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Chapter16(バンコク編)
Chapter16-⑪【ラッキープール】
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翌日、三人は朝食の席で顔を合わせた。
「ヤマトさん、ホントごめんな。」
タケルが両手を合わせて謝る。
パソコンに朝食のメニューを打ち込むの必死だった。
「別に平気だよ。
土産もまだ買ってないし、一日位独りで過ごせるよ。」
モニターに視線を向けたまま、上の空で答える。
ホテルはオープンしたてで、都会的なインテリアで統一されていた。
今までのリゾートホテルに比べるとメニューは少ないが、料理の名前がやたら長い。
「あー、終わった!」
背凭れが軋む程、伸びをする。
ユーキは黙々と食べていた。
「ユーキは本当に一人で行くのか?
マジ大丈夫か?」タケルが心配する。
「ふぇいきだよ。」口一杯のユーキが答えた。
タケルは笑って、それ以上言わない。
「8時には戻るから。
何かあったら、電話しろ。」
タケルは二人の顔を交互に見て言った。
朝食が食べ終わると、二人はそれぞれ出掛けて行った。
部屋に戻り、水着に着替える。
とりあえずホテルのプールへ行こうと思った。
その時、メールの着信音が鳴った。
スマホを手に取り、メールをチェックする。
カオルからだ。
『昨日は楽しかったよ。
今日は何している?観光かな?』
内容はは簡潔だった。
『二人共出掛けちゃって、一人で暇してる。
これからホテルのプールに行くところなんだ。』
歯磨きしながら、片手で返信する。
カオルが仕事中なのは分かっていたが、つい期待してしまう。
直ぐに返事が来た。
『だったら昼過ぎに待ち合わせしない?
昼に銀行に行くから、そのまま直帰するから。』
メールを読んで、思わずガッツポーズをしてしまう。
『マジ嬉しい!駅下のオープンカフェで待ってる。』
歯ブラシを投げ捨て、即効返事を出した。
カフェに着くと、店オリジナルのスムージーを注文する。
ここに来る度に注文するお気に入りだ。
カオルにまた会えると思うと、胸が弾む。
つい笑みが零れた。
「何、ニヤニヤしているんだ?
不気味だぜ。」カオルの声に振り返る。
今日もはち切れそうなTシャツ姿のカオルが立っていた。
「もしかして俺に会えるからか?な訳ないか!」
カオルは自分でツッコミを入れて笑う。
その照れた表情が好きだ。
眩しげな太陽に似ていた。
「今日はどこ連れて行ってくれるの?」
照れ臭くて、話題を変えた。
「いい所さ。きっと気に入るよ。」
笑顔が眩しい。
カオルはタクシーを捕まえ、行き先を告げる。
「今日も貞操帯付けているのか?」
耳元に寄った口が小声で聞く。
運転手が日本語を理解出来るとは思えないが、癖なのだろう。
強引に右折した所為で、身体が持っていかれる。
その瞬間、耳に舌が伸びた。
「まぁね。」運転手のアシストに感謝しつつ頷く。
「たまんねぇーな。今日はたっぷり出来るぞ。」
カオルが意味深に微笑んだ。
タクシーのドアを開けると、壮大な建物の前だった。
エジプト文明風の彫刻が施された柱に威圧される。
「ここ博物館?」見たままに聞いてみた。
「アハハ、ハズレ。日本でいう発展場さ。」
カオルが大笑いする。
「これがハッテン場?」マッチョの巨像に見下ろされ、足が固まる。
「中にはプール、ジム、レストランがあるんだ。
日本の発展場とは随分違うよ。」
説明を聞きながら、その規模に驚くしかない。
「プールがあるなら水着持ってくれば良かった。」
一度穿いた水着を脱いでしまった事が悔やまれる。
「大丈夫だ。ちゃんとヤマトさんの分も用意してあるから。」
カオルが不器用なウインクした。
チェックインし、鍵を受け取る。
ロッカーに荷物を仕舞う。
「今日はこれを穿けよ。」
カオルが水着を渡す。
穿いてみると、迷彩柄のTバックだった。
「おお、似合うぜ。
これTバックのビルパンなんだ。
日本じゃ流通してないから、ヤマトさんが気に入ると思ったんだ。」
昨日と同じASICSの競パンを穿いたカオルが微笑む。
微笑む理由は直ぐに分かった。
迷彩柄が貞操具の歪さを隠してくれたのだ。
プールはリゾート感に溢れ、生い茂る木々の下にデッキチェアーが並ぶ。
アジア系、ヨーロッパ系、様々な人種が集まっている。
しかし意外な事に、水着は皆地味だ。
Tバックは大いに浮き、注目の的になった。
(つづく)
「ヤマトさん、ホントごめんな。」
タケルが両手を合わせて謝る。
パソコンに朝食のメニューを打ち込むの必死だった。
「別に平気だよ。
土産もまだ買ってないし、一日位独りで過ごせるよ。」
モニターに視線を向けたまま、上の空で答える。
ホテルはオープンしたてで、都会的なインテリアで統一されていた。
今までのリゾートホテルに比べるとメニューは少ないが、料理の名前がやたら長い。
「あー、終わった!」
背凭れが軋む程、伸びをする。
ユーキは黙々と食べていた。
「ユーキは本当に一人で行くのか?
マジ大丈夫か?」タケルが心配する。
「ふぇいきだよ。」口一杯のユーキが答えた。
タケルは笑って、それ以上言わない。
「8時には戻るから。
何かあったら、電話しろ。」
タケルは二人の顔を交互に見て言った。
朝食が食べ終わると、二人はそれぞれ出掛けて行った。
部屋に戻り、水着に着替える。
とりあえずホテルのプールへ行こうと思った。
その時、メールの着信音が鳴った。
スマホを手に取り、メールをチェックする。
カオルからだ。
『昨日は楽しかったよ。
今日は何している?観光かな?』
内容はは簡潔だった。
『二人共出掛けちゃって、一人で暇してる。
これからホテルのプールに行くところなんだ。』
歯磨きしながら、片手で返信する。
カオルが仕事中なのは分かっていたが、つい期待してしまう。
直ぐに返事が来た。
『だったら昼過ぎに待ち合わせしない?
昼に銀行に行くから、そのまま直帰するから。』
メールを読んで、思わずガッツポーズをしてしまう。
『マジ嬉しい!駅下のオープンカフェで待ってる。』
歯ブラシを投げ捨て、即効返事を出した。
カフェに着くと、店オリジナルのスムージーを注文する。
ここに来る度に注文するお気に入りだ。
カオルにまた会えると思うと、胸が弾む。
つい笑みが零れた。
「何、ニヤニヤしているんだ?
不気味だぜ。」カオルの声に振り返る。
今日もはち切れそうなTシャツ姿のカオルが立っていた。
「もしかして俺に会えるからか?な訳ないか!」
カオルは自分でツッコミを入れて笑う。
その照れた表情が好きだ。
眩しげな太陽に似ていた。
「今日はどこ連れて行ってくれるの?」
照れ臭くて、話題を変えた。
「いい所さ。きっと気に入るよ。」
笑顔が眩しい。
カオルはタクシーを捕まえ、行き先を告げる。
「今日も貞操帯付けているのか?」
耳元に寄った口が小声で聞く。
運転手が日本語を理解出来るとは思えないが、癖なのだろう。
強引に右折した所為で、身体が持っていかれる。
その瞬間、耳に舌が伸びた。
「まぁね。」運転手のアシストに感謝しつつ頷く。
「たまんねぇーな。今日はたっぷり出来るぞ。」
カオルが意味深に微笑んだ。
タクシーのドアを開けると、壮大な建物の前だった。
エジプト文明風の彫刻が施された柱に威圧される。
「ここ博物館?」見たままに聞いてみた。
「アハハ、ハズレ。日本でいう発展場さ。」
カオルが大笑いする。
「これがハッテン場?」マッチョの巨像に見下ろされ、足が固まる。
「中にはプール、ジム、レストランがあるんだ。
日本の発展場とは随分違うよ。」
説明を聞きながら、その規模に驚くしかない。
「プールがあるなら水着持ってくれば良かった。」
一度穿いた水着を脱いでしまった事が悔やまれる。
「大丈夫だ。ちゃんとヤマトさんの分も用意してあるから。」
カオルが不器用なウインクした。
チェックインし、鍵を受け取る。
ロッカーに荷物を仕舞う。
「今日はこれを穿けよ。」
カオルが水着を渡す。
穿いてみると、迷彩柄のTバックだった。
「おお、似合うぜ。
これTバックのビルパンなんだ。
日本じゃ流通してないから、ヤマトさんが気に入ると思ったんだ。」
昨日と同じASICSの競パンを穿いたカオルが微笑む。
微笑む理由は直ぐに分かった。
迷彩柄が貞操具の歪さを隠してくれたのだ。
プールはリゾート感に溢れ、生い茂る木々の下にデッキチェアーが並ぶ。
アジア系、ヨーロッパ系、様々な人種が集まっている。
しかし意外な事に、水着は皆地味だ。
Tバックは大いに浮き、注目の的になった。
(つづく)
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