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Chapter17(中野編)
Chapter17-⑧【ふってあげる】
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「返せ。お前を殺してでも、持って行かせない。」
三浦がよろけた足取りで、近付いて来た。
恐怖で、膝が震える。
その時、光明が飛び込んできた。
三浦の身体がソファーにすっ飛んだ。
『ガッシャーン!』グラスの割れる音が派手に響く。
「ユーキ君、参上!」
飛び蹴りしたユーキが着地する。
「どう、格好いい?危機一髪だったね。」
ユーキがポーズを決めて言う。
「何言ってるんだよ。
ユーキの不始末のお陰で、こんな危険な目にあったのに!」
安堵を覚え、文句が堰を切る。
「まあまあ、そんなにカッカしないの。
皺が増えるよ。
それにいつまでウナギを突っ込んでいる気?
まさか連結したいの?」
ユーキが脳天気に受け流す。
慌ててウナギを引っこ抜く。
「それより、こいつを懲らしめてやろうぜ。」
ユーキが不敵な笑みを浮かべた。
ぐったりしている三浦をすっ裸にする。
『私は犯罪者です。こらしめて!』
マジックで胸から腹にかけて書いた。
次に口枷と乳首クリップをする。
「最後にこのウナギを突っ込もうぜ!」
ユーキは頬に髭を三本書き足す。
「危ないよ。初心者にはデカ過ぎる。」
ウナギを掴もうとするユーキを手を掴む。
「初心者って、三浦が?
ヤマトさんは甘いな。」
ユーキは手を振りほどくと、小馬鹿にした視線を向ける。
「だって三浦はSだろ?
ケツマンの経験なんてないよ。」
ユーキを説得する。
怪我をさせる気は毛頭ない。
「あのね、真性のSなんて、滅多にいないよ。
ドSって事は、ドMでもあるんだ。」
ユーキにしては、珍しく論理的な説明だ。
「ヤマトさん、この状態で足を押さえて。」
三浦をまんぐり返しの格好にして、足首を持つ。
黒く使い込んだアナルが現れた。
ユーキがアナルにオイルを流し込む。
「ほら、見てみなよ。この汚いケツマン。
フィストしまくっているヤリマンだ。
よし、突っ込むぞ。」
ユーキはウナギを持つと、アナルに宛がう。
ちょっと押すだけで、軟体動物の如く口を広げて飲み込みだす。
「えっ!」
目の前の光景に唖然とする。
押し込むと、どんどん入って行く。
「こんなもんさ。
ヤマトさんは動画を撮影して、俺は写メ撮るから。」
ユーキがテキパキと指示を出す。
「これで完了だ。」
二人で汗を拭う。
最後に、固定カメラのデータを消して回る。
「じゃあ、帰ろうか。」
服を着て、玄関に向かう。
「ぐおぉう!」突然の大声に振り向く。
画面いっぱいにユーキが悶絶していた。
「ねえ、一番肝心のDVDを忘れてない?
うっかりユーキ君。」
今度は逆に馬鹿にし返す。
「ヤマトさん、ホントにありがとう。」
駅への帰り道、ユーキがしおらしく礼を言う。
「ユーキらしくないじゃん!
俺の方こそ、助かったよ。
ビビッて、ションベン漏らしそうだった。」
照れ隠しに、大袈裟な表現をする。
「礼ならタケルに言いなよ。
今回のシナリオは全てタケルの考案だから。」
「そういえばタケルは?」
「駅前のカフェで待ってるよ。
一時間経っても俺達が戻らなかったら、突入する事になってたんだ。
きっと今頃、喫煙室の中は煙まみれだよ。」
ユーキが飛び切りのウインクをした。
カフェの中にタケルの姿はない。
喫煙室を覗くと、真っ白な煙の中から人影が飛び出してきた。
「どうだった?」
タケルが詰め寄る。
「まあまあ、落ち着いてよ。
良くこんな不健康な中にいられるね。
タケルのシナリオ通り、上手く行ったよ。」
ユーキが諭す。
席に戻るのも面倒で、ずっとここにいたのだろう。
苛立って、待っていた証拠だ。
「ヤマトさん、危機一髪だったんだぜ。
そこに俺が現れて、窮地を救ったんだ。」
ユーキが武勇伝を語る。
「で、ヤマトさんは怪我しなかったか?」
タケルが顔を覗き込む。
「うん、大丈夫。」
久し振りに見るタケルは更に大人びていた。
「俺、寄って行くところあるから。
二人共、ありがとう。」
店を出たところで、ユーキは改札へ向かう。
きっと気を使っているのだろう。
「うん、じゃあまた。」
手を振って、見送る。
二人きりになると、会話が止まった。
「少し歩こうか。」
タケルの声が耳に優しい。
「うん。」
歩幅に合わせて歩く。
カオルの事を何て切り出すか、思いを巡らす。
「ふってやるよ。
と言っても、まだ付き合ってないけどな。」
タケルが口を開いた。
「えっ?」突然の切り出しに、耳を疑う。
「ヤマトさんは甘過ぎて、物足りないんだ。
まあ、理由はそんなところだ。」
タケルが夜空を見上げて伸びをする。
思いやりが犇々と伝わってきた。
「ゴメン。」下を向き謝る。
「何でヤマトさんが謝るんだ?
俺がふったんだぞ。」
タケルに小突かれ、景色が霞む。
「じゃあな。困った事があったら、連絡してこい。
それとこいつが欲しくなった時でもいいぞ。」
タケルは己の股間を指差す。
そして片手を上げて、タクシーを停める。
走りしたタクシーが滲んで、見えなくなった。
(完)
三浦がよろけた足取りで、近付いて来た。
恐怖で、膝が震える。
その時、光明が飛び込んできた。
三浦の身体がソファーにすっ飛んだ。
『ガッシャーン!』グラスの割れる音が派手に響く。
「ユーキ君、参上!」
飛び蹴りしたユーキが着地する。
「どう、格好いい?危機一髪だったね。」
ユーキがポーズを決めて言う。
「何言ってるんだよ。
ユーキの不始末のお陰で、こんな危険な目にあったのに!」
安堵を覚え、文句が堰を切る。
「まあまあ、そんなにカッカしないの。
皺が増えるよ。
それにいつまでウナギを突っ込んでいる気?
まさか連結したいの?」
ユーキが脳天気に受け流す。
慌ててウナギを引っこ抜く。
「それより、こいつを懲らしめてやろうぜ。」
ユーキが不敵な笑みを浮かべた。
ぐったりしている三浦をすっ裸にする。
『私は犯罪者です。こらしめて!』
マジックで胸から腹にかけて書いた。
次に口枷と乳首クリップをする。
「最後にこのウナギを突っ込もうぜ!」
ユーキは頬に髭を三本書き足す。
「危ないよ。初心者にはデカ過ぎる。」
ウナギを掴もうとするユーキを手を掴む。
「初心者って、三浦が?
ヤマトさんは甘いな。」
ユーキは手を振りほどくと、小馬鹿にした視線を向ける。
「だって三浦はSだろ?
ケツマンの経験なんてないよ。」
ユーキを説得する。
怪我をさせる気は毛頭ない。
「あのね、真性のSなんて、滅多にいないよ。
ドSって事は、ドMでもあるんだ。」
ユーキにしては、珍しく論理的な説明だ。
「ヤマトさん、この状態で足を押さえて。」
三浦をまんぐり返しの格好にして、足首を持つ。
黒く使い込んだアナルが現れた。
ユーキがアナルにオイルを流し込む。
「ほら、見てみなよ。この汚いケツマン。
フィストしまくっているヤリマンだ。
よし、突っ込むぞ。」
ユーキはウナギを持つと、アナルに宛がう。
ちょっと押すだけで、軟体動物の如く口を広げて飲み込みだす。
「えっ!」
目の前の光景に唖然とする。
押し込むと、どんどん入って行く。
「こんなもんさ。
ヤマトさんは動画を撮影して、俺は写メ撮るから。」
ユーキがテキパキと指示を出す。
「これで完了だ。」
二人で汗を拭う。
最後に、固定カメラのデータを消して回る。
「じゃあ、帰ろうか。」
服を着て、玄関に向かう。
「ぐおぉう!」突然の大声に振り向く。
画面いっぱいにユーキが悶絶していた。
「ねえ、一番肝心のDVDを忘れてない?
うっかりユーキ君。」
今度は逆に馬鹿にし返す。
「ヤマトさん、ホントにありがとう。」
駅への帰り道、ユーキがしおらしく礼を言う。
「ユーキらしくないじゃん!
俺の方こそ、助かったよ。
ビビッて、ションベン漏らしそうだった。」
照れ隠しに、大袈裟な表現をする。
「礼ならタケルに言いなよ。
今回のシナリオは全てタケルの考案だから。」
「そういえばタケルは?」
「駅前のカフェで待ってるよ。
一時間経っても俺達が戻らなかったら、突入する事になってたんだ。
きっと今頃、喫煙室の中は煙まみれだよ。」
ユーキが飛び切りのウインクをした。
カフェの中にタケルの姿はない。
喫煙室を覗くと、真っ白な煙の中から人影が飛び出してきた。
「どうだった?」
タケルが詰め寄る。
「まあまあ、落ち着いてよ。
良くこんな不健康な中にいられるね。
タケルのシナリオ通り、上手く行ったよ。」
ユーキが諭す。
席に戻るのも面倒で、ずっとここにいたのだろう。
苛立って、待っていた証拠だ。
「ヤマトさん、危機一髪だったんだぜ。
そこに俺が現れて、窮地を救ったんだ。」
ユーキが武勇伝を語る。
「で、ヤマトさんは怪我しなかったか?」
タケルが顔を覗き込む。
「うん、大丈夫。」
久し振りに見るタケルは更に大人びていた。
「俺、寄って行くところあるから。
二人共、ありがとう。」
店を出たところで、ユーキは改札へ向かう。
きっと気を使っているのだろう。
「うん、じゃあまた。」
手を振って、見送る。
二人きりになると、会話が止まった。
「少し歩こうか。」
タケルの声が耳に優しい。
「うん。」
歩幅に合わせて歩く。
カオルの事を何て切り出すか、思いを巡らす。
「ふってやるよ。
と言っても、まだ付き合ってないけどな。」
タケルが口を開いた。
「えっ?」突然の切り出しに、耳を疑う。
「ヤマトさんは甘過ぎて、物足りないんだ。
まあ、理由はそんなところだ。」
タケルが夜空を見上げて伸びをする。
思いやりが犇々と伝わってきた。
「ゴメン。」下を向き謝る。
「何でヤマトさんが謝るんだ?
俺がふったんだぞ。」
タケルに小突かれ、景色が霞む。
「じゃあな。困った事があったら、連絡してこい。
それとこいつが欲しくなった時でもいいぞ。」
タケルは己の股間を指差す。
そして片手を上げて、タクシーを停める。
走りしたタクシーが滲んで、見えなくなった。
(完)
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