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Chapter1(タクミ編)
Chapter1-⑨【もしも願いひとつだけ叶うなら】
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俺の汗の匂いと内耳から聞こえるであろう籠った声に欲情した兄貴。
あっという間に射精してしまう。
寸止めやケツをやる間もなく、大量のザーメンを俺の大胸筋に放出した。
白濁の液体が腹筋の溝をゆっくり通って、舐めまわすように通過して行く。
「気持ち良かったか?」
愚問だとは知りつつ、つい聞いてしまう。
「タクミ、最高だったよ!
俺…、感じすぎちゃって…。」
照れ笑いを浮かべながら言った。
「じゃあ、出ようか?」
外に人がいないことを確認して、ユーキを先に出す。
拭き取ったザーメンを鼻に寄せる。
その香りを思い切り吸い込むと、トイレを出た。
フロントで待っていると、シャワーを浴びた兄貴がはにかんだ笑顔でやって来た。
この爽やかな笑みを浮かべたマッチョがさっきまで狂乱を演じていたとは思えない。
『あの汗と唾液まみれだった顔は現実だったのか?』
「この後、時間ありますか?」誘ってみる。
兄貴の事がもっと知りたい。
「誘ってくれてありがとう。
ただ、この後約束があるんだ。
悪いけど…。」
申し訳なさそうに言うと、自動ドアへ向かった。
「ちょっと待って!」
開いたドアを呼び止める。
慌てて紙に携帯のアドレスを書いて渡す。
気の利いた事を言いたかったが、言葉は出てこない。
「良かったら連絡して…。」
やっとの思いで口を動かす。
「必ずメールするよ。」
兄貴は慣れた様子で言いと、手を差し出した。
サウナでの勘違いを思い出し、躊躇する。
すると兄貴は一歩踏み出し、俺の右手をギュッと掴んだ。
固い握手だった。
「もう時間過ぎて、遅刻だけど…。」
離した手を上げると、歩き出す。
笑顔が絶える事はない。
広い背中が雑踏に紛れ、完全に見えなくなる迄見送った。
ふと頭の中にメロディが浮かんだ。
『もしも願いひとつだけ叶うなら…』
(つづく)
あっという間に射精してしまう。
寸止めやケツをやる間もなく、大量のザーメンを俺の大胸筋に放出した。
白濁の液体が腹筋の溝をゆっくり通って、舐めまわすように通過して行く。
「気持ち良かったか?」
愚問だとは知りつつ、つい聞いてしまう。
「タクミ、最高だったよ!
俺…、感じすぎちゃって…。」
照れ笑いを浮かべながら言った。
「じゃあ、出ようか?」
外に人がいないことを確認して、ユーキを先に出す。
拭き取ったザーメンを鼻に寄せる。
その香りを思い切り吸い込むと、トイレを出た。
フロントで待っていると、シャワーを浴びた兄貴がはにかんだ笑顔でやって来た。
この爽やかな笑みを浮かべたマッチョがさっきまで狂乱を演じていたとは思えない。
『あの汗と唾液まみれだった顔は現実だったのか?』
「この後、時間ありますか?」誘ってみる。
兄貴の事がもっと知りたい。
「誘ってくれてありがとう。
ただ、この後約束があるんだ。
悪いけど…。」
申し訳なさそうに言うと、自動ドアへ向かった。
「ちょっと待って!」
開いたドアを呼び止める。
慌てて紙に携帯のアドレスを書いて渡す。
気の利いた事を言いたかったが、言葉は出てこない。
「良かったら連絡して…。」
やっとの思いで口を動かす。
「必ずメールするよ。」
兄貴は慣れた様子で言いと、手を差し出した。
サウナでの勘違いを思い出し、躊躇する。
すると兄貴は一歩踏み出し、俺の右手をギュッと掴んだ。
固い握手だった。
「もう時間過ぎて、遅刻だけど…。」
離した手を上げると、歩き出す。
笑顔が絶える事はない。
広い背中が雑踏に紛れ、完全に見えなくなる迄見送った。
ふと頭の中にメロディが浮かんだ。
『もしも願いひとつだけ叶うなら…』
(つづく)
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