がいないのを確認し、その格好で横になる。
今日も照り付ける陽射しは容赦ない。
視線を感じ、その方向に目を向ける。
岩の向こう側から人が覗いていた。
若い男の様だ。
視線が合う前に、顔を引っ込めた。
目を閉じるが、執拗な視線による不快感は拭い去れない。
勢い良く起きると、また相手は岩に隠れた。
苛立ちを覚える。
折角の日焼け日和なのに集中出来ない。
立ち上がり、岩場の向こうに歩み寄る。
「あのさ、気が散るから、覗き見するの止めてくれない…。」
苦情はそよ風に掻き消された。
そこにいたのは20代半ばだろうか、ジャニ系の筋肉質だった。
まだ焼ききれてない肌は旅行者のものだろう。
サスペンダーにコックリングが付いたウエアを着用している。
一応白いスパッツを穿いているが、濡れてしまって何の役にも立っていない。
「それ凄いな!」
その変態じみたウエアに興味を持つ。
「す、すみません。
め、迷惑掛けるつもりは、なかったんだけど…。」
青年は下を向き、吃りながら謝った。
純粋そうな青年が、変態じみた格好をしている事に合点がいかない。
「昨日、バトルに出ていた人が隣にいたんで、居ても立っても居られなくて…。」
青年の萎えたペニスを見ると、罪悪感が生まれてきた。
「もういいよ。俺はヤマト。
それより凄い格好で焼いてるな?」
割れた腹筋を見ながら聞く。
「お、俺はユウジンといいます。
こんな格好がめちゃ好きなんだけど、東京じゃ着る機会がなくて…。
折角沖縄に来たから頑張ってみたんだけど、独りだと気後れしちゃって…。」
大量の汗が乾きかけたスパッツを濡らしていく。
その汗は暑さの所為だけではなさそうだ。、
10数年前の自分を見ている様で、微笑ましい。
「だったら、一緒に焼こうか?
そんなスパッツ脱いじゃえよ。」
シートをずらし、誘ってみる。
「マ、マジっすか!
迷惑じゃない?」
太陽を浴びた瞳がキラキラ輝く。
「ああ、迷惑じゃないさ。
今日は俺も一人だし。
それより汗を拭けば?」
枕にしていたタオルを渡す。
「筋肉を触らせて…もらっていいっすか。
どれくらい硬いんですか?」
受け取った手が震えていた。
(つづく)
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