妄想日記1<<ORIGIN>>

YAMATO

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Chapter4(タケルとイオリ編)

Chapter4-③【Bad Communication】

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「年末のある日、クラブに新顔が現れたんだ。」
タケルが語り出す。
周りの雰囲気に圧倒されて、行き場のなかった新顔にナオキさんが声を掛けた。
熊系のモテるSMクラブでは美形過ぎたらしい。
カウンターで話を聞くと、今日が発展場デビューだと言う。
タイプを聞くと、ガタイが良いSとの答えだった。
 
「それで俺に白羽の矢が立った訳さ。」
タケルが説明する。
「本当はタクミを紹介しようと思ったらしいぜ。
だけど今は兄貴に首ったけだから、諦めたと言ってた。」
と付け加えた。
「それで出張前の忙しい中、会いに行ったんだ。」
身を乗り出して話す。
いつもクールなタケルがこんな姿を見せる事は珍しい。
「これがさぁ、近年希に見る上玉だったんだ。
今日も空港まで呼び出して、一発…、いや三発ぶっ放して来た訳さ。」
嬉しくて堪らない様子が犇々と伝わってくる。
饒舌な理由が分かり、タケルの別の顔を見た気がした。
 
「まあ、暫くは俺が調教して、一人前の奴隷に育て上げやろうと思ってな。」
デビュー戦がタケルでは一人前どころか、絶対服従のドMになってしまう。
見知らぬ男に同情した。
「おっと、本題の縛りのレクチャーだったな。」
いつもクールなタケルに戻り、足を組み直しタバコを燻らす。
「こういうのは、口頭でいくら説明してもダメだ。
理解出来ない。
実践あるのみだぜ。」
笑いながら言う。
「嫌だよ、発展場で知らない奴で試すのは。」
今は兄貴以外とプレーする気はなかった。
「そう言うと思ったよ。
で、提案なんだけど、今度の連休に泊まりで温泉に行かねぇ?」
と誘ってきた。
 
「俺が傍で手取り足取り教えてやる。
大好きな兄貴をタクミが縛れるぜ。」
『大好き』を強調して、からかう。
それなら兄貴と旅行も出来るし、一石二鳥だ。
「じゃあ、帰ったら、兄貴に確認してみるよ。」
今直ぐにでも連絡したかったが、ここはぐっと我慢する。
 
「そう言えば、クリスマス前に、ジムで派手にやってたらしいな。」
タケルは突然、話題を変えた。
兄貴のハリガタ筋トレの事を言ってるらしい。
あの場にタケルの知り合いがいた様だ。
「そんな兄貴に土産だ。」
テーブルに置かれた袋の中を覗く。
巨大なストッパータイプのハリガタだ。
浮かび立つ血管がリアルだ。
「アメリカンサイズだから、失神しても知らないぜ。
タクミの兄貴はハリガタ好きらしいからな。」
ニヤつきながら、タバコを揉み消した。
 
 
(つづく)
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