214 / 354
Chapter18(聖夜編)
Chapter18-⑥【嵐が来る】
しおりを挟む
プールから上がると、カオルが重量級の男を紹介した。
「彼はショウ。とても翔べそうはないけど。
こっちはヤマトさん。」
冗談交じりの話し方は知り合い程度の仲ではなさそうだ。
「ども、ショウです。」
武骨な腕が伸びてきたので、仕方なく握手する。
必要以上の握力を感じた。
「マジ、懐かしいな。
いつまで東京にいるんだ?」
ショウはカオルの身体をポンポン叩く。
「27日に帰る予定だけど。」
カオルは嫌がる事もなく、懐古している様子が窺える。
「先にユーキのところへ戻ってるよ。」
蚊帳の外となり、ゆっくりと歩き出す。
「ゴメンな。すぐ戻るから。」
追ってきたのは声だけだ。
ユーキは寝息を立てていた。
隣のデッキチェアに俯せになる。
視線がどうしても、二人の姿を追ってしまう。
身振り、手振りを交え、楽しげな二人がプールの反対側に見える。
「嵐の予感かな。」
眠っていると思ったユーキが上半身を起こす。
「あれっ、寝てなかったんだ。」
横を見ると、細めた目をプールの先に向けていた。
「だって、今日一番の獲物だったから、ずっとチェックしてたんだ。
そしたらずっと、カオルちゃんの事を見てたからさ。
誰なの?」細めた目尻が下がる。
「知らない!」即答すると、顔を伏せた。
「待たせちゃってゴメン。」
戻って来たカオルが頭を掻く。
「誰、誰?」ユーキが目を輝かす。
「ああ、ショウの事だよね?
んー、何て言うんだろうな…。」
言い淀む答えを勘ぐってしまう。
「前彼でしょ?」ユーキがズバリ聞く。
「まあ、そんなところかな。」
しっかり向いた視線を避け、プールの向こう側を眺めた。
スマホをスクロールし、興味ない素振りをする。
「何で別れたの?」
ユーキが知りたい事を聞いてくれた。
「ショウが転勤になって、自然消滅かな。」
微妙なニュアンスで答えだ。
言い淀んだ意味はここにありそうだ。
「ふーん。と言う事は互いに嫌いになって、別れた訳じゃないんだ。」
ユーキが余計な事を言う。
これさえなければ、いい奴なんだが。
「そろそろ帰ろうか?腹減った!」
伸びをしたユーキの腹が鳴る。
それを合図に三人は更衣室へ向う。
シャワールームから丁度、ショウが出て来た。
「これって、偶然?」
ユーキが耳元で囁く。
「カオル達も帰るのか?」
ショウが全裸のまま、タオルで頭を拭く。
「デケェ…。」ユーキの溜め息が聞こえた。
素の状態だが、20センチ近くある。
これが勃起したら、タケルの巨根を越えるかもしれない。
長さだけでなく、太さもある。
ガタイ以上の重量級だ。
「ヤマトさんの友達のユーキさん。」
カオルがユーキを紹介する。
ショウが一歩前で出ると、巨根が大きく揺れた。
ユーキとショウががっちりと手を握る。
メッシュのビキニに変化が現れた。
「ユーキさん達はこれからどうするんですか?」
ショウが握手したまま聞く。
「俺達はこれから飯食いに行くところ。
良かったら、一緒に行きませんか?
人数多い方が楽しいし。」
ユーキが勝手に誘う。
「カオル、迷惑じゃないか?
だったら、一緒させてもらおうかな。」
ショウは質問しておきながら、答えを待たずして決めてしまう。
奇妙な食事会が始まった。
居酒屋に入り、四人席に通された。
マッチョが四人で座るには狭い席だ。
カオルとショウが並び、対面にユーキと座る。
ユーキの肘が脇に当たる度にイライラが募っていく。
とりあえずビールで乾杯する。
「俺、ちょっとトイレに行って来る。」
カオルは一口付けると席を立つ。
ユーキはショウに話し掛け、笑い転げる。
二人に共通の知り合いがいた様だ。
話題に入れず、スマホを弄る。
ネットを見ていたら、メールを受信した。
カオルからだ。
『マジ、ゴメンな。
なるべく早目に切り上げよう。
早くヤマトさんと二人きりになりたいよ。』
その内容に少しテンションが上がる。
カオルが席に戻って来た。
座る瞬間、そっとウインクする。
「ヤマトさん、ショウちゃんは今年コンテストに出たんだって。」
ユーキが大声で言う。
かなり酔いが回っている。
「あっ、出たんだ。」
カオルが先に反応した。
(つづく)
「彼はショウ。とても翔べそうはないけど。
こっちはヤマトさん。」
冗談交じりの話し方は知り合い程度の仲ではなさそうだ。
「ども、ショウです。」
武骨な腕が伸びてきたので、仕方なく握手する。
必要以上の握力を感じた。
「マジ、懐かしいな。
いつまで東京にいるんだ?」
ショウはカオルの身体をポンポン叩く。
「27日に帰る予定だけど。」
カオルは嫌がる事もなく、懐古している様子が窺える。
「先にユーキのところへ戻ってるよ。」
蚊帳の外となり、ゆっくりと歩き出す。
「ゴメンな。すぐ戻るから。」
追ってきたのは声だけだ。
ユーキは寝息を立てていた。
隣のデッキチェアに俯せになる。
視線がどうしても、二人の姿を追ってしまう。
身振り、手振りを交え、楽しげな二人がプールの反対側に見える。
「嵐の予感かな。」
眠っていると思ったユーキが上半身を起こす。
「あれっ、寝てなかったんだ。」
横を見ると、細めた目をプールの先に向けていた。
「だって、今日一番の獲物だったから、ずっとチェックしてたんだ。
そしたらずっと、カオルちゃんの事を見てたからさ。
誰なの?」細めた目尻が下がる。
「知らない!」即答すると、顔を伏せた。
「待たせちゃってゴメン。」
戻って来たカオルが頭を掻く。
「誰、誰?」ユーキが目を輝かす。
「ああ、ショウの事だよね?
んー、何て言うんだろうな…。」
言い淀む答えを勘ぐってしまう。
「前彼でしょ?」ユーキがズバリ聞く。
「まあ、そんなところかな。」
しっかり向いた視線を避け、プールの向こう側を眺めた。
スマホをスクロールし、興味ない素振りをする。
「何で別れたの?」
ユーキが知りたい事を聞いてくれた。
「ショウが転勤になって、自然消滅かな。」
微妙なニュアンスで答えだ。
言い淀んだ意味はここにありそうだ。
「ふーん。と言う事は互いに嫌いになって、別れた訳じゃないんだ。」
ユーキが余計な事を言う。
これさえなければ、いい奴なんだが。
「そろそろ帰ろうか?腹減った!」
伸びをしたユーキの腹が鳴る。
それを合図に三人は更衣室へ向う。
シャワールームから丁度、ショウが出て来た。
「これって、偶然?」
ユーキが耳元で囁く。
「カオル達も帰るのか?」
ショウが全裸のまま、タオルで頭を拭く。
「デケェ…。」ユーキの溜め息が聞こえた。
素の状態だが、20センチ近くある。
これが勃起したら、タケルの巨根を越えるかもしれない。
長さだけでなく、太さもある。
ガタイ以上の重量級だ。
「ヤマトさんの友達のユーキさん。」
カオルがユーキを紹介する。
ショウが一歩前で出ると、巨根が大きく揺れた。
ユーキとショウががっちりと手を握る。
メッシュのビキニに変化が現れた。
「ユーキさん達はこれからどうするんですか?」
ショウが握手したまま聞く。
「俺達はこれから飯食いに行くところ。
良かったら、一緒に行きませんか?
人数多い方が楽しいし。」
ユーキが勝手に誘う。
「カオル、迷惑じゃないか?
だったら、一緒させてもらおうかな。」
ショウは質問しておきながら、答えを待たずして決めてしまう。
奇妙な食事会が始まった。
居酒屋に入り、四人席に通された。
マッチョが四人で座るには狭い席だ。
カオルとショウが並び、対面にユーキと座る。
ユーキの肘が脇に当たる度にイライラが募っていく。
とりあえずビールで乾杯する。
「俺、ちょっとトイレに行って来る。」
カオルは一口付けると席を立つ。
ユーキはショウに話し掛け、笑い転げる。
二人に共通の知り合いがいた様だ。
話題に入れず、スマホを弄る。
ネットを見ていたら、メールを受信した。
カオルからだ。
『マジ、ゴメンな。
なるべく早目に切り上げよう。
早くヤマトさんと二人きりになりたいよ。』
その内容に少しテンションが上がる。
カオルが席に戻って来た。
座る瞬間、そっとウインクする。
「ヤマトさん、ショウちゃんは今年コンテストに出たんだって。」
ユーキが大声で言う。
かなり酔いが回っている。
「あっ、出たんだ。」
カオルが先に反応した。
(つづく)
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
プライド
東雲 乱丸
BL
「俺は屈しない! 」男子高校生が身体とプライドを蹂躙され調教されていく…
ある日突然直之は男達に拉致され、強制的に肉体を弄ばれてしまう。
監禁されレイプによる肉体的苦痛と精神的陵辱を受ける続ける直之。
「ヤメてくれー! 」そう叫びながら必死に抵抗するも、肉体と精神の自由を奪われ、徐々に快楽に身を委ねてしまう。そして遂に――
この小説はR-18です。
18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします。
エロのみのポルノ作品です。
過激な生掘り中出しシーン等を含む暴力的な性表現がありますのでご注意下さい。
詳しくはタグを確認頂き、苦手要素が含まれる方はお避け下さい。
この小説はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
また皆様に於かれましては、性感染症防止の観点からもコンドームを着用し、セーファーセックスを心掛けましょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる