妄想日記1<<ORIGIN>>

YAMATO

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Chapter12(小坪編)

Chapter12-⑦【勝手にシンドバッド】

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「こいつトモっていうんだ。」
ゲンキが紹介する。
「はじめまして。」
トモカズは『はじめ』を強調した。
妙な空気の中、ユーキの後に自己紹介する。 
ゲンキが一緒に帰る旨をトモカズに伝えた。
「別にいいけどさ、だったらゲンキが運転しろよ。」
トモカズがキレ気味に言う。
とても『別にいい』言い方でない。
「なんか雲行き怪しいな…。」
ユーキに耳打ちする。
「まだまだ大丈夫だよ。」
空を見上げ、遠くの入道雲を見て言った。
ユーキの鈍感さが羨ましい。
きっとストレスなんて感じないだろう。
「ああ、運転するよ。
だったらいいんだな。」
ゲンキが向きになる。
「じゃあ、俺はヤマトさんと後ろに乗るから。
居眠りしないで、頑張って運転しろよ。」
トモカズが俺の腕を引っ張って言う。
「あっ!水位が上がってきた。
早く戻らないと!」
ユーキが大声を出す。
海に目をやると、奥にいた人達が次々に引き上げていく。
もう膝上まで潮位が上がっていた。
 
運転席にゲンキ、助手席にユーキ、後部席にトモカズと座る事になった。
スピーカーからサザンが流れ、湘南気分を盛り上げる。
「せっかく湘南まで来たんだから、箱根の温泉に寄って行こうよ!」
ユーキが提案する。
「おっ、いいね。温泉に行こうぜ。」
意外にもトモカズが乗ってきた。
やはりムードメーカーのユーキがいると、場が明るくなる。
帰り際の口喧嘩でもユーキの大声で場が収まった。
空気を読んでいるとは思えないが、結果的にはいつも好転に向かう。
車内はそのお陰で、良好な状態を保った。
ユーキが微妙な音程で唄いまくる。
鎌倉を過ぎた辺りから、海岸線は混みだしてきた。
ユーキはうとうとと舟を漕いでいる。
車が完全に止まると、トモカズが手を重ねてた。
そのまま手を引き寄せ、自身の股間に導く。
熱り立ったマラがジーンズの中で窮屈そうだ。
ジッパーがゆっくりと下がる。
昼間に中出しした黒いケツワレが現れた。
そっと触ってみる。
若草の匂いが漂う。
指先の湿り気が真昼の情事を再生する。
トモカズを見ると、舌舐めずりして見せた。
 
「全然動かねぇよ!
トモ、運転変わってくれよ。」
ゲンキが泣き言を言う。
前方に江の島が見え、すぐ脇を江ノ電が通過した。
「ゲンキの威勢がいいのは最初だけ。
いつも泣き付いてくれば、俺が助けると思っているんだ。」
トモカズが啖呵を切る。
「そう言うなよ。
もう眠くて死にそうなんだ。」
今度は甘えた声を出す。
「しょうがねぇな。
ここで事故られても困るし。
但し絶対に寝るなよ!」
トモカズは結局、頼みを聞き入れた。
信号待ちを利用して、四人は座席を入れ代わる。
信号が変わり、クラクションが鳴った。
運転するトモカズの隣に座り、慌ててドアを閉める。
後ろにユーキとゲンキが座ると同時に車が動き出す。
後部座席の二人はあっという間に眠りに落ちた。
「これを待ってたんだ。」
トモカズが囁く。
同時に空いた左手をスパッツに押し付けてきた。
「兄貴の中出ししたケツワレ穿いているから、今性欲の塊だぜ。」
耳に息が掛かる。
その言葉にマラが即反応した。
トモカズはスパッツの上から扱こうとするが、フィットし過ぎて思う様にいかない。
「スパッツ脱いじゃえよ。
こんなに熟睡してたら当分起きないぜ。」
トモカズがバックミラーで後部座席を見て言った。
 
 
(つづく)
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