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Chapter22(憧憬編)
Chapter22-⑪【TOKYO】
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陽が傾き、帰り支度をする。
「エロビに出てる奴はやっぱ節操ねぇな!」
さっきの男の脇を通った時、聞こえよがしの独り言が聞こえた。
遊歩道を駅に向かって歩く。
「どうしてケイからカイトに乗り換えたの?」
ずっと聞きたかった事を聞いてみる。
フトシがポカンとした顔で暫く固まった。
「そうですね…。
敢えて答えを出すとすれば、ケイさんとは住む世界が違ったのです。
カイト様は自分を見ているような、不思議な存在です。
そしてヤマトさんも同じです。」
動かぬまま、押し殺した声で笑う。
フトシの携帯が鳴った。
止まった時間が動き出す。
「カイト様からの呼出しです。
では、また機会があれば。
いや、近い内に必ず会うことになりますが。」
巨体は改札口に入って行く。
振り返る事なく、姿が見えなくなった。
夕焼けを反射したビルが赤く燃えている。
欲望が交錯する東京の象徴に思えた。
独り残され、途方に暮れる。
正に掴み所がない男だった。
気を取り直して、ユーキに電話してみる。
運よく、電話は直ぐに出た。
「もしもし、ヤマト。
今、どこ?飯でも食わない?」
「丁度、ジムを出たところ。
別にいいよ。」
ユーキの返事にホッとする。
「ねえ、調教白書って、エロビ知ってる?」
男が口にしたタイトルを聞いてみた。
「モチ!超重量級ラガーマンのフトシでしょ!
俺、一時期、ハマってたんだ。」
予想通りの答えに笑ってしまう。
「だったら見に行っていい?」
ユーキの家に行く事にして、電話を切った。
「どうしたの?
急にエロビ見たいなんて、言い出して?」
ユーキがDVDをセットしながら聞く。
「実はさ、そのフトシと知り合ったんだ。」
買ってきたビールを渡す。
「マジ?何でヤマトさんばかり、そんな出会いがあるの!」
頬を膨らませたユーキがグラスに注ぐ。
再生ボタンを押すと、タイトルが流れる。
暫くすると、ラガーシャツを着たフトシが映し出された。
グランドをダッシュする。
それを見守るコーチは竹刀を持って立っていた。
コーチが試合の不甲斐なさを叱責する。
部室に戻ると、汗だくのフトシに竹刀の嵐を浴びせた。
声を上げる事なく、竹刀を受け入れる。
フトシのラグパンの膨らみにコーチが気付く。
ラグパンを脱がせると、異常に盛り上がったケツワレが現れた。
コーチは狂ったように竹刀を振る。
しかし股間の隆起は勢いを増すばかりだ。
竹刀は遂に股間に襲い掛かる。
ケツワレの厚い生地を通り越して、ザーメンが飛び散った。
縛琉人の時と同じだ。
「ここから先は飯食いながら、見るもんじゃないよ。
貸してあげるから、家で見なよ。」
ユーキが停止ボタンを押す。
「このコーチがえげつない責めばかりするんだ。
で、本物のフトシはどうだった?
巨根の味は?」
ユーキは興味津々だ。
ケイと知り合ってから、今日公園に行くまでの経緯をかい摘まんで話す。
「ふーん。何か危ない感じだね。
普通エロビのモデルって、責められると泣き叫ぶじゃん。
それか逆に歯を食いしばって堪えるか。
フトシはどっちでもないんだよね。
まあ、そこが他と違って、シリーズ化されたんだけどさ。」
ユーキの感想は思っていた事と一致した。
「そのケイがトリガーだったら、あんまり関わらない方がいいんじゃない?
危険な奴の思考回路は凡人には分からないからさ。」
そのアドバイスに頷く。
暫く地元のジムには行かない方が良さそうだ。
(つづく)
「エロビに出てる奴はやっぱ節操ねぇな!」
さっきの男の脇を通った時、聞こえよがしの独り言が聞こえた。
遊歩道を駅に向かって歩く。
「どうしてケイからカイトに乗り換えたの?」
ずっと聞きたかった事を聞いてみる。
フトシがポカンとした顔で暫く固まった。
「そうですね…。
敢えて答えを出すとすれば、ケイさんとは住む世界が違ったのです。
カイト様は自分を見ているような、不思議な存在です。
そしてヤマトさんも同じです。」
動かぬまま、押し殺した声で笑う。
フトシの携帯が鳴った。
止まった時間が動き出す。
「カイト様からの呼出しです。
では、また機会があれば。
いや、近い内に必ず会うことになりますが。」
巨体は改札口に入って行く。
振り返る事なく、姿が見えなくなった。
夕焼けを反射したビルが赤く燃えている。
欲望が交錯する東京の象徴に思えた。
独り残され、途方に暮れる。
正に掴み所がない男だった。
気を取り直して、ユーキに電話してみる。
運よく、電話は直ぐに出た。
「もしもし、ヤマト。
今、どこ?飯でも食わない?」
「丁度、ジムを出たところ。
別にいいよ。」
ユーキの返事にホッとする。
「ねえ、調教白書って、エロビ知ってる?」
男が口にしたタイトルを聞いてみた。
「モチ!超重量級ラガーマンのフトシでしょ!
俺、一時期、ハマってたんだ。」
予想通りの答えに笑ってしまう。
「だったら見に行っていい?」
ユーキの家に行く事にして、電話を切った。
「どうしたの?
急にエロビ見たいなんて、言い出して?」
ユーキがDVDをセットしながら聞く。
「実はさ、そのフトシと知り合ったんだ。」
買ってきたビールを渡す。
「マジ?何でヤマトさんばかり、そんな出会いがあるの!」
頬を膨らませたユーキがグラスに注ぐ。
再生ボタンを押すと、タイトルが流れる。
暫くすると、ラガーシャツを着たフトシが映し出された。
グランドをダッシュする。
それを見守るコーチは竹刀を持って立っていた。
コーチが試合の不甲斐なさを叱責する。
部室に戻ると、汗だくのフトシに竹刀の嵐を浴びせた。
声を上げる事なく、竹刀を受け入れる。
フトシのラグパンの膨らみにコーチが気付く。
ラグパンを脱がせると、異常に盛り上がったケツワレが現れた。
コーチは狂ったように竹刀を振る。
しかし股間の隆起は勢いを増すばかりだ。
竹刀は遂に股間に襲い掛かる。
ケツワレの厚い生地を通り越して、ザーメンが飛び散った。
縛琉人の時と同じだ。
「ここから先は飯食いながら、見るもんじゃないよ。
貸してあげるから、家で見なよ。」
ユーキが停止ボタンを押す。
「このコーチがえげつない責めばかりするんだ。
で、本物のフトシはどうだった?
巨根の味は?」
ユーキは興味津々だ。
ケイと知り合ってから、今日公園に行くまでの経緯をかい摘まんで話す。
「ふーん。何か危ない感じだね。
普通エロビのモデルって、責められると泣き叫ぶじゃん。
それか逆に歯を食いしばって堪えるか。
フトシはどっちでもないんだよね。
まあ、そこが他と違って、シリーズ化されたんだけどさ。」
ユーキの感想は思っていた事と一致した。
「そのケイがトリガーだったら、あんまり関わらない方がいいんじゃない?
危険な奴の思考回路は凡人には分からないからさ。」
そのアドバイスに頷く。
暫く地元のジムには行かない方が良さそうだ。
(つづく)
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