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Chapter10(続テツオ編)
Chapter10-①【ESCAPADE】
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「トレーニングは休みですよね。
僕も今日は書くのを止めます。
久し振りに外出しましょう。」
朝食を食べ終わったアキノリが誘ってきた。
「締め切り近いけど、大丈夫か?
俺を気遣ってなら、無理しなくても平気だけど。」
最近はすれ違いの生活が続いている。
アキノリは昼夜問わず執筆していて、何時寝ているのかも分からない。
「大分目処も立ちました。
それに僕のここが欲しているのです。」
尻を突き出して微笑む。
久しく見てない笑顔だ。
「だったら何処へ行く?」
釣られて微笑み返す。
「本当にここで良いのか?」
雑居ビルの一角に小さなプレートが出ている。
『モナーク』と書かれていた。
アキノリはドアを押し、中へ入っていく。
「本日は覆面デイです。
持ってますか?」
小窓から声だけが聞こえる。
「持ってます。」
「なら、二人で。」
レジに金額が表示された。
「覆面…、持ってきたのか?」
「シオンさんの分もあります。
被せてあげましょう。」
ラバーが皮膚を引っ張る。
ジッパーが下がると、息苦しさが伴う。
「はぁ、はぁ…。」呼吸が荒くなる。
「これって透明なんだ…。」
鏡の前に連れていかれ、中を覗く。
半透明の下で目鼻立ちが分かる。
「これを被ると人造人間に見えませんか?
無機質な表情にエロさを覚えます。」
鏡の中にもう一人のマスクが映り込んだ。
「では、ここからは自由行動にしましょう。」
「えっ?」不自由な口から疑問符が出た。
「執筆作業が続いて、禁欲生活でした。
お陰て良い作品が書けそうです。
少し余裕が出来たので、放出したくなりました。
僕のここが疼くのです。」
尻を突き出したマスクマンの表情は分からない。
薄暗い廊下の脇に男達が立っている。
階段を上がり、各フロアを見て歩く。
伸びる手を振り払い先を急ぐ。
しかしアキノリの姿は何処にもない。
カーテンを払いのけ、中を覗く。
掘られている男と視線が合う。
見知らぬマスクを見て、カーテンを戻す。
次々に個室を見て回った。
ジムエリアがあった。
マスクをした男達がトレーニングをしている。
シオンの姿を見て、男達の手が止まった。
簡易的なマシンばかりで筋トレには物足りない。
『一体何処にいるんだ?
どんな奴とやってるんだ?』
苛立ちが募る。
ジムを出て、階段を下りる。
「あのー、もしかして…、タカノリ?」
踊り場に降り立った時、頭上から声がした。
その方向に目を向ける。
覗いているマスクはベンチプレスで見掛けた物だった。
「いや、人違いだ。」
「でっ、でも…、その乳首は…。」
男が降りてくる。
「違うと言ってるだろ。」
面倒だと思いながら、言い放つ。
「あっ、悪い。人違いでも良いんだ。
その乳首を触らせてくれないか?」
踊り場の手前で男の足が止まった。
「悪いが、人を探しているんだ。」
背を見せ、階段を降りる。
「ちょっとで良いんで、触らせてくれよ。」
無視して先を急ぐ。
「どんな野郎を探しているんだ?
そんなエロいガタイなら、誰でも食らい付くぜ。」
男は一定の距離を保ち付いてきた。
次に覗いた部屋には便器が置いてあった。
扉のない衝立があり、何台かの便器がある。
タカノリのビデオに出てきた便所に似ていた。
「ここで撮影したんですよ。
あのビデオは。」
男がシオンの思考を見透かした様に言う。
『ここでタカノリは肛門を犯された!』
床が抜けたかと思う程、足元がぐらついた。
(つづく)
僕も今日は書くのを止めます。
久し振りに外出しましょう。」
朝食を食べ終わったアキノリが誘ってきた。
「締め切り近いけど、大丈夫か?
俺を気遣ってなら、無理しなくても平気だけど。」
最近はすれ違いの生活が続いている。
アキノリは昼夜問わず執筆していて、何時寝ているのかも分からない。
「大分目処も立ちました。
それに僕のここが欲しているのです。」
尻を突き出して微笑む。
久しく見てない笑顔だ。
「だったら何処へ行く?」
釣られて微笑み返す。
「本当にここで良いのか?」
雑居ビルの一角に小さなプレートが出ている。
『モナーク』と書かれていた。
アキノリはドアを押し、中へ入っていく。
「本日は覆面デイです。
持ってますか?」
小窓から声だけが聞こえる。
「持ってます。」
「なら、二人で。」
レジに金額が表示された。
「覆面…、持ってきたのか?」
「シオンさんの分もあります。
被せてあげましょう。」
ラバーが皮膚を引っ張る。
ジッパーが下がると、息苦しさが伴う。
「はぁ、はぁ…。」呼吸が荒くなる。
「これって透明なんだ…。」
鏡の前に連れていかれ、中を覗く。
半透明の下で目鼻立ちが分かる。
「これを被ると人造人間に見えませんか?
無機質な表情にエロさを覚えます。」
鏡の中にもう一人のマスクが映り込んだ。
「では、ここからは自由行動にしましょう。」
「えっ?」不自由な口から疑問符が出た。
「執筆作業が続いて、禁欲生活でした。
お陰て良い作品が書けそうです。
少し余裕が出来たので、放出したくなりました。
僕のここが疼くのです。」
尻を突き出したマスクマンの表情は分からない。
薄暗い廊下の脇に男達が立っている。
階段を上がり、各フロアを見て歩く。
伸びる手を振り払い先を急ぐ。
しかしアキノリの姿は何処にもない。
カーテンを払いのけ、中を覗く。
掘られている男と視線が合う。
見知らぬマスクを見て、カーテンを戻す。
次々に個室を見て回った。
ジムエリアがあった。
マスクをした男達がトレーニングをしている。
シオンの姿を見て、男達の手が止まった。
簡易的なマシンばかりで筋トレには物足りない。
『一体何処にいるんだ?
どんな奴とやってるんだ?』
苛立ちが募る。
ジムを出て、階段を下りる。
「あのー、もしかして…、タカノリ?」
踊り場に降り立った時、頭上から声がした。
その方向に目を向ける。
覗いているマスクはベンチプレスで見掛けた物だった。
「いや、人違いだ。」
「でっ、でも…、その乳首は…。」
男が降りてくる。
「違うと言ってるだろ。」
面倒だと思いながら、言い放つ。
「あっ、悪い。人違いでも良いんだ。
その乳首を触らせてくれないか?」
踊り場の手前で男の足が止まった。
「悪いが、人を探しているんだ。」
背を見せ、階段を降りる。
「ちょっとで良いんで、触らせてくれよ。」
無視して先を急ぐ。
「どんな野郎を探しているんだ?
そんなエロいガタイなら、誰でも食らい付くぜ。」
男は一定の距離を保ち付いてきた。
次に覗いた部屋には便器が置いてあった。
扉のない衝立があり、何台かの便器がある。
タカノリのビデオに出てきた便所に似ていた。
「ここで撮影したんですよ。
あのビデオは。」
男がシオンの思考を見透かした様に言う。
『ここでタカノリは肛門を犯された!』
床が抜けたかと思う程、足元がぐらついた。
(つづく)
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