妄想日記7<<DAYDREAM>>

YAMATO

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Chapter2(テツオ編)

Chapter2-⑪【月天心】

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「着いたぜ。」
その言葉で現実に戻る。
腹に痛みを伴って。
「月に一度、堪え切れなくなるんだ。
この満月のお陰でな。」
グローブをした拳が腹を狙い打つ。
下腹に力を入れ、防戦する。
「おおっ、良い腹筋だぜ。
１ヶ月、無償でお前を鍛えた甲斐があったってもんだ。」
四月に入り、寒さはもう感じない。
パンチを打ち込む度に汗が飛び散る。
恍惚とした表情のツグムは更なる快楽を求め、拳を繰り出した。

『止めに行かなくちゃ…。』
遠くで声が聞こえる。
だがその声は次第に遠ざかっていく。
ランニングパンツを持ち上げるぺニスが強い刺激を求めたのだ。
パンチを受ける瞬間、爪先立ちになる。
「ぐおっ！」軌道の先に置いた股間に拳がめり込む。
バランスを崩し、便所の壁迄すっ飛んだ。
「おおっ！堪んねぇな、この感触！」
背中に壁を感じながら、無数のパンチを浴びる。
射精が近い。
それはツグムも同じ様だ。
手数が多くなった事でそれを知った。

ランニングパンツから白い液が溢れ出る。
その上に新たな白濁の液が降り注ぐ。
荒い息をする度に腹が盛り上がっては凹む。
その繰り返しを目で追う。
何か大事な事を忘れている気がした。

どれ位、時間が経ったのだろう。
夜の静寂の中、鼾が響く。
よろよろと立ち上がる。
液が股を伝い落ちていく。
乾いてない所を見ると、そう時間は経過していないのかもしれない。
ツグムを背負うと、来た道を戻る。
『陽子さんを起こさない様にしないとな。』

ツグムの下ろし、ポケットを弄る。
鍵に触れた時、カチッと音がしてしまった。
息を止め、耳を澄ます。
『これ位の音で起きる訳はない。』
そっと鍵を出そうとすると、微かな声が聞こえた。
「ああっ…。」
見上げる窓は陽子の部屋だ。

「感じてるじゃないか。」
ホクトの声だ。
「さっき迄、帰れ帰れと五月蝿かった癖に。
お望み通りに帰ってやろうか？」
薄い壁からはっきりと聞こえる。
「いや、行かないで。」
聞いたことのない甘えた声がする。
『これが陽子？』
シオンも壁に凭れ、頭上からする声に耳を傾けた。
「おらっ、どうだ？
これで身体が壊れるか？
何なら止めてもいいんだ。」
ホクトの巨大なぺニスを思い描く。
股間が熱くなっていく。

「いや、いや…。」
「いやだけじゃ、分からないな。
どうして欲しいんだ？」
壁一枚隔てたライブに臨場感を覚える。
熱り起つマラに指を添えた。
「もっと…。」
「もっと、どうして欲しいんだ？」
「もっと…、深く、奥迄頂戴。」
「最初から素直にそう言えば良いんだよ。
一緒に絶頂を迎えよう、陽子。」
シオンは手の動きが早まる。
「ああん。」
「おおっ！陽子最高だ！」
その声と共にシオンも絶頂に向かう。
ホクトはシオンの中で射精した事はない。
シオンが放出するとゲームセットだった。
初めてホクトの絶頂時の声を聞く。

「イクぞ！イクぞ！」
ホクトの声を聞きながら、ピークに達する。
「お前、何やってんだ？
家の前でオナニーなんかしやがって。」
きょとんとしたツグムの視線と合う。
慌てて濡れた手でツグムの口を押さえる。
「汚…。」
「おおっ！イクぞ！」
「ああっ！」
ツグムの拒絶を二人の声が飲み込んだ。
一陣の風が花片を運んできた。
股に乗った桜を見て、ツグムもやっと理解した様だ。

(つづく)

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