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Chapter22(憧憬編)
Chapter22-⑫【気分上々↑↑】
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「いらっしゃっいませ。
あら、ヤマトさん。
平日に珍しいわね。」
まだ店を開けたばかりで、ミツルは仕込みをしていた。
話し易い様に、早い時間を狙って来た。
「実はさ、ケイとは暫く会わない方がいいかなと、思っているんだけど。」
世間話をした後、本題を切り出す。
「そうね。カイトちゃんを刺激しない方が無難ね。
ケイちゃんは辛いけど、仕方ないわ。
私が上手く言っといてあげる。」
ミツルが満面の笑顔で、頷いてくれた。
「それにしてもカイトちゃんにも困ったもんだわ。」
カウンターの中から溜息が聞こえてきた。
「このままじゃ、ケイちゃんは幸せになれないわ。」
まな板を叩く音に混じった声に耳を傾ける。
「一層、ケイちゃんには違うお店を紹介しようかしら?
でもそうすると、ここの人手が足りなくなるし…。」
ジレンマを解決する手段はここにはない。
何か嫌な予感がし、顔を上げると包丁を持つ視線と搗ち合った。
「どう?ヤマトさん、ここでやってみない?」
名案を思い付いたミツルが満足げに微笑む。
「無理、無理!」
思い切り顔を振る。
「あら、残念だわ。」
目に見えて落胆した。
その姿を見ると、何とか力になりたいと思う。
頭をフル稼動させると、ある顔が浮かんだ。
ドアが開き、ユーキが入って来た。
「こんな所にあったんだ。
全然、気付かなかったよ。」
ユーキは既にジャージを脱ぎ始めている。
「素敵な店だね!
六尺やエロ下着で飲めるなんて最高!」
ユーキがテンション高めに話し出す。
「ありがとうございます。」
礼を言うミツルは笑顔が絶えない。
二人を紹介する。
「ユーキさ、ここでバイトしてみない?」
不安げに聞いてみた。
「いつ?」キョトンとしたユーキが聞く。
「基本は金曜日と土曜日。
後は相談に乗ります。
どうかしら?」
ミツルが恐る恐る答える。
「モチやるよ!
こんな格好でいれて、金まで貰えるのに!
断る訳ないじゃん!」
その返事を聞き、ミツルとハイタッチした。
「折角だから、今日から入ってみますか?」
ミツルの問い掛けに、ユーキは大きく頷く。
「縛りは出来るかしら?」
採用後だが、遅れて面接が始まった。
「まあ、なんとか、一通りは。」
その答えに驚く。
ドMのユーキが縛る事が出来るなんて、知らなかった。
「ここではお客さんの要望で縛ったり、縛られたりすることもあるの。
勿論、嫌だったら、断っていいわ。
売り専じゃないから、あくまでも補助的にね。
その分、バイト代にチャージするわ。
時給はこれでどうかしら?」
ウインクしたミツルが電卓を翳す。
ユーキのニヤ付く顔に不安を覚える。
カウンターの中で、レクチャーが始まった。
ミツルが簡単な酒の出し方、伝票の書き方等を説明する。
「ちょっと奥を説明してくるから、ここお願いね。」
ミツルはそう言うと、ユーキを連れて奥に消えた。
良い事が出来て、気分上々だ。
独り悦に入っていると、ドアが開く。
サングラスをしたフトシだった。
今日もボディスーツに黄ばんだスパッツを穿いている。
「また会いましたね。
これは偶然ですかね?」
フトシが意味ありげに微笑む。
「ミツルさんはいないんですか?」
スパッツを脱ぐと、ペニスのポジションを直す。
「ちょっと奥の部屋に…。」
話し終わる前に、鼻を摘ままれた。
息苦しくなり、口を大きく開ける。
丸めたスパッツが口を塞ぐ。
口一杯に雄の臭いが、充満した。
目眩を伴う強烈な刺激臭の中、フトシが唇を押し付ける。
無我夢中で唇を吸うが、空気は入ってこない。
「やはり同じですね。」
唇を離したフトシが言う。
口から出した唾液だらけのスパッツを再び穿く。
「俺、どうもヤマトさんにハマったみたいです。」
フトシはそう言うと、少し離れた席に座る。
暫くして二人が出て来た。
「あら、フトシちゃん、いらっしゃっい。」
ミツルが声を掛ける。
ユーキの視線が声の先にロックオンした。
胸騒ぎは現実のものになりつつあった。
(完)
あら、ヤマトさん。
平日に珍しいわね。」
まだ店を開けたばかりで、ミツルは仕込みをしていた。
話し易い様に、早い時間を狙って来た。
「実はさ、ケイとは暫く会わない方がいいかなと、思っているんだけど。」
世間話をした後、本題を切り出す。
「そうね。カイトちゃんを刺激しない方が無難ね。
ケイちゃんは辛いけど、仕方ないわ。
私が上手く言っといてあげる。」
ミツルが満面の笑顔で、頷いてくれた。
「それにしてもカイトちゃんにも困ったもんだわ。」
カウンターの中から溜息が聞こえてきた。
「このままじゃ、ケイちゃんは幸せになれないわ。」
まな板を叩く音に混じった声に耳を傾ける。
「一層、ケイちゃんには違うお店を紹介しようかしら?
でもそうすると、ここの人手が足りなくなるし…。」
ジレンマを解決する手段はここにはない。
何か嫌な予感がし、顔を上げると包丁を持つ視線と搗ち合った。
「どう?ヤマトさん、ここでやってみない?」
名案を思い付いたミツルが満足げに微笑む。
「無理、無理!」
思い切り顔を振る。
「あら、残念だわ。」
目に見えて落胆した。
その姿を見ると、何とか力になりたいと思う。
頭をフル稼動させると、ある顔が浮かんだ。
ドアが開き、ユーキが入って来た。
「こんな所にあったんだ。
全然、気付かなかったよ。」
ユーキは既にジャージを脱ぎ始めている。
「素敵な店だね!
六尺やエロ下着で飲めるなんて最高!」
ユーキがテンション高めに話し出す。
「ありがとうございます。」
礼を言うミツルは笑顔が絶えない。
二人を紹介する。
「ユーキさ、ここでバイトしてみない?」
不安げに聞いてみた。
「いつ?」キョトンとしたユーキが聞く。
「基本は金曜日と土曜日。
後は相談に乗ります。
どうかしら?」
ミツルが恐る恐る答える。
「モチやるよ!
こんな格好でいれて、金まで貰えるのに!
断る訳ないじゃん!」
その返事を聞き、ミツルとハイタッチした。
「折角だから、今日から入ってみますか?」
ミツルの問い掛けに、ユーキは大きく頷く。
「縛りは出来るかしら?」
採用後だが、遅れて面接が始まった。
「まあ、なんとか、一通りは。」
その答えに驚く。
ドMのユーキが縛る事が出来るなんて、知らなかった。
「ここではお客さんの要望で縛ったり、縛られたりすることもあるの。
勿論、嫌だったら、断っていいわ。
売り専じゃないから、あくまでも補助的にね。
その分、バイト代にチャージするわ。
時給はこれでどうかしら?」
ウインクしたミツルが電卓を翳す。
ユーキのニヤ付く顔に不安を覚える。
カウンターの中で、レクチャーが始まった。
ミツルが簡単な酒の出し方、伝票の書き方等を説明する。
「ちょっと奥を説明してくるから、ここお願いね。」
ミツルはそう言うと、ユーキを連れて奥に消えた。
良い事が出来て、気分上々だ。
独り悦に入っていると、ドアが開く。
サングラスをしたフトシだった。
今日もボディスーツに黄ばんだスパッツを穿いている。
「また会いましたね。
これは偶然ですかね?」
フトシが意味ありげに微笑む。
「ミツルさんはいないんですか?」
スパッツを脱ぐと、ペニスのポジションを直す。
「ちょっと奥の部屋に…。」
話し終わる前に、鼻を摘ままれた。
息苦しくなり、口を大きく開ける。
丸めたスパッツが口を塞ぐ。
口一杯に雄の臭いが、充満した。
目眩を伴う強烈な刺激臭の中、フトシが唇を押し付ける。
無我夢中で唇を吸うが、空気は入ってこない。
「やはり同じですね。」
唇を離したフトシが言う。
口から出した唾液だらけのスパッツを再び穿く。
「俺、どうもヤマトさんにハマったみたいです。」
フトシはそう言うと、少し離れた席に座る。
暫くして二人が出て来た。
「あら、フトシちゃん、いらっしゃっい。」
ミツルが声を掛ける。
ユーキの視線が声の先にロックオンした。
胸騒ぎは現実のものになりつつあった。
(完)
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