妄想日記1<<ORIGIN>>

YAMATO

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Chapter14(三浦編)

Chapter14-⑦【PIECES OF A DREAM】

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「ちょっと待ってろ。」
マサフミはそう言うとバスルームから出て行く。
戻って来る足音が明らかに違う。
目に飛び込んできたのはロングブーツだ。
欲求不満の頭は益々混乱する。
マサフミは湯舟の縁に腰掛けると、足を組む。
投げ出されたブーツが目の前にある。
自ら尻を振り、咆哮をあげながらブーツに舌を這わす。
「ぐおぉぉぉ、うおぉぉぉ!」
解放された性は雄本来の野性に目覚めた。
己の小便でテリトリー化した場所は開放的だ。
雄は興奮状態で、ブーツにしゃぶりつく。
レザー特有の臭いが、更に追い撃ちをかける。
クンクンと臭いを嗅いで、より一層の興奮を求めた。
「革の匂いに興奮するのか?」
足を組み替えたマサフミが聞く。
「ああ、ああ、たまんねぇ、たまんねぇーよ!」
譫言を繰り返す。
「そろそろいいか。」
マサフミは立ち上がると、アナルからバイブを抜く。
空虚感を覚え、息をするのを忘れる。
放心状態だが、アナルにぽっかりと穴が空いている事は分かった。
そして性の最終目的の射精を目指す。
ゆっくりと寝そべると、無呼吸でマラを扱く。
「もう終わりだ。飯でも食いに行こう。」
マサフミは全開にしたシャワーを頭上に掲げる。
冷たい水を浴び、現実に戻された。
 
近くのファミレスに入る。
海沿いの混みあいが嘘の様に、直ぐ席に案内された。
マサフミはショートのデニムパンツにサスペンダーをしている。
その淫靡な姿態が寸止めされた身体をもぞもぞさせた。
肉体が射精を望んでいるのだ。
「なんだ?ヤマト。落ち着きねぇな。
それじゃ挙動不審で職質されるぜ。」
そんな姿を見て、マサフミが笑う。
「だって一番いい時に止めるなんて、非道いよ!」
肉を頬張りながら文句を言う。
「どんな気分だ?」
マサフミは苦情を無視して、別の質問をする。
「何かさ、下半身が熱いというか。うーん…。」
上手く表現出来ない。
しかしマサフミは大きく頷く。
「とにかくぶっ放したいんだ。
今すぐぶっ放したいんだ!」
唯一浮かんだのはストレートな言葉だった。
「射精するためだったら、何でもするか?」
マサフミの目に妖しい光が灯る。
突然の詰問に肉を飲み込むのを忘れた。
「えっ?どうなんだ!」
股間に伸びたブーツが踏み付ける。
「ああ、分かったよ。」
慌てて水で流し込み、勢いで言ってしまう。
ただ今は射精することが第一優先だ。
 
「で、どうすればいい?」
不安と期待の入り混じる気持ちを抑え切れずに聞く。
「じゃあ、まず計画を話す。」
脂ぎった口が寄る。
口に溜った唾を飲み込む。
「さっき見たDVDがあるだろう。
あの日本版を撮りたいんだ。」
マサフミが目を輝かせて語り出す。
「あんなぶっ飛び方する日本人なんて、いないと思ってた。
ところが今日のヤマトの狂い方見て、コイツしかいないと思ったんだ。」
ギトギトした口は饒舌だ。
褒められているのか、おちょくられているのか分からない。
「演技じゃダメなんだ!
薬にも頼りたくない。
素面で狂える奴じゃないと!
夢のカケラを集めるのを手伝ってくれ。」
マサフミがテーブルに手を付いて、頭を下げた。
「分かったよ。とにかく頭を上げて。」
回りの視線が気になり、慌てて制止する。
気障な言い回しだが、情熱が伝わってきた。
「マジ?黒人並に焼けた筋肉がモデルの絶対条件だ。
ヤマトしかいないんだ。
ありがとう!」
マサフミは手を握ると、何度も振る。
しかし引き受けた理由は別にあった。
ユーキは自分だけのオリジナルDVDがあると、自慢していたのだ。
それに対するつまらない対抗心がその気にさせた。
「撮影はいつするの?
週末は予定が入っているから、ダメなんだ。」
土曜日は帰国するタケルを成田へ向かいに行く。
「勿論、これからだ。
ヤマトは今、出したいんだろ?」
マサフミが平然と言う。
 
 
(つづく)
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