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Chapter23(浮雲編)
Chapter23-①【ナギイチ】
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寝苦しさで目が覚めた。
カーテン越しに真夏の陽射しが入り込む。
窓を開け、ムッとした空気を入れ替える。
空を見上げると、昨夜までの雨が嘘の様に晴れ渡っていた。
日焼けシーズンの到来を告げる、雲ひとつない青空だ。
プールへ行く支度をする。
途中、体調が優れないと、仕事場に電話を入れた。
「お大事に。」
スマホから聞こえる気遣いに胸が痛む。
プール開きをしてから、梅雨空が続いていた。
今日を逃す訳にはいかない。
スマホに向かって頭を上げる。
プールは平日にも関わらず、賑わっていた。
階段を上り、テラスへ向かう。
プールサイドはゲイが溢れていたが、こちらはそれ程混んでいない。
トイレの近くにフトシがいた。
デッキチェアーに寝そべり、サングラスをしたまま本を読んでいる。
白いビキニの盛り上がりは相変わらず迫力があった。
遠くから見ていると、顔を上げた視線と合う。
しかし何事もなかった様に、本へ視線は戻った。
話し掛けたら悪い気がして、離れた場所にタオルを敷く。
真夏の陽射しは気持ちいいが、つい遠くの巨根に意識が向いてしまう。
フトシは足を組み、本を読み耽っている。
「デッキチェアーでさ、本を読んでるデカい奴知ってるか?」
声の方向に顔を向ける。
隣のガチムチが筋肉質に顔を寄せていた。
「知らない。スゲーガタイだな。
股間もスゲーデカいぜ。
今日のナギイチだな!」
ゴーグルをした筋肉質が舌舐めずりする。
フトシが立ち上がり、プールへ降りて行く。
「奴、エロビのモデルでさ、何でもやんだ。
呆れ果てる淫乱振りだよ。」
ガチムチが顔を顰める。
「その呆れ果てるDVDをお前は見てんだろ?」
筋肉質が突っ込む。
「ゲイなんて多かれ少なかれ、恥ずかしい性癖を持ってるもんだ。」
フトシがタイプらしく、肩を持つ。
「奴の新作が最近出たんだけど、これがマジ凄いんだ。」
ガチムチは大袈裟に両手を広げる。
新作の話は知らない。
「あそこまでやると、さすがに萎えるよ。」
掌を上に向けたのはお手上げを意味しているのだろう。
「どこがそんなに凄いんだ?」
筋肉質が興味を持つ。
ガチムチは回りを見て、更に小声になった。
その声は聞き取れない。
「マジかよ!でも俺、ちょい興味あり!
今度、貸してくれ。」
筋肉質の股間が膨んだ。
「俺、アタックしてみようかな?
股間が疼くんだ。」筋肉質が笑う。
そこにフトシが戻って来た。
白いビキニは水分をたっぷり含み、ペニスが完全に透けている。
フトシは臆する事なく、堂々と歩く。
「マジ、エロいぜ!
露出狂のMか、責め甲斐がありそうだ。」
筋肉質の視線が透けたビキニを追う。
「馬鹿だな。お前はDVD見てないから、そんな事が言えるんだよ。
お前が手に負える訳ないだろ。
俺達とは住む世界が違うんだよ!」
ガチムチが吐き捨てる様に言った。
『住む世界が違う』とフトシも言っていた。
それを聞いた時、少し大袈裟に思ったが、強ちそうでもないらしい。
やはり関わらない方が良さそうだ。
強い陽射しの中、盗み聞きしていたので肩が熱い。
ゴーグルを持って、プールへ向かう。
水の中は別世界だ。
何も聞こえない世界で、がむしゃらに泳ぐ。
尿意を感じ、便所に立ち寄る。
誰もいなかったので、鼻歌が漏れた。
「随分、ご機嫌みたいですね。」
突然、背後から低い声がした。
小便が止まらず、振り返れない。
ただ声で相手が分かる。
背後からオレンジのビキニをゆっくり下ろされた。
しゃがみ込むのが気配で分かる。
太い指が尻を開き、アナルに舌が這う。
「ひ、人が来るよ。」
尻を引き、弱々しく抗議する。
「別にいいじゃないですか。
きっとヤマトさんの本心も、そう思っている筈です。」
相手は勝手に決め付けた。
小便が切れて、慌ててビキニを引き上げる。
振り向き、文句を言おうとした。
入り口に先程の筋肉質が立っている。
『いつからいたのだろうか?』
手も洗わず、筋肉質の脇をすり抜けてテラスに戻った。
(つづく)
カーテン越しに真夏の陽射しが入り込む。
窓を開け、ムッとした空気を入れ替える。
空を見上げると、昨夜までの雨が嘘の様に晴れ渡っていた。
日焼けシーズンの到来を告げる、雲ひとつない青空だ。
プールへ行く支度をする。
途中、体調が優れないと、仕事場に電話を入れた。
「お大事に。」
スマホから聞こえる気遣いに胸が痛む。
プール開きをしてから、梅雨空が続いていた。
今日を逃す訳にはいかない。
スマホに向かって頭を上げる。
プールは平日にも関わらず、賑わっていた。
階段を上り、テラスへ向かう。
プールサイドはゲイが溢れていたが、こちらはそれ程混んでいない。
トイレの近くにフトシがいた。
デッキチェアーに寝そべり、サングラスをしたまま本を読んでいる。
白いビキニの盛り上がりは相変わらず迫力があった。
遠くから見ていると、顔を上げた視線と合う。
しかし何事もなかった様に、本へ視線は戻った。
話し掛けたら悪い気がして、離れた場所にタオルを敷く。
真夏の陽射しは気持ちいいが、つい遠くの巨根に意識が向いてしまう。
フトシは足を組み、本を読み耽っている。
「デッキチェアーでさ、本を読んでるデカい奴知ってるか?」
声の方向に顔を向ける。
隣のガチムチが筋肉質に顔を寄せていた。
「知らない。スゲーガタイだな。
股間もスゲーデカいぜ。
今日のナギイチだな!」
ゴーグルをした筋肉質が舌舐めずりする。
フトシが立ち上がり、プールへ降りて行く。
「奴、エロビのモデルでさ、何でもやんだ。
呆れ果てる淫乱振りだよ。」
ガチムチが顔を顰める。
「その呆れ果てるDVDをお前は見てんだろ?」
筋肉質が突っ込む。
「ゲイなんて多かれ少なかれ、恥ずかしい性癖を持ってるもんだ。」
フトシがタイプらしく、肩を持つ。
「奴の新作が最近出たんだけど、これがマジ凄いんだ。」
ガチムチは大袈裟に両手を広げる。
新作の話は知らない。
「あそこまでやると、さすがに萎えるよ。」
掌を上に向けたのはお手上げを意味しているのだろう。
「どこがそんなに凄いんだ?」
筋肉質が興味を持つ。
ガチムチは回りを見て、更に小声になった。
その声は聞き取れない。
「マジかよ!でも俺、ちょい興味あり!
今度、貸してくれ。」
筋肉質の股間が膨んだ。
「俺、アタックしてみようかな?
股間が疼くんだ。」筋肉質が笑う。
そこにフトシが戻って来た。
白いビキニは水分をたっぷり含み、ペニスが完全に透けている。
フトシは臆する事なく、堂々と歩く。
「マジ、エロいぜ!
露出狂のMか、責め甲斐がありそうだ。」
筋肉質の視線が透けたビキニを追う。
「馬鹿だな。お前はDVD見てないから、そんな事が言えるんだよ。
お前が手に負える訳ないだろ。
俺達とは住む世界が違うんだよ!」
ガチムチが吐き捨てる様に言った。
『住む世界が違う』とフトシも言っていた。
それを聞いた時、少し大袈裟に思ったが、強ちそうでもないらしい。
やはり関わらない方が良さそうだ。
強い陽射しの中、盗み聞きしていたので肩が熱い。
ゴーグルを持って、プールへ向かう。
水の中は別世界だ。
何も聞こえない世界で、がむしゃらに泳ぐ。
尿意を感じ、便所に立ち寄る。
誰もいなかったので、鼻歌が漏れた。
「随分、ご機嫌みたいですね。」
突然、背後から低い声がした。
小便が止まらず、振り返れない。
ただ声で相手が分かる。
背後からオレンジのビキニをゆっくり下ろされた。
しゃがみ込むのが気配で分かる。
太い指が尻を開き、アナルに舌が這う。
「ひ、人が来るよ。」
尻を引き、弱々しく抗議する。
「別にいいじゃないですか。
きっとヤマトさんの本心も、そう思っている筈です。」
相手は勝手に決め付けた。
小便が切れて、慌ててビキニを引き上げる。
振り向き、文句を言おうとした。
入り口に先程の筋肉質が立っている。
『いつからいたのだろうか?』
手も洗わず、筋肉質の脇をすり抜けてテラスに戻った。
(つづく)
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