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Chapter11(初戀編)
Chapter11-⑧【LOVE PHANTOM】
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「じゃあ、邪魔者は帰るよ。
ビールご馳走さま。」
ユーキが立ち上がる。
「だったら俺も帰るよ。」
慌てて立ち上がり、バッグを持つ。
「いや、ヤマトさんはもう少しいて欲しいんだ。」
タケルが手を引っ張った。
手から離れたバッグを見て、ユーキが空咳をする。
「あーあ、やってらんないや。
後はごゆっくり。」
ウインクを残し、部屋を出て行った。
二人きりになり、沈黙が続く。
「ヤマトさんはミサキみたいな奴がタイプか?」
沈黙を破り、タケルが質問してきた。
「タイプといえば、タイプです。」
聞いた側が一番イラッとする答えをしてしまう。
ミサキはまだやんちゃ坊主の趣がある。
逆にタケルは全てにおいて冷静な思考を失わない。
タイプという面ではタケルの方が優っている。
それをどう伝えるか、と考えていたらこんな返事になってしまった。
もう少し増しな答をすれば良かったと、反省するが手遅れだ。
すると、益々口が重くなる。
ムードメーカーのユーキがいないと、会話が成り立たない。
「ちょっと着替えてくる。」
タケルが席を立つ。
『つまらない奴だと思われたかな。
もっと話し掛ければ良かった。』
内心、愚痴を溢す。
聞きたい事は沢山あるが言葉にならない。
暫くするとドアがゆっくりと開く。
答えがそこに立っていた。
レザー製のマスク、グローブ、ロングブーツで武装し、チャップスから真っ黒い巨根
が熱り立つ。
その先端にはぶっ太いピアスが君臨していた。
大胸筋の上でもピアスが光沢を放つ。
ハーネス男は無言のまま近付き、顎を引き寄せる。
唇が重なった。
公園と同じ甘美なキスだ。
ハーネス男がソファーに腰掛け、足を組む。
ロングブーツが目の前に投げ出された。
四つん這いになり、ブーツに舌を這わす。
以前から存在するルールの様に。
レザー特有の匂いが異次元へ誘う。
視線を上げ、ハーネス男を見る。
満足げな瞳は閉じていた。
ブーツを引っ込めたハーネス男はグローブをした手で鼻を摘まんだ。
息苦しさに口を開く。
開いた口から舌を吸い上げる。
今度のキスは激しかった。
舌に染み込んだレザーの匂いを堪能している様だ。
ハーネス男の顎がドアを指す。
四つん這いのままドアへ向かう。
先を歩くハーネス男がレザー部屋に入る。
間接照明が妖しく灯っていた。
ハーネス男は麻縄を手に取ると、不敵な笑みを浮かべる。
縛られるのは始めてではないが、その縛りは次元が違った。
一切の妥協がなく、的確だ。
一縄一縄が筋肉に食い込み、自由を奪っていく。
縛り終わると、身動きひとつ出来ない。
ハーネス男は両手首を固定している縄をフックに掛け、反対側を引っ張った。
弛んでいた縄が徐々に張り、遂には手を持ち上げる。
完全に持ち上がると、全身の縄は更に食い込んできた。
それは単なる痛みではない。
過去に経験のない感覚を伴って快楽へ導く。
ハーネス男がカーテンを開けると、壁一面の鏡が出現する。
全身真っ赤に充血したスキンヘッドの男が吊されていた。
ミサキの時と違い、ここで終わりではない。
更に滑車は回り、縄を引っ張る。
爪先が床から離れ、完全に宙へ浮く。
尻に食い込む縄が、感覚を奪った。
痛いのか、気持ちいいのか、判断が付かない。
いや、それらの固定感情を超越した何かが沸々と湧き上がってきた。
(つづく)
ビールご馳走さま。」
ユーキが立ち上がる。
「だったら俺も帰るよ。」
慌てて立ち上がり、バッグを持つ。
「いや、ヤマトさんはもう少しいて欲しいんだ。」
タケルが手を引っ張った。
手から離れたバッグを見て、ユーキが空咳をする。
「あーあ、やってらんないや。
後はごゆっくり。」
ウインクを残し、部屋を出て行った。
二人きりになり、沈黙が続く。
「ヤマトさんはミサキみたいな奴がタイプか?」
沈黙を破り、タケルが質問してきた。
「タイプといえば、タイプです。」
聞いた側が一番イラッとする答えをしてしまう。
ミサキはまだやんちゃ坊主の趣がある。
逆にタケルは全てにおいて冷静な思考を失わない。
タイプという面ではタケルの方が優っている。
それをどう伝えるか、と考えていたらこんな返事になってしまった。
もう少し増しな答をすれば良かったと、反省するが手遅れだ。
すると、益々口が重くなる。
ムードメーカーのユーキがいないと、会話が成り立たない。
「ちょっと着替えてくる。」
タケルが席を立つ。
『つまらない奴だと思われたかな。
もっと話し掛ければ良かった。』
内心、愚痴を溢す。
聞きたい事は沢山あるが言葉にならない。
暫くするとドアがゆっくりと開く。
答えがそこに立っていた。
レザー製のマスク、グローブ、ロングブーツで武装し、チャップスから真っ黒い巨根
が熱り立つ。
その先端にはぶっ太いピアスが君臨していた。
大胸筋の上でもピアスが光沢を放つ。
ハーネス男は無言のまま近付き、顎を引き寄せる。
唇が重なった。
公園と同じ甘美なキスだ。
ハーネス男がソファーに腰掛け、足を組む。
ロングブーツが目の前に投げ出された。
四つん這いになり、ブーツに舌を這わす。
以前から存在するルールの様に。
レザー特有の匂いが異次元へ誘う。
視線を上げ、ハーネス男を見る。
満足げな瞳は閉じていた。
ブーツを引っ込めたハーネス男はグローブをした手で鼻を摘まんだ。
息苦しさに口を開く。
開いた口から舌を吸い上げる。
今度のキスは激しかった。
舌に染み込んだレザーの匂いを堪能している様だ。
ハーネス男の顎がドアを指す。
四つん這いのままドアへ向かう。
先を歩くハーネス男がレザー部屋に入る。
間接照明が妖しく灯っていた。
ハーネス男は麻縄を手に取ると、不敵な笑みを浮かべる。
縛られるのは始めてではないが、その縛りは次元が違った。
一切の妥協がなく、的確だ。
一縄一縄が筋肉に食い込み、自由を奪っていく。
縛り終わると、身動きひとつ出来ない。
ハーネス男は両手首を固定している縄をフックに掛け、反対側を引っ張った。
弛んでいた縄が徐々に張り、遂には手を持ち上げる。
完全に持ち上がると、全身の縄は更に食い込んできた。
それは単なる痛みではない。
過去に経験のない感覚を伴って快楽へ導く。
ハーネス男がカーテンを開けると、壁一面の鏡が出現する。
全身真っ赤に充血したスキンヘッドの男が吊されていた。
ミサキの時と違い、ここで終わりではない。
更に滑車は回り、縄を引っ張る。
爪先が床から離れ、完全に宙へ浮く。
尻に食い込む縄が、感覚を奪った。
痛いのか、気持ちいいのか、判断が付かない。
いや、それらの固定感情を超越した何かが沸々と湧き上がってきた。
(つづく)
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